錆びた時間が牙を剥いて喰らいついてくる、かわせよ…それが肉に食いこんだら外すのは相当に厄介だ、すべてのことを後回しにしてそいつの軌道を読むことに意識を集中させた方がいい
牙から錆が入る ....
おれが自室で退屈しのぎに何となく詩を書いていると
胸に直筆で「神」と書いた名札をつけた男が現れて
いきなりこんなことを言った「選べ。」
「おまえの言葉はいい加減すぎる。それ ....
いま香草の暴力的な繁殖を裏庭で見つけたフレンチのシェフみたいに俺は混乱していて思考の着地点といったものが脳内のどこにも見当たらない。年中子供を生んでいる好きものの家族の子供部屋みたいに際限なく散乱 ....
君はうんざりするような春の幻の中で
僕が捨てた声を拾い上げながらずっと微笑んでいる
揺らぐことのない穏やかさに
敵わない何かを感じて僕はうなだれてしまう
秋 ....
アンダーグラウンドで格付けされてちょっといい気分の俺は
阿呆の休日に溶けながら冷めたインスタントの珈琲を飲んでる
晴れのち雨の天気予報はいささか疑わしい感じだったが
カーテンの向 ....
甘い歌を繰り返してよ
甘い夢を繰り返してよ
気が済むまでどうぞ
気に病むまでどうぞ
凍てつくようなゆうべの空に
指をはなれた蝶が飛ぶ
ふわり
ふわり
ゆらり
ゆらり
旋 ....
オー、ジョン・ライドン、お前の毛根にまだこびりついてる砂糖水の匂いに
ぞろぞろと群がってくる小汚いアリどもを笑えよ
まるでそこにしか歩くところがないみたいに
お前の後をついてくるそい ....
窓の向こうに雪が降り始めているのが判る
僕は愕然としてひとりだ
吹き始めた風が激しい声を上げて
まるで誰かを責め立てているかのようだ
数十分前に電話機が一度だけちりんと音を立て ....
明け方は残像、未来の癖に思い出みたいな余韻をはらみながら、「見えない壁」のパントマイムみたいに窓の所でこっちを見てる
FMのチャンネルからはハイドン、俺は一気に歳を食ったような気分に ....
俺の臓腑を見ろ
俺の臓腑を見ろよ
ガラ空きの腹腔から滴り落ちる俺の臓腑
静かな臭いを放ちながら床に降る俺の臓腑
もはや曝す以外に手はない
もはや曝す以外に手はないんだ ....
明日ここに捨ててゆく花を選ぼう
あまり綺麗じゃなくて
だけど見過ごせない
咲くよりは枯れるために
生まれてくるようなそんな花を
俺の言葉の代わりに
俺の人生 ....
重いビートを無視しないで
おまえを、目覚めさせるために
はるか遠くから聞こえてくる重いビート
コーラスガールの太腿にこびりついた
昨夜の味気ない欲望
すべておまえを目覚めさせるた ....
ぼろぼろこぼれおちた
身体のかけらを眺めているまに
時が時がどんどん流れた
神様、俺は泥人形か
干乾びて崩れるのみか
アーハーハー、アーハー
笑気に聞こえぬ笑い ....
踊りを踊るなら
山のふもとの
見晴らしのいい草原に行きなさい
夢中になり過ぎても
誰に咎められることはないから
歌を歌うなら
そのま ....
歩道の舗装のひび割れたところの饒舌
くすんだ向かいのレコードショップのイエローのテント
縁石に座りこんで俯いて泣いてる10代と思しき女
交差点の電柱の下で乾いた血液みたい ....
白濁色の幻聴がミミズのように潜りこむ寒さ、よりの朝、寝床の感触は死に忘れ、生ぬるい亡者の笑い混じりの生業まみれ
汚れた目尻を洗う時に思いついた今日最初のポエジー、目尻 ....
青い光、死に急ぐ時、俺は
時を吸い込んだ埃にまみれながら
網膜の疲労のせいで動脈のように赤い
海岸線を見つめながら無力であろうとした
出来たことを数えながら見送るなんて ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 ....
月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
混線した電話からほんの一瞬だけ聞こえた名も知らぬ誰かの泣声のように、どう対処していいのか判らない種類の痛みを残してあの人は消えてしまった。テーブルの上のエスプレッソすら、きちんと始末して行かな ....
ナマの心臓の感触というのはなかなかそうと膝を打てるような言葉にはならないものだ、本来俺たちはそうしたものの動きには無自覚なものだし、そもそも下手に自覚なんかしてしまったら日 ....
