日々過ぎて無言の声の荒れ様に{ルビ正常=まとも}なものの異常さを知る



つながりは有るのに無いも同じことそのままでいるひとりしている



咆哮の色もかたちも変 ....
硝子を失くした窓の列を
鳥と花と草木が通る


ここは痛みを知らぬ胸
ただまなざしに焼かれるところ


道から湧く音 光まじる音
重なりを解いてはつなぐ音


 ....
木琴が鳴る
放つことなく
受けとめるまま
木琴は鳴る 木琴は鳴る


明けてゆく夜
蒼つなぐ蒼
明ける色の手
見えない手


隅に集まる
光の渦
紙に染み込み
 ....
水のなかに
水と同じ言葉が落ち
跡は皆
光にくちずさまれている


降る水のにおいが
道を流れる
砂に埋もれる火を映し
鏡は旧い水を横切る


知らずに光を呼吸しな ....
踊る阿呆見る阿呆つれて飛んでゆけ


雨くわえ曇すててゆく鳥の群れ


風ふいて燃えないゴミの笛ひびく


人のこと言えない自分ふくれゆく


言えぬまま言おう ....
風から来る音
歩むもののまわり
色を結うひとり


こだま かこみ
うしろのこだま
触れることなく
浮くかたち


雨が起伏を均し
地の光は消える
ひとつがひとつ ....
水の空の
あおむけの
限りなく分かれる
さざめきの無の


道標を欠く
夜の星狩り
蒼にひらく
火照りの腕


油の片手
灯すまもなく
指はかがやき
荒れ ....
水に降る水
白を摘みとり
蒼を咲かせ
水に降る水
空から空へ
伝うまなざし
水に降る水
水に降る水


子の胸に
しっかりと抱かれた鏡から
にじみゆく色
ほどけ散 ....
無音が無音をわたる波
青空よりも遠い青空
どこへもたどりつかない坂を
息つぎだけがのぼりゆく日


雨は生まれ 雨は消え
雨は雨を巡っては消え
坂を駆ける髪と背に
翼の苗 ....
雪虫の柱と
煙の柱が宙に交わり
何が居るのかわからぬ卵が
草と木の根に降りそそぐ


ひとつの岩の上に生まれ
岩を呑みこみ育ちゆく樹
卵の音を浴びている
卵の光を浴びてい ....
そこに ここに
くちびるを置き
すぎゆくものの湿り気を視る
まぶしく消える音を視る


水に映らぬ双つの影
水辺を雨へ雨へと歩む
雨のまことは隠されている
現われても消え ....
これは光ですか
はい そうです
誰も読まない
本のような光です


あれは光ですか
はい そうです
誰も訪れない
店のような光です


あれも光ですか
はい そう ....
雨は去り
野は息を継ぎ
有限を照らす


まぶしさをやめず
かけらは香る
満ちた川を
鳥は離れる


雨を追い抜く雨のほうまで
文字は幾つかつづいてゆく
声や羽が ....
つきあたりの家
つきあたりの家
風腫らす路
つきあたりの家


音のない日の
痛みある日の
片足立ち
つま先立ち


雨とはわからぬ
雨まじりのまぶしさ
午後の ....
夕暮れと同じ色をした
雀の群れを乱しては進む
道標を飾る白い花
いつの世も悲しい子らはいる


わずか数秒のねむりのつらなり
分かるはずもないくりかえしのわけ
ねむりのまま ....
土色の声が
緑を曲がり
今は失い川を流れる


明るすぎて
からになる鏡に
満ちてゆく寒さ


地に残りつづける
光の矢のしるし
ただ置き去る音のほうを向く

 ....
菱がたの声が地に灯り
空にも海にも届きながら
誰も呼ばずにまたたいていた


夜の鳥
飛べないのだと
想いたい鳥


水をざくりと斬る光
動かない縦の水紋
熟れた灯 ....
音の{ルビ角=かど}が
うなじに痛く
つづけて痛く
羽があるのに
飛び去らない
そうしているうち
背骨になった
そうしているうち
夜になった
羽音の絶えぬ
夜になっ ....
雨の日
命を手に
立ち止まる人の列
自分は
持っていない
自分は
歩く
宙を覆う草木のすべてが
さかさまのかたちを描いている
雨は流れ
音は流れず
影は分かれ
影は流れる


