何か、すこし、足しになるなら思いとどまろう、
そんなことばかりだ。

涙に含まれている疲労物質を顕微鏡でのぞく仕事があったら、そんなのがしてみたかった。

民間宇宙船が日本人飛行士をはこんだ ....
丘。荒れ狂う海。深層の平穏。緑青のガラス玉。無数のふしぎな気泡。ひとりびとり。椅子の背を撫でている手。雫とやさしさ。むなしい躊躇い。笹のスれる音。黒のビショップ。9570円。通知書。青空と奇声。凪いだ .... 神代、人新世最初期のtypewriterを攫取。

(論理破綻前提、送受信。)


考えることの大事さを感じる人はかつて考えることに救われたのだろう。
考えることの大事さを感じない人はか ....
ふと、かわいそうでかわいそうで仕方ない時がある。誰がとかではなく、何がとかではなく、ふと、何となく漠然とそうなるのだ。小学生の時、担任だった教師がかわいそうという言葉は無責任だと言っていた。ぼくは中学 .... 竪琴がある。
竪琴とは複雑なあなたとわたしと、それから春の優しい鳥と。

風がある。
なぜ、風が惑星の{ルビ裳裾=もすそ}をかゆそうに笑いながら縦走するかは、誰にもわからない。

竪琴を納 ....


生きていることを楽しもうと、生きてみる。
すると呼吸がよそ行きの顔をする。夕飯が腸のなかで踊りをおどる。心臓がメトロノームになる。
段々、生きているだけで満たされていく自分が浮き彫りにな ....
{引用=四月}

四月はつまずき易い
貰った飴は
ポケットがなめてくれるらしい
至る所で小石が消え
地軸が舌を出す
虹色の粉が降り
即身仏が生えてくる
四月には裏がない
ゆえに ....
すべては過ぎていきます。

書こうかと何度が筆をとり、書けぬままにそれをおき、また筆を手にして動けなくなる。そんな日々でありました。もう何を書いていいのやら、だいぶ前から色んなことが煮詰まっている ....
線香花火の
最後のようだった
なにが
なにもかもが

水になり
春をこえ
こんなところにいた

なにかを
必死で掻き集め
どこまでも
気まぐれだった

毎日帰還して
原子 ....
落ち続けている
ささえる力がある

死のことだ
意味のことだ

さなかに
生がある
まばたきもある

落下
お前が出会う地面は
風の麓

なんぴとも見たことの無い
おおきなくちをあけながら
だいちにあおむけとなり
あのくらいそらからおそろしくもふりしきる
あおだかくろだかのあめをごっそりのんで
やがてはつちにとろけてしまえ
しがつもなかばをすぎたのなら ....
{引用=雨。
時々、蛙。

波状に、しきり
たゆみなく
それでいて、まろく
忘れてしまう。

よいものはみな
うっとりの
忘却の底。

じつに
屋根も素敵に育ち。

巻貝 ....
しとしと

こうして 遠くからだと
にくんだことや
糸のきれたあの日
こわれた朝
みんな 烟るようだ
しとしとと
いつまでも たおやかにふれ
はる雨
スズランスイセンが揺れている

こくこくと揺れている

つまずいたら
抱きとめる つもりか

はる
ひと房の 想い
博士は一つの結論に達した。
過去に行くのはどうやら原理的に不可能らしい。なぜなら、「行く」ところは常に未来にしか「ない」からだ。

例えば古代の地球、三畳紀あたりでもいい。そこへ「行く」というこ ....
森がありました。
そこでは陽もたいそう愉快そうでした。

何処からか陽気な小人が三人やって来て、素敵な小屋を建てました。そこで三人一緒に暮らし始めたのです。

ある嵐の日のことです。森に雷が ....
さかなでした
嘗てわれわれは
暗やみでひしと絡みあう一対の魚でした

今では
そのさかなをたべて暮らします

はい
時が経てば
青天井の惑星というわけです

分かっています
 ....
ん?
キョロキョロ
ここは、
あ、世界か
わすれてた
あんまり長死にしてたもので
あれ?
ここはどこ、海?
ぼやあと
してる

とろける、からだ、とろける
あ、おわりか
お ....
「作者の八重歯が見えたら刺して墓穴から青空を笑え」

海かしらん
森かしらん
鍵かしらん
蟻かしらん
雨かしらん
蟎かしらん
活字って
いったい何かしらん
ニヤリ
蟎は
ダニと ....
雉が鳴いている。
雉にとって鳴くことと同じくらい当然のことを、ぼくは、今日しただろうか。
タイヤ交換をした。何人かに電話を掛けた。ラティスフェンスを組み立てた。詩も書いた。
雉の鳴き声は、あまり ....
ここにいるから
ここにいられない
そこにいるから
そこにいられない

(どういう意味だろうか)

単純な話だ
いつもかならず
先回りしてる

(なんのこと?)