精神の欠片の中に迷い込んだ羽虫が悪いものを喰って死んだ、そいつの死骸がだんだんと腐って嫌な臭いをそこらに立ち上らせ…朝を二度迎えた後でなにもなかったみたいにそれは消えた
臭い ....
うち捨てたときの痛みをお前は信じ過ぎた、渇きの挙句ひび割れた生体の表面のごとく、ただあるというだけで約束された気になっていた理由が音もなく崩れる、死際の夏が悪い足掻きのように放つ胸のムカつくよ ....
連弾のような雨を
見上げてお前は呟いた
それがどんな言葉であるか
俺は確かめはしなかった
散々な思いのあと
不意に開いた排水溝に
吸い込まれてしまうような気分
はぐ ....
ちょっと失態に見えるような
歴史の中で真実は息をひそめていて
俺が道ですっ転んだりした拍子に
目と目がバッチリ合うのを待っている
まるで控え目な女のように
まるで手 ....
紫色の唇をした
少女が産声を上げる時間
バレンが
巧妙な胎盤に色を馴染ませてゆくその時間
木の屑を集めながら
生命はどこにあるのだと自問していた
朝から雨が長く降り続い ....
俺が自分で何かを成し遂げたと思った時は
天にも昇るほど気持ちがいい
俺が自分の中にどんなものも見つけられないとき
濁った湖の底に沈んでいくような気持ち
だけどそんな ....
僕らは虚ろな階段を
カモメのように
カメムシのように
ひらひらと
ごそごそと
やりながら
途方もない一段を
へろへろと
へろへろと
のぼる
....
淫らな夜に唾を吐きながら飛び惑う鳥だった、嘔吐のように溢れ出る鳴声のせいでいつでも水が欲しくてたまらなかった、カットされた景色のような電信柱の影をかすめながらうち捨てられた巨大なマンションの最 ....
ホロウ・シカエルボク
(1191)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
錆びた時間の牙
自由詩
0
10/1/17 22:08
やっぱすべてはあるがままが(※歌えません)
自由詩
1*
10/1/14 16:48
無意識化のノート、1ページ目
散文(批評 ...
1*
10/1/11 13:51
だからといってそれが冷めてしまうまでここでこうしているわけに ...
自由詩
6*
10/1/2 18:06
どんな理由をつけたってやってることはたいていお見送りなのだ
自由詩
1*
09/12/27 18:07
残留思念
自由詩
1*
09/12/20 18:30
Punk is Dead
自由詩
2*
09/12/18 22:04
どこにも残らないのにみんなそのことを覚えている
自由詩
1*
09/12/12 22:24
Cry Baby (Good night)
自由詩
1*
09/12/8 18:33
臓腑の風景
自由詩
1*
09/11/23 22:04
明日ここに捨ててゆく花を選ぼう
自由詩
3*
09/11/22 21:24
哀しい雨に歌えば
自由詩
1*
09/11/22 16:05
パンク(夜がゼリー)
自由詩
1*
09/11/18 0:24
英知
自由詩
5*
09/11/6 22:23
Winter Blue
自由詩
2*
09/11/3 15:21
あなたの右手は狂人だ
自由詩
1*
09/10/28 21:26
動脈のような潮騒
自由詩
2*
09/10/26 23:13
汚れた川面を見つめている右目だけのアリサ
自由詩
2*
09/10/20 18:42
Babelogue
散文(批評 ...
3*
09/10/17 10:02
遠雷
自由詩
5*
09/10/3 23:53
あのとき、こころはきずだらけだったのだと。
散文(批評 ...
2*
09/10/1 0:46
すべては気まぐれみたいに行われるのがイカしてる
散文(批評 ...
2*
09/9/24 23:06
混濁する変質のミックス、鼓膜を欠く蛇の剥き身からの血液の模様
自由詩
1*
09/9/23 0:44
エロティック
自由詩
1*
09/9/2 21:45
集中豪雨
自由詩
5*
09/9/1 0:01
昨日のリタ
自由詩
2*
09/8/22 17:55
胎盤
自由詩
1*
09/8/17 19:05
観念的な略歴(と、とりあえず名前をつけておく)
自由詩
1*
09/8/9 0:33
それでも僕らはきっと祈りのために
自由詩
2+*
09/8/5 0:20
風に吹かれて
自由詩
1*
09/8/4 0:38
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