わたしは病院に行く用事をひとつ飛ばして、ろくでもない約束のために着飾っている。意味のないこと、何にもならないこと、だけどそうするよりほかないこと。駅のパン屋は混んでいる。ここには気持ちよく声をだす .... 生活がある
花を生ける
テレビを消す、そしてまた点ける
爪を塗り立てる
クリームを混ぜる
洗剤のボトルを乾かして、
充填する

本を開けない
身体は開くのに
心を開けない
系 ....
なんだっていいよと言いたかった
あなたがさえずるのが聞こえたから
音の羅列があれば
どんなことでも想像できたから
となりの部屋で
だれかにむかって
さえずる愛が
わたしにだけ聞こ ....
いまだに恋について考えるのってばかばかしいことかな、提灯の影を踏みながら歩いている。女ばっかりいるような喫茶店で過ごそうと家をでて、でもなんとなくぶらぶら通り過ぎてしまった。

物語を必要としない ....
バターがにおうきみの指
料理だってしないのに
その指で小さい蝶蝶を
なんどもつかまえてた

日々がおわるのがわかってた
だしっぱなしにしたビールが
温くなってくのとおなじだ

そ ....
いみなんてずっと前からのこってない「かくこと」だけがここにあるだけ

転がって火のつく指に背に頬になんどもつめたい口づけをする

七七の拍子で揺れる夢だから 五七五はきみにあげるね

 ....
してほしいと思うことは大体していただいてるんですけどね、と医者は言う。診察室の四角いデスク、細長い指でたたかれるキーボード、しめっぱなしのブラインド。
体重は減っていますか?と聞かれて、ええとゆるや ....
満たない
思いの
集積場へ

続きからはじまる
夢を折り
からだを畳んで
終わりまで
引きずる

ただ、これは
すりばち状の夢
終わりは広く
広く広く見えるが

 ....
びしょびしょの翅をふるわせて、せみたちが木々の間を抜けていく。街は恋を消費して育つ、夏のせいで深い森になってしまった。
あなたの頬はかたく、髪はつめたく、息はせつない。わたしたちの時間は狭く、言 ....
星の名を知らないままで抱き合った
覚悟もないのに 恋をしたから
よろこびをうすっぺらいその胸に抱き
悲しみに痩せた背中を預ける
旅をして、帰ってくれば花瓶はからから、ぐったりしたベランダの植物たちに、ごめんねごめんねと言いながら水やる。ぱんぱんの洗濯機がごとごといって回るなかで、冷蔵庫のなかで傷んだかなしい果物をどんど .... 底抜けの淋しさにあてるために
壊してもよいおもちゃを探してました
そこへ来てあなたが、
きちんとあたたかいものをお食べよ。などと言えば
てきめんに恋をおぼえます

見覚えのある言葉が
 ....
雨の日の花火のような恋だった
あなたのことを 忘れたかった
早く帰らなきゃと思った
あの午後に
わかっていた、

さみしいこと
あなたが
さみしいまま笑うこと
そうされるとどうしようもないこと
名前のない感情を
手近な恋でくるもうとす ....
柔らかいまま生きてるから
噛まれちゃったね

傾いていく夏をいっぱいに浴びて立っていなさいよ

そして、
わたしはもうこれ以上愛することができないから
外へ出て
いろんなものに ....
愛の膝
まるく揺れる口づけをして
明日に向かおうとする小鳩たち

ひかって、まぶしいのは
どこにも触らずにまっすぐに落ちてきた光みたいな
きみの愛の膝
ひととおりの夢。

長方形のオフィス、ガラスで仕切られた(ばかみたいな)会議室、行われない会議、冷やされ続けるペットボトル・ウォーター。
機嫌の良い男はそれだけで価値がある。女の子はどうかな ....
こもれびのなかであなたが笑うとき
世界はいつも正しくなった
正しくない朝は苦しい。正しくない夜よりもずっと苦しい
ごみ収集車が、駅前の店のごみを集めにきている、瓶が重なる音がする。
あと少し、ぜったいに、大丈夫、と思いながら、何度もまちがえた。

