特別なことのふりする春のあれ
ありふれてるけど見つけられない

蜜の朝なんども焦げた夢のあと
あなたのいない あかるい寝床

ねむる時あたしはかつて鬼だった
ことをすこし 誇りに思う ....
詩を書きやめたひとはなぜだろう、書き終わってしまったのかな、それとも、長く書いている途中なのかな。
愉快な詩を書きたいと思うけど私の心根は割と暗く、精々熊が転がったりナッツ・ケーキが焼きあがった ....
もうそこにある愛を押しとどめて
まだ愛していませんと言う

台所では蛤が体を閉ざし
海を放つのを拒んでいる

日差しのなかに愛がある
それはわかっている
ただ、その影で眠るのが ....
蓋をしたままにしておくというのもひとつの手ですけどね、と医者は言う。でもしめられないです、開いてしまって、それらを解決したいと思ってます。わたしは言う。この指の細い医者と、やっと会話ができるようになっ .... 愛かもな?そうでもないかも?そうかもな 熊は転がる明るい方へ

卵焼きやぶけてみたり泣いてたり 憎んでみたり抱かれてみたり

言葉より速い体が出掛けてて 気持はここで歌を聞いてる

 ....
もういちど言ってください
とあなたたちが言う
わたしは爪を剥きながら
それはできない と思う
思いながら それさえも言えないでいる

もういちど言ってください
とあなたたちが言う
 ....
しってさあ、さいごが5文字でおわらなきゃいけないんでしょ?
それは唐突ななぞなぞ、幸福な問いかけ、伸びゆく枝が掴むあおぞら。
俳句のことかな?それか川柳?

うーん、そうじゃなくてふつうの ....
たべることが少し難しい。家にいると眠ってしまう。座っていても立っていても眠ってしまう。いもうとが、きれいなゼリーをたくさんくれた。それはおいしくてたくさん食べた。
それなのに、わたしの体は透 ....
近づけぬきみの横顔薄氷よ
沈丁花香りの裾にある痛み
曇天に春菜を摘む手温い泥
いつか許せる、と言った口を蹴り上げる。いつも時間がこまかい刃を持っていてちりちり削っていく、形がかわっていく。たしかにわたしはいくつもの呪いをかけたと思う。うすべったくて温かい呪いだ。それはとっくにわ .... あれからまた百年がたち
わたしたちは まだ無知だった

岩とか、波とか
空とか
そういうもののほうが
まだ世界をよく知っていた

まえの百年にしてきたことを
ひとつずつなぞって
 ....
薫るほど咲く街を見下ろして今
できればあなたを失いたかった
扉のようなものを押して
外のようなところに出る
人のようなものに当たり
痛みのようなものを得る
そのようにして日を過し
泡のような疲れのなかで
死のようなものを思っている
死のような ....
手はここにありますか?ほんとにここに それはそれとして置かれた林檎 排気口からとめどなく産まれる風船。バスの行列、タイヤをラメで塗る。
正方形の庭、日付のないカレンダー、海。
「もう一度最初から話してくれませんか?」
髪の毛を耳にかけるしぐさ、紫色の砂。ポリカー ....
ここいらへんでは氷柱はみられない。駅前のマンションの前に、水のあがらない噴水(池でもないし、あれってどういうつもりだろう)があって、冬のいちばん底になるとようやく薄く氷が張るくらいだ。
部屋のな ....
とても簡単に すべては失われ
冬の窓ガラスのように
冴え冴えと濡れて光った

街そのものだ

あなたが評した私
夕暮れの折 裂いた柘榴から
流れる血を見ている
けれど本当に
私がここにいるのか
判然としない

ビルを倒し 空を割り
海を干上がらせる
気持の強さに反して
指先ひとつも
動か ....
少女の終わりごろ、視線の先でうまれた蛇を飼っていた。

あまりにも白く、ちいさく、
そして骨ばった足までついていたが、たしかに蛇だった。
そのときわたしは恋をしていたから、
蛇にもそのひ ....
平らかな水面を刺して君の指
これはたしかな愛に為りうる
冬の澱
蝶ちょは部屋で凍えてて
あなたの指は光を集める
辞書を捲る指が
陽をうけて透けている
あなたの顔を忘れ 声を忘れ 名を忘れ
それでも愛を覚えている
香ばしい指が私の道を行く
だからわたしは地図として鳴く

触れるとも触れずとも落つ肌の上
あるかなきかの道標など

つまらない日々の余白を奪い合い
鳴いて見せたらああおもしろい

 ....
ため息を小瓶に溜めて息をする
浅はかでしょ?嫌いになってね
星のような脆さで光っていた
鳥達が言葉を持ち
海を渡っていく
変わっていくことが分かっていた
愛だっていつか干上がるだろう
けれども僕たちの生活は
今のところまだ
星のような脆さで光 ....
ニュースを見る
テレビを消す
洗う手を
また汚れる

最悪だと思う
お前もお前もお前もお前も
同じように最悪だと思う
でも自分はそれよりももっと悪いと思う

女になったり親にな ....
起きたら形を保てなくなっていた。
持ち上げた腕がとろりと流れ、指は境目を失い、膝を立てようにも重たく淀む。なんとか頭を起こして身体の様子を見られるようになるまで40分近くかかってしまった。
記号が ....
どこまでもどこまでもどこまでも弱い 弱いあなたの横顔が好き 明けようとする夜の裾を掴む手は 切れて汚れて私の手 鶏小屋で
安易な名付け
浅い夢
散らかる祈り
深い傷跡
はるな(1880)
タイトル カテゴリ Point 日付
春のあれ[group]短歌325/2/28 11:12
メモ(ぶつかりおばさん)[group]散文(批評 ...325/2/25 8:23
自由詩325/2/24 11:23
メモ(プラスチック・ビーズ)[group]散文(批評 ...325/2/20 17:25
熊は転がる明るい方へ[group]短歌525/2/19 15:39
塩水自由詩425/2/14 10:26
メモ(5文字でおわらなきゃいけないしのこと)[group]散文(批評 ...425/2/13 18:01
メモ[group]散文(批評 ...5*25/2/7 10:44
早春俳句125/2/4 17:20
メモ(蹴り上げる)[group]散文(批評 ...425/2/4 9:36
百年2自由詩625/1/29 18:26
まち[group]短歌425/1/29 10:10
生活について自由詩425/1/27 8:59
りんご[group]短歌025/1/21 9:57
ラメ付きバス自由詩225/1/17 9:49
メモ[group]散文(批評 ...225/1/15 13:19
とても簡単に自由詩425/1/14 8:14
柘榴自由詩525/1/11 21:19
蛇の話散文(批評 ...025/1/7 9:24
水面[group]短歌125/1/7 9:02
ちょうちょ[group]短歌325/1/7 9:00
あとかた自由詩324/12/24 8:47
地図[group]短歌124/12/20 13:56
小瓶[group]短歌124/12/18 14:24
脆さ自由詩724/12/17 9:33
最悪自由詩224/12/16 17:27
寝起きの話散文(批評 ...124/12/10 13:43
横顔[group]短歌224/12/10 8:27
私の手[group]短歌124/12/8 6:05
鶏小屋[group]短歌224/12/4 9:12

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