さあ
胸に ....
昔、17の頃
漢検2級を取ったことがある
余命わずかの父は
送られてきた賞状を
額に入れ壁に飾った

ぼくはすこし嫌な気がしたけど
今そのことがふと思い出され
父の心がスっと入ってきた ....
透き通る鎖骨が

敷きつめられた校庭に

夢は散りつつも

サクラ満開。


もう

ジャングルジムさえ

帰りたくは無い。


縄跳びの赤いスカートの女の子
 ....
それは
外側へ行けば行くほど新しくなり
中心へ向かうほど古くなる
外側に近い方が今だとしたら
中心点が原初となる

一番外側から
中心点を見ている誰かがいる
その者は
手に何を持って ....
「水の気持ち」

とてもよわい
なんにもできない
雨にザーザーふられ
なんども
なんども
うなだれるしかない
雨があがったら
ころころと珠のような
らくるい
土は
ほほえみ  ....
レベル5
滞在時間は30分以内
館内閲覧は禁止
貸出のみ可

図書館員をつかまえ
いつも知識をひけらかす
白髪の男の姿もない

紙の城はいつになく平和というわけだ

薄暗い森のよ ....
張り詰めた糸が
プチんと切れるみたいに
世界が落っこちた
落っこちた世界は
通りがかりの犬に食われてしまった
あぜん
ぼーぜん
ぼんやりしていると
小人がゾロゾロとやって来て
もう一 ....
肩の力を抜いて
今宵こそ
詩を書くも読むも
よしましょう
本を読むも開くも
よしましょう
ただ
だらりと横になり
体位は側臥位
真っ暗な
スマホの画面をジーっと見つめ
浮かんでは ....
報告。銀河{ルビ辺境=フロンティア}から。

説明が要る。
まず、
「言わなかったボタン」とは言わなかった時に押すボタンのことだ。

人間なにかと言いたいものである。
またそれと同じくら ....
「にげる」

なにものからも逃げたものが
なに食わぬ顔でなにもしないでいる
すると
なにものをもにがしたものが現れて
なに食わぬ顔でいるものの所在を
不明瞭にしてしまう
なに食わぬ顔で ....
道草次郎(650)
タイトル カテゴリ Point 日付
無題3自由詩221/4/26 17:37
列席自由詩121/4/26 10:50
墓やぶり自由詩221/4/25 4:57
メモ(たわいもないこと)散文(批評 ...421/4/24 10:08
ネノラク自由詩221/4/24 7:54
4.23メモ散文(批評 ...7*21/4/23 3:07
春の連詩自由詩421/4/21 20:44
すべては散文(批評 ...421/4/21 8:45
無題2自由詩121/4/19 6:17
無題1自由詩3*21/4/18 20:23
ひらがなばたけにぶちのめされて自由詩221/4/17 22:33
春雨は途切れることなく葉から葉へ[group]自由詩8*21/4/17 16:11
はる雨自由詩221/4/16 22:16
ひと房自由詩721/4/16 17:16
博士の結論散文(批評 ...121/4/16 14:23
メルヒェン散文(批評 ...321/4/15 21:13
宝石の星にて[group]自由詩321/4/15 16:03
円環の只中に狩場あり[group]自由詩3*21/4/14 13:32
未詩集3自由詩3*21/4/14 4:12
雉の声散文(批評 ...4*21/4/12 19:59
なぞなぞ自由詩4*21/4/11 22:31
漢検2級を取ったことがある自由詩10*21/4/11 10:37
春風うらら自由詩421/4/10 9:38
世界樹を輪切りにして天文学を発展させる[group]自由詩121/4/9 22:28
未詩集2自由詩421/4/9 10:29
県立図書館は水を打ったように静まり返り[group]自由詩521/4/9 6:46
糸が切れた話[group]自由詩8*21/4/7 20:30
おやすみなさい自由詩221/4/5 21:08
「言わなかったボタン」散文(批評 ...2+*21/4/4 18:39
未詩集1自由詩7*21/4/3 22:34

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