 ....
流れていく と、あなたはおもう
はいってくる、とわたしはおもう

赤く腫れた心臓が、
あなたに悪さをするのです

あはたは、苦しそうに
開示するけど

それはわたしの仕事じゃな ....
聞いたことがあるような言葉でしか人を誘えず
職業的な結婚、とか思って笑ったり
笑ったりしていると
幸せなの?と寄ってくる人々をひとり残らず張り倒す
池袋と渋谷の人混みの違いについて上手 ....
 日曜日だ
パンは焼かれる

いつもと違う種類の男女が
あちこちで卵を産む

悲惨なニュースもある
くまたちが街へ来てしまったり

でも、概ね日曜日だ
カフェは盛況
隣人と挨 ....
そうですね、あっという間に夏が来て、ベランダでは何匹もの甲虫が孵化してしまいました。もうこの小さな箱の中で3世代か、4世代めになる。毎年何匹かがここで死んで、何匹かが木のなかへ放たれ、さらに何匹か .... くらやみのひとつもない街でするなら明かりを消せる恋がいいよね 夜のくまは一匹で月を空に押しあげる
おもたい満月も 脆い三日月も
一匹で

ひとりは、孤独をつくらないから
淋しくても平気だった
自分のからだを磨いたあとにやってくる
眠りを受け ....
十四時をすぎて、
雨が上がった午後には
きっとわたしでもどこかへ行けると思ったし
もう少女でもなかったし
切符を買うこともできると思った

長い階段を降ってから昇って
手のひらの ....
わたしの気持が愛に近づくごとに
あなたの精神がつめたく枯れていきます
でもそれはとめどない欲求で
近づきはするけれども
決して愛にはならなかった

つめたい土に眠っている
こごえ ....
目をあけるとそこは世界で
夏は夕方のにおいがする
もうぜんぜんどこにも行けない、と思うので
玉子を買っておうちに帰る
わたしの書くたいていの文章は排泄にちかいものなんですけど、ときどき消化不良の嘔吐みたいなのもあって、みたものがそのまんまゲロになってるのも、あります。そういうゲロにポイントがつくこともあるけど、へ ....
はるな(1851)
タイトル カテゴリ Point 日付
メモ散文(批評 ...324/9/18 17:42
回転灯自由詩124/9/18 9:59
さえずり自由詩524/9/13 11:36
メモ[group]散文(批評 ...124/9/9 11:12
ありふれた愛自由詩224/9/6 17:00
ピザだ今日は[group]短歌424/9/4 9:35
メモ[group]散文(批評 ...224/9/2 15:19
すりばち状の夢自由詩324/8/29 16:27
物語②自由詩224/8/20 16:22
星の名[group]短歌124/8/20 16:09
背中を預ける[group]短歌124/8/20 16:07
旅のこと[group]散文(批評 ...124/8/19 8:44
玩具自由詩424/8/15 0:06
花火[group]短歌124/8/6 14:20
さみしいこと自由詩324/8/4 10:06
娘たち自由詩324/7/31 6:42
愛の膝自由詩324/7/30 14:18
メモ、庭のこと、イタリアの音楽に合わせて踊ること。散文(批評 ...224/7/24 13:52
こもれび[group]短歌224/7/24 13:33
メモ[group]散文(批評 ...224/7/18 5:59
ビール自由詩124/7/15 6:12
理論的な恋自由詩024/7/12 14:44
サンデー自由詩124/7/6 11:58
メモ散文(批評 ...124/7/3 19:50
するなら[group]短歌124/6/30 21:00
朝のくま、夜のくま[group]自由詩324/6/30 20:51
十四時自由詩424/6/19 15:35
たね自由詩324/6/16 16:21
玉子を買っておうちに帰る自由詩224/6/14 17:57
メモ散文(批評 ...124/6/10 16:55

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