あなたのまなざしは冷徹で遠く
風のいろのように透過している
見ることは出来 無い距離

たとえば、重くくぼみつづける密約
照らすのは、過ぎた日日
暗く発光する
ぼぅっ、と星星のしげみのあ ....

雨にたたずむひとがいた種を蒔き。
私は今どうしようもなく空虚な心
境だ。空の暗さにただ身を沈めた
い。恐ろしく空虚だ。しかし、こ
の恐ろしさもまた 空虚。
生存して居るうちに云えば時は ....
顔をあらうが
おとし切れない
このゆううつなまなざしはどこから来るのか
気象電波探知機はしんみりと
雲ゆきを映す
私を通りすぎて行ったはずの

宙は 青ざめ照りつける日にたちつくす。
 ....
あをすぎる(遠いおもいでの予感
 日輪のうるんでしまう
 空ろなカラスアゲハの羽音に
 さようならを果たすべきころあい。
水影かしぎつづける岸のほとりを
黙礼する雲の視線は
暈の鎖骨を ....
空虚な光のみちる
いまだしれぬ希望か

未完成な光
この静脈を流れるかなしみ
限りなく脈をうつ光源

おもいでの空は ほのか)
ほの暗くくしけずる黒髪の
源流へさかのぼりつづける
 ....
ちいさな死骸を排水溝へ流す。
おまえは、透きとおる水晶のようにきず
をかかえてそこを流れてゆくのか

哀しみに囚われたひとつの流れを
純粋無垢なひとみがこおりついている
このこのちいさなむ ....
ひとこいし と鏡月を仰ぐ 遠い空の胸のうちには
一本の糸杉が、しん と立っている。
青く晴れた(夜ふけの雨後の)
明けすぎた真ひるの素顔。
さやかに風光りほほえみ
零しながら宙のゆびさす。
糸杉は、無風にないで ....
今夜も
アオガエルのなき声のする田園を眠る
庭で白い芍薬が
ほのかに浮き上がる
視線の静かなまなざしで
満天のせせらぎの
おもい出のひかり
帰れない真夜中のいっそう暗闇をます
アオガエ ....
夜顔の咲く
夕涼
あせのひくあおぐろい素顔







{引用=※ 夜顔=ヨルガオ。ヒルガオ科。}
 私はまだ、ここにいるのか。という夏の終りの焦燥にあぶられ、未だ過程の核心をつくことなく、鳴動を歩いている。

セミの声も乏しくなり、信ずる青い空はしんとしずまるばかりだ。ここに来て何を失うとい ....
日だまりの喪失によみがえる歌声
岸辺に立ち
シャワーを浴びる裸体が
鏡に映っている
流し去ることの出来ない。
視線にでもなぞれない
曲線を水がしたたり

こもれ日へ歩む旋律
お気づき ....
わたくしはきくのはなびらをかおっているのだった
霊園を照らす光に透けて
ただよう無修正の遠声はいつまでも増幅し
ゆくえ不明の足許を念じる
目的地はとうに過ぎた視線
まなざ ....
真っ青な血脈の層が 極限のうすさではりつめ
未到の境地が 静脈を経過しながら
うつらうつらと沈静していき やがてそらへと
暗く澄んでゆくのです。

架空層の仄暗いうちがわにある
華の蒼 ....
入梅時
山脈青青波ないで
雲らはいっそう垂れこめて
空胞をうるおす
だけども日に焼けていた石らが
こけにむしてのどをかわかす
かたくなにしめきって
まつ毛をぬらす
写真機をのぞくまなこ ....
山岸さんは、
もう いない。
おさるさんに似た顔で
さようなら
もいえず
むねにちいさく根づいたきずが
うずくのである
おさるさんに似た顔で
いま
さようならをいおう
山岸 ....
うつせみの なくこの世あり ひびきすみ青やかになる み空の高さ












{引用=※ 現人(うつせみ)=?この世に現存する人間。生存している人間。
?この世。 ....
{ルビ鉄=くろがね}の手が赤くさび
冷酷をはなす湾岸道路
半円をなす耳が赤く、そまる

