白濁色の幻聴がミミズのように潜りこむ寒さ、よりの朝、寝床の感触は死に忘れ、生ぬるい亡者の笑い混じりの生業まみれ
汚れた目尻を洗う時に思いついた今日最初のポエジー、目尻 ....
青い光、死に急ぐ時、俺は
時を吸い込んだ埃にまみれながら
網膜の疲労のせいで動脈のように赤い
海岸線を見つめながら無力であろうとした
出来たことを数えながら見送るなんて ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 ....
月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
混線した電話からほんの一瞬だけ聞こえた名も知らぬ誰かの泣声のように、どう対処していいのか判らない種類の痛みを残してあの人は消えてしまった。テーブルの上のエスプレッソすら、きちんと始末して行かな ....
ナマの心臓の感触というのはなかなかそうと膝を打てるような言葉にはならないものだ、本来俺たちはそうしたものの動きには無自覚なものだし、そもそも下手に自覚なんかしてしまったら日 ....
精神の欠片の中に迷い込んだ羽虫が悪いものを喰って死んだ、そいつの死骸がだんだんと腐って嫌な臭いをそこらに立ち上らせ…朝を二度迎えた後でなにもなかったみたいにそれは消えた
臭い ....
うち捨てたときの痛みをお前は信じ過ぎた、渇きの挙句ひび割れた生体の表面のごとく、ただあるというだけで約束された気になっていた理由が音もなく崩れる、死際の夏が悪い足掻きのように放つ胸のムカつくよ ....
連弾のような雨を
見上げてお前は呟いた
それがどんな言葉であるか
俺は確かめはしなかった
散々な思いのあと
不意に開いた排水溝に
吸い込まれてしまうような気分
はぐ ....
ちょっと失態に見えるような
歴史の中で真実は息をひそめていて
俺が道ですっ転んだりした拍子に
目と目がバッチリ合うのを待っている
まるで控え目な女のように
まるで手 ....
紫色の唇をした
少女が産声を上げる時間
バレンが
巧妙な胎盤に色を馴染ませてゆくその時間
木の屑を集めながら
生命はどこにあるのだと自問していた
朝から雨が長く降り続い ....
俺が自分で何かを成し遂げたと思った時は
天にも昇るほど気持ちがいい
俺が自分の中にどんなものも見つけられないとき
濁った湖の底に沈んでいくような気持ち
だけどそんな ....
僕らは虚ろな階段を
カモメのように
カメムシのように
ひらひらと
ごそごそと
やりながら
途方もない一段を
へろへろと
へろへろと
のぼる
....
淫らな夜に唾を吐きながら飛び惑う鳥だった、嘔吐のように溢れ出る鳴声のせいでいつでも水が欲しくてたまらなかった、カットされた景色のような電信柱の影をかすめながらうち捨てられた巨大なマンションの最 ....
俺の中にはもう誰も居ない、よく晴れた朝に死に絶えてしまった
俺の中にはもう誰も居ない、毒の流れ込んだ湖みたいに
跡形も残らず死に絶えてしまった
俺の中にはもう誰も居ない、バクテ ....
胃袋から絞り出したが、たいてい
気持ちのいい言葉にはならなかった、そもそも
てめえの中で渦を巻いてるものなんて
薄々は判っていたはずだった
俺が見ていたのは同じ景色
....
ふと
あなたは
それが罪であることを知るでしょう
深い罪の上に、深い深い罪の上に
自らの人生があることを知るでしょう
生きることの出来なかった
様々な生の死体の上に
自らの生 ....
切傷のように震えた呆然の午後、路上で渇いた迷いミミズの跳ねる光を右目で受けて
どこかで聞いた歌の一節を思い出そうとしていた、結果として叶わずともいいような、そんな願 ....
今日は
涼しくて助かる
だけど
俺には行くところがない
降る、と言っていた
雨は
どうやら
降らないようで
洗濯物は干したままでいい
だ ....
ビルの隙間に潜り込んだ切ないアイデンティティの死にざまは破裂気味、増えすぎた膿が皮膚を破いて躍り出るみたいな予感、曇り空からはいつか覆い隠した感情が疲れた雪のように降り注ぐ、もう飽 ....
そのとき舌先を耐えがたい感触が駆け抜けて行っただろう、瞳孔を麻痺させるような緩慢とした動き、意識下にかしずいた不確かな感触、絶対的でないがために徹底的に堆積してゆく―崩 ....
