愛とか
愛に似たものとか
愛と呼びたいものとか
愛したいものとか
愛しても届かないものとか
愛したらいつか届くんじゃないかと思うものとか
付箋をつけた愛とか
血糊みたいにべっとりした愛と ....
しゃけたらこ おにぎりばくだん投下するシンジゲートの朝は忙し

しみじみと昔の恋がよみがえるように便座に熱戻る朝

カシミアはさぞ美味しかろうよ 虫食いの穴に悪態を吐く

秋空の雲の流れる ....
いきぎれ
しそうな予感は
いきている
最中には 何度かあるものだ
あかぎれ
とは 苦しさの温度が別物で
薬草を塗っても
それは
しずまらない

いきぎれ
とは もしかしたら
生 ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める

あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
おしまいを
覚えさせたのは あたし
おしまいですか?
そんならしかたないですね、と
ちらり 上目づかいで見上げたって
もう おしまいだよ
これは
さいごのおしまい

おしまいがなかっ ....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
はかなげな羽が降りてくるようにシダーウッドの練り香の夜

素のままの足先冷えるにまかぜては南瓜の裏ごしなんかしてみる

面取りの支度を終えた大根の白さに嫉妬 そうゆうをんな

忘れたり思い ....
それは柔らかな矢印
ipodのイヤホンの片方は
彼女の耳へ繋がっていた
繋がるということは
繋がれるということとは違う
繋がるということは
ほんの一点で
存在を確かめあえること

僕 ....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
【乾期】

鉢植えが日ごとうらぶれていく
朝顔はもう咲かないだろう
ふたたび未来をつなげる種だけを残して
それでいいじゃないかと
乾いていく
ほんの少し私も そこで
足踏みしている
 ....
定価千八百円のはずの詩集が
アマゾンで一円で売られていた

0円では商品として流通されないだろうから
一円にしたまでのことなのか

紙代にも
印刷代にも
ならないはずの
アルミ二ュウ ....
【ともし火】

気づけばしんと冷えていく
乗り換え駅も冷えていく
あの子はまだ半袖で
切符がないと泣いている

秋は火を隠している
柔らかな火を 今年もまた
あの子が切符を見つけられ ....
埠頭から一時間船にゆられた
海面に時折大きな背びれが顔を出した
港であんこ椿の扮装をして写真を撮られた
両親と弟、祖母で三原山に向かった
しばらく行くと草も花もなくなった
辺りは黒々とした石 ....
雨が降っていた

同じ小学校だった女友達と
ゆうべ電話で話す
今度何十年かぶりにする
同窓会のこと
思い出話なんかも取り混ぜて
時々あったお弁当の日
彼女のお弁当箱には
美味しそうな ....
みみたぶは
いつも冷えている
熱い鍋肌にうっかり触ってしまった
わたしの指を冷やすために
みみたぶは
きっと知っている
それがうっかりではなくて
わざと、であったかもしれないことを
知 ....
夜になると
バーバは魔法使いになる
紙の扉は
たちまち昼の成りを潜めて
世界を映し出す
銀幕になる

指でこさえた狐が
首輪を失くした犬と出会い
なんのためらいもなく
おしゃべりを ....
ケーキを焼いて
中学生の娘の誕生日を祝う

ろうそくの灯に照らされて
もうひとりの女の子が浮かび上がる
娘と同じ誕生日を持つ子
遠い国に拉致されて
連れ去られたまま
いまだ帰ってこられ ....
叢でひっそりと
台風が去ったあとの
サファイアブルーの空を
見上げてます

小鳥よ、小鳥
わたしを一緒に連れてって
くちばしが
わたしをついばむ日を
待っています

翼を持たない ....
強風に この身のタガをはずされそうで夜の毛布を抱きしめている

蓋のないボンドはいつしか固まって自己完結を目指しています

貝ボタンはずせばそこはあの海で潮の香りが満ちて広がる

風見鶏  ....
記憶の糸をほどく
風景や音や肌触り
縫い合わされていた
いくつもの欠片が
ふたたび熱を取り戻して差し出される
思い出は語られたがっているのだろうか

子供の頃ひと夏を過ごした祖父母の家
 ....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み

その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
かーさん ももいろひよこ かってや
めっちゃ かわいーやんか
そらいろも いるんやで
にじいろも いるんやで
ハートマークも いるんやで

息も絶え絶えのひよこたち
鳴いてるんじゃない
 ....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる

ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる

涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
まっすぐに
引けたためしがない
まっすぐに似た線なら書けるのに
フリーハンドで書く
まっすぐは
ほんの少し曲がっている
骨が湾曲している
私のなかに
直線がない
失ったわけではなく
 ....
死と生の間で
行ったり来たり
そして
時々 
つりあってみたりする
遊具

傾いた板の上を
滑り落ちてくる
日常という名の欠片
秋のうすい陽をまとい
氷砂糖のようにきらめく
し ....
沈まぬ寺の鐘が鳴ると
ごんべんに響き渡り
詩というものが芽を出した

救済であったり
現実からの逃亡であったり
魂のゆくえに思いを馳せたり
本質であったり
虚像であったり

見ず知 ....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
まちがいだと
笑わないでください

季節を
取り違えた
ばかな花だと
笑わないでください

きょうだいたちが
眠っているのを
ただ静かに見守るためだけに
秋に咲いた
一輪の紫陽 ....
支柱にありがとう、と言った

夏のあいだじゅう
あなたが支えてくれたおかげで
私は安心して背を伸ばし
太陽に近づき
あおい葉を繁らせ
たくさんのこどもを生むことができた
赤い血がしたた ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける

両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
そらの珊瑚(946)
タイトル カテゴリ Point 日付
Lover,Lover,Lover自由詩16*13/11/8 9:26
めいぷる[group]短歌1113/11/7 9:21
いきぎれ自由詩1113/11/6 9:15
あまねくすべての椅子に捧げる自由詩2313/11/4 11:03
【おしまい】 詩人サークル「群青」10月の課題「無」から[group]自由詩14*13/11/2 10:43
葡萄酒自由詩20*13/11/1 12:17
イノセント[group]短歌1113/10/30 10:52
柔らかな矢印自由詩813/10/30 8:58
鶏供養自由詩2413/10/29 14:14
秋の待ち伏せ(ツイッター#pw秋組参加作品)Ⅱ自由詩19*13/10/28 9:43
一円自由詩16*13/10/27 11:23
秋の待ち伏せ(ツイッター#pw秋組参加作品)自由詩9*13/10/26 23:42
アイランド自由詩1013/10/26 9:39
フレンチトーストとおちょこ傘自由詩1313/10/25 11:39
みみたぶ自由詩1713/10/23 9:08
幻燈自由詩1213/10/22 13:59
十月五日(土)天気 雨自由詩1513/10/19 11:04
じゅずさんご自由詩1213/10/17 10:58
風の街短歌1013/10/16 10:10
ありがとうの言葉とともに自由詩18*13/10/16 8:57
ためいき自由詩18*13/10/14 10:51
夜市自由詩17*13/10/11 9:28
十月の扉自由詩18*13/10/9 20:20
まっすぐ自由詩20+*13/10/7 10:36
シーソー自由詩12*13/10/6 7:40
自由詩10*13/10/5 9:59
ぶかぶか【詩サークル「群青」九月のお題「音」から】[group]自由詩22*13/10/2 13:57
シークレット ガーデン自由詩12*13/10/1 9:03
秋別れ自由詩17*13/9/28 22:14
わたしが消えたあとにも自由詩22*13/9/27 9:31

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