天涯をみちる
行方不明の響きは 無音をくだす
奇跡の軌道

おさけをくださいな
のどを焼く流れ ....
詩を旅立ち詩にかえる
詩は私のふるさと
永遠に根づくかなしみと やすらぎ

旋律の青く燃える落日が私へしずんでゆく
私は水平線をそっとほほえみ湾曲する
ふっと行間に足をとめて

 ....
並木道は遠い空に凝立し
刻刻と外縁する静寂の列柱

冬枯れの枝に蕾のきざし
風光るまなざし
光繁る青葉
うつむいて秋晴れ
めぐるのは時ではない

螺旋する火の罪が現象する深い森の霧へ ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
無垢なるいのちをみつめる光は
かげることのない心臓だ

だからそのいのちの影は
しずむことなく
みちるばかりで
月の亡霊のように 果てしがない海原をひっぱる

陸地の無い水平線上に ....
{ルビ箸立=はしたて}に
ひっそりと立っている お箸
いのちの橋渡しを行うもの

せつなさをとおりこして
うれしさがあふれそうな
いのちの輝きの
道のりを
真っすぐに
みおくって ....
遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手

静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いく ....
夜のアスファルトに響く
女の足音は 毎夜何をしに来るのだろう
その足音は 決まって必ず湿っている
扉のまえで それはピタリ
と止まり
重いけれど圧力のまるで無い
気配のまま夜明 ....
かなしいふちに降る雪が、
しろくしろいねむりにつき
冷気をはりつめて
その肺にひびいている。
しぃん、とした熱が、
深淵から徐々にひろがり
焼けた声となって吐き出され
冬の空 ....
ちかごろでは、
神様の御札も
値段があがってきた。
不景気だったり 物騒だったりで、
あがったらしい。

そんなわたしたちを見て、
神様は、どういうだろ?
さぞかし心外だろ ....
風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を
鋭く細く鳴っている

{ルビ居炉裏端=いろりばた}の数え歌は
今宵も尽きることはなく
月影の枝が
障子に透けて心細くゆれ ....
潮風にさびる
落日の{ルビ夢幻=むげん}
ゆく手には
茫洋の{ルビ天=そら}

遠音の影を
ひびきつづける海岸が
涙できず知らぬ世で 立ち尽す
瞬息の流星

ほそぼそとあが ....
こしごえ(1046)
タイトル カテゴリ Point 日付
落花生自由詩4*09/3/1 15:42
自由詩4*08/12/27 7:15
おもいでの果実自由詩4*08/12/12 9:15
零雨自由詩1*08/12/1 5:11
くしけずる むすめ自由詩4*08/11/11 7:16
絶叫自由詩5*08/10/27 9:11
ひと俳句1*08/10/26 15:42
稲穂自由詩5*08/10/6 9:41
アオガエル自由詩9*08/10/1 6:46
自由詩2*08/9/16 13:11
未だここに来ても (※ 即興超短編私小説)散文(批評 ...3*08/8/25 9:18
影という名の自由詩4*08/8/24 15:04
命日自由詩6*08/6/27 12:15
時の青玉自由詩3*08/6/16 10:26
撮影自由詩3*08/6/3 14:51
山岸さん自由詩6*08/5/14 18:06
秋空短歌7*08/4/2 5:29
兆し自由詩1*08/3/22 14:21
詩人のねむり自由詩6*08/3/20 16:58
四季の、けもの自由詩4*08/3/12 9:35
鎮魂歌自由詩15*08/3/8 14:35
心臓自由詩6*08/2/25 17:52
お箸自由詩10*08/1/19 8:04
うすげしょう自由詩13*08/1/7 10:17
白い顔自由詩9*07/12/12 11:21
認知自由詩3*07/12/10 16:41
ゆきをんなとわたくし自由詩10*07/12/8 12:01
おふだ自由詩5*07/12/6 15:21
いなか自由詩11*07/11/19 6:29
はるのよこがお自由詩6*07/11/17 9:39

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