短い煙の端々が
長い煙を折ってゆく
煙を生む火はなくならず
煙 ....
水でも風でもあるものの声
川の流れの先へと映り
海鳥の狩りに溶けこんでゆく


夕暮れも鉄もざわめいている
うすくのびた
草と道の汗
姿のない揺れと声


野の錆が鳴 ....
見失う
三行の言葉
見失う


午後の光に
のばされる腕
花を
摘みとることなく摘みとる手


灯の上の灯の道
水の上にしかない陽とともに
水のたどりつくとこ ....
肌の上に立つ水へ
重ならぬ葉と重なる葉
朽ちた枝を流す金
音は羽へ羽へと変わる


鏡の熱さ
肌の熱さ
指の腹の魔
鏡の熱さ


金に溶けてゆく色が
空をまだらに ....
風をつかむ風の溝から
はがれ落ちる空の白から
鳥の爪跡につづく音
空を少し圧し上げる音


はざまを呑む日
双つの光球
においのまつり
音の粒の日
まぶたのまつり
ひ ....
考えが考えになる前の
弱くふわりとした場所の
まるい{ルビ柔毛=にこげ}に浮かぶまぶしさ
手のひらにのる
手のひらを吸う


ふたつに分かれた音のひとつが
もうひとつの背を ....
誰かの何かになれないと知り
片方を閉じ星を見つめた
道のむこうの道を見た
風はひと葉にひとつあり
ひたいの上で水になった
指のはざまで光になった


生まれたばかりの宙宇の ....
時間のなかに棲む蟻が
別の時間を描いている
滴と傷をまたぎ
影を喰んでは歩む


曇が廻りつづけている
鳥と光が
光と鳥をくりかえし
曇の前をすぎてゆく


時間が ....
火に声をかけ
火は昇る
木は かけらをわたす


蝶の影
静かに 細い
雨の陽


高い風 目を閉じ
空はこぶうた
灰の陰の青


鉛の刃が
水の紙に沈 ....
重なりつづける眠りの底に
かすかに生まれ
浮かぶ手のひら


目をつむり 在るのは
無いということ
分からぬくらいに 
離れていること


隠しても隠しても
は ....
曇のはざまに
破裂する曇
おまえはまだ曇なのだ
散っても散ってもなお曇なのだ


もう飛べない鳥
干からびた命と
ひとつになれ
ひとつになれ


ひらいたままの ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
共振短歌1007/11/20 10:47
円軌業音自由詩9+07/11/17 23:52
ノート(打音)[group]自由詩707/11/16 19:48
呼吸自由詩507/11/15 10:48
昼 歩く川柳207/11/11 13:23
明けて自由詩207/11/10 15:53
荒れ野自由詩207/11/7 15:16
降り来る言葉 XXXIV[group]自由詩407/11/4 13:54
坂の向こう自由詩607/11/2 3:02
午水帰自由詩407/10/29 10:47
夜と水自由詩307/10/26 9:50
ノート(過)[group]未詩・独白407/10/25 11:24
降り来る言葉 XXXIII[group]自由詩207/10/22 16:23
蒼と路自由詩107/10/20 11:44
波とかたち自由詩1007/10/18 10:02
ふかみどり自由詩607/10/15 16:58
夜へ 鉄へ自由詩607/10/12 22:29
ノート(羽夜)[group]未詩・独白107/10/8 22:51
ノート(雨の日)[group]未詩・独白107/10/8 22:49
午後と火自由詩307/10/8 17:46
波応響軌自由詩507/10/5 20:11
brighter自由詩407/10/1 15:34
声とめぐり自由詩407/9/29 12:49
ふりこ みどり自由詩407/9/25 19:44
日々と手のひら自由詩407/9/21 16:38
つたう かたち自由詩407/9/16 15:25
午後と廻転 Ⅱ自由詩507/9/11 13:28
午後と廻転自由詩307/9/8 13:54
ひとり まなざし自由詩1007/9/4 15:26
ノート(午曇)[group]未詩・独白207/9/4 15:21

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