おしまいだよ
ああ、おしまいだ
みなさん
お元気で
さいわいを
祈ります
三角の潔い生き様は
四角には真似出来ない
四角の大らかさは
三角の力の限りではない
円は
楕円に嫉妬し
楕円は
平行四辺形のことが嫌いだ
そんな平行四辺形は
じつは円 ....
{ルビ三度=みたび}ばかり 夢魔泣きはらし 新雪の島
裏返る原っぱである {ルビ蝸牛=かぎゅう}も春めき
雪の丈 常夏の丈 冬 海の脊索
ひらがなも漢字も皆 一面銀世 ....
本をひらいて
目を置いていく
本をとじ
目を釣っていく
なまなか
のまま
仰向けの童話となり
何年かしたら
猫の事務所で
逢瀬となる
そういう菌の夢のような
読書観である ....
手袋の中のこぶしや聞き上手
{ルビ皹=あかぎれ}の手に触れる手もあかぎれて
{ルビ凍星=いてぼし}を枕に猫とともに眠る
いにしえの銅貨貫く{ルビ去年今年=こぞことし}
ヘ ....
ポイントを
どこかで期待している
たくさんポイントが入ると
過信する
ポイントが入らないと
無視された気になり
時に落ち込む
ポイントを
期待していても
バカバカしい
そんなバカバ ....
「12月28日のsketch」
トンネルを抜けるとズレた周波数があった。ラジオ深夜便、ラピスラズリの火球は未明の空を横切った。
「ザザ…ザザザ、とある三歳の女の子がお母さんに結婚してとせが ....
{引用=線を引く
すると
くわわり
へる
ディメンションが{ルビ幻視=みえ}る
星
ハ
駱駝にしょわれ
千里
息の中には
妖精も
居る
妖精の過去も
有る
おき ....
UFOが太陽系にやってきた
へんな容姿のやつらが乗っていた
あたまにお尻があるやつ
水銀の風呂でしか生きれないやつ
目が肘にあるやつ
計算機みたいに正確なやつ
バリエーション豊かだ
第3 ....
{引用=わたしはスリランカです
南伝の経の屋根で眠る苔です
わたしは牛乳屋です
あなたが銀河鉄道の天鵞絨だとしたら
わたしは感じよくありたい
そういう色相にとどまる草です
時に ....
どんなものにも意味があって
どんな道にもたどり着く場所があって
どんな悲しみにも収まる時があって
どんな月にも照らす太陽がある
なにかをきめないで
おこう
トンネルのむこうには
青い湖が ....
月がいいました
うたいなさい
星がいいました
奏でなさい
木々がいいました
走りなさい
魚がいいました
泣きなさい
鳥がいいました
踊りなさい
ミミズがいいまし ....
ぼくはむかし介護士だった
昼食の介助
と言ってもどこにどんなおかずがあるとか
箸はここで飲み物はこっちです
とかの簡単な介助
をたまたま受け持った時のこと
Kさんは朗らかに話をしてくれた
....
色々なものを抱えた人らが
集まってきて一同にかいするのが習わしだ
そしてあいさつをする
今日一日の段取りの説明やらがされる
ホイットマンはたしか
詩に、なんで我々は互いにすれ違いざまに交接し ....
低愚脳詩集
1「だろう」
こころがはじまるときは
朝のようだろう
こころがおわるとき
夜のようだろう
昼はいまだ
だから
あかるいんだろう
2「なるようになる」
....
{引用=星、片付ける
古詩はポケットでゆらし
{ルビ掌=たなごころ}に於いて
ポインセチア
聖夜の{ルビ閂=かんぬき}おろせば
樅ノ木の
{ルビ馥郁=ふくいく}
いざ
めいもくし
三 ....
而も
沈思の蛍は
きえても何も遺さずに
また
うまれて来ては
舞ってしまう
せせらぎのうえ
エニシダと奥
細部
洩らさず明るめ
ひとりでのようにみえて
尽くすかのごとく
すでに ....
過度な太陽光を浴びた後
くらがりにいくとやけに青くなる
子供の頃のきおくが
ブルーがかっているのは
そのせいか
ついぞ過度になりがちなくらがり
そこに常住すると
ブルーは顕われな ....
さらりときえたら
よろし
雲上に目を細め
すじの
人くず
時々思う
精神が安定していれば
少しはましな文章がかけるだろうと
そしてこうも思う
でも精神が安定したら
書かないだろうと
精神が安定したら
一本映画をみたい
それから
中学3年の数 ....
俺なんて所詮ぐちゃぐちゃのコードで、解きほぐせばただ単純な線で
俺はだから屑なんだし
屑って程の値打ちも無いぐらい
屑なんでって、それを言って相手の反応をうかがってるあんたの屑さ加減はよく分かっ ....
さっぱり
書かなくなり
箱庭のような
自己愛を
感じる
ものを考えると
考える米が
かたいから噛むと
歯が抜ける
詩を
書いたことがあった
人に見せると詩は
ミルクセー ....
{引用=原書で書かれた不幸は
砂丘に泳がせ
蜥蜴に
喰わせてしまえ
サボテンに結露した
ベドウィンの視力
一閃
エメラルドが
砂の海を疾っていく
あと幾つかの
適切な隕 ....
ろうそくがあるのだから
悪くは無い
禱り
とかくと
落ち着く
ので
このじぶん
を鉄製にして
書を洗う
革手袋とサシガネをしまい
しばし雲と成り
戻って来
余命の茶を淹 ....
体をつくる一個一個の原子はつねに入れ替わるって、えらい先生がテレビで言ってた。
ぼくは最近よくテレビを視る。
いつもぼやけてるWOWOWプレミアが昨日ちょうど無料放送の日だったから、ペンギ ....
だいぶ昔の話
家族みんなが待ちに待った鍋の時間だった
なんとなく付けたテレビの報道番組で
ボスニア紛争下での性的暴動に関する特集がたまたまやっていた
インタビューに答える女性のただならぬ眼 ....
枯れ枝
かと思った
抜け殻のカマキリ
きえたもの
が
みあたらない
きえなかったもの
は
かるいのに
きみがわらう
わらうことを好きになれる
きみがなく
なくことを見つけたとおもう
きみがおこる
それはまるで宝石みたいだ
これから先
どんな気持ちが飛び込んで来るのだい?
....
けっきょく
思いようによってみえる雲
雲からすれば
流れようによって思われて
ホメロスでさえ
ホメロスでない者に倣ったろう
ホメロスでない者も
祈祷と計量と記録のなかからミューズを連れてきただろう
最初、必要のなかから詩をほりだし、