赤い血が時々生命を忘れて凝固して俺の血管はサビついたプラントみたい、尖った先端が劣化したチューブを内側から削いでいくんだ、砂浜をサンダルであてもなく歩いているみたいな… ....
青い空に飛ぶ鳩を
焦れながら僕は待っていた
いかんせんあいつは気まぐれで
めったに首をこちらに向けることはない
ひたすら窓辺で待っていたところで
いついつに顔を出す ....
狂ったのは数秒、破綻した能書きを淡いグリーンのタンブラーに短く吐いて、眼の中を覗きこまれる前に正気の振りをした、恐怖が心臓を肥大させて鼓動の破裂で肉体を破壊させようと目論んでる ....
早い朝の淡い光線に君は濡れながらそれでも整然とした様子でそこに生きていた、俺は喉に突っかかるような痛みを覚えながら君の名前を呼ぼうとしたが、記憶に栓をされているみたいにそれはままならなかっ ....
ティーンエイジの
幼すぎる
炸裂のような
雨が
降り続き
街は
幾分
リズムに
傾いている
俺は
窓枠に張り付き
軟体動物のように
移動する
まばらな
ヘッ ....
むしり取られた神経から泣声ばかりが漏れる、濃縮された諦観の長雨だ、半分萎えた視神経が見つめたがるのはいつも俺自身の完全否定に繋がりそうな朽ち落ちた景色ばかりで、穿孔、穿孔、穿孔、穿 ....
小さな指先は躊躇いながら数日前に脈動を止めた
ペルシャ猫の死体に伸びてゆく
開いたままの猫の目はそれが
思いもよらぬ出来事であったことを告げているみたいに見える
きっと誰に別れを告 ....
蠱毒の蠢きを
舌の先で舐めながら
に、いち、にの
拍子で噛みちぎる
春の息吹
散らかした喰いかすは
この世の
死体めいている
目を開けぬ ....
ホロウ・シカエルボク
(1176)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
あなたの右手は狂人だ
自由詩
1*
09/10/28 21:26
動脈のような潮騒
自由詩
2*
09/10/26 23:13
汚れた川面を見つめている右目だけのアリサ
自由詩
2*
09/10/20 18:42
Babelogue
散文(批評 ...
3*
09/10/17 10:02
遠雷
自由詩
5*
09/10/3 23:53
あのとき、こころはきずだらけだったのだと。
散文(批評 ...
2*
09/10/1 0:46
すべては気まぐれみたいに行われるのがイカしてる
散文(批評 ...
2*
09/9/24 23:06
混濁する変質のミックス、鼓膜を欠く蛇の剥き身からの血液の模様
自由詩
1*
09/9/23 0:44
エロティック
自由詩
1*
09/9/2 21:45
集中豪雨
自由詩
5*
09/9/1 0:01
昨日のリタ
自由詩
2*
09/8/22 17:55
胎盤
自由詩
1*
09/8/17 19:05
観念的な略歴(と、とりあえず名前をつけておく)
自由詩
1*
09/8/9 0:33
それでも僕らはきっと祈りのために
自由詩
2+*
09/8/5 0:20
風に吹かれて
自由詩
1*
09/8/4 0:38
俺の中にはもう誰も居ない -ZOMBIE-
自由詩
3*
09/7/24 19:47
毎日には特別することがない
自由詩
2*
09/7/22 17:59
HOPE
自由詩
1*
09/7/20 15:29
旅立ち、と未熟が吹かしたがる
自由詩
1*
09/7/15 23:44
かすれた午後の唐変木
自由詩
3*
09/7/11 18:37
どうして、また
自由詩
1*
09/7/9 22:22
血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)
自由詩
2*
09/7/1 0:13
今日が天気かどうかなんて本当はどうでもいいんだ
自由詩
3*
09/6/21 0:32
青い空に飛ぶ窓辺の鳩を
自由詩
1*
09/6/13 9:11
神の詩、片端に記された聖書、ただ落下しては流れてゆく雨の行先
自由詩
0*
09/6/5 0:03
Fish
散文(批評 ...
2*
09/6/1 0:31
ずらりとした足跡、窓ガラスの雨垂れの音符
自由詩
0*
09/5/27 1:48
俺はそのまま死ぬ気はない(Visions Of War)
自由詩
2*
09/5/24 22:04
砂
自由詩
1*
09/5/9 23:27
死の花・言説アドレサンス
自由詩
1*
09/5/5 21:30
15
16
17
18
19
20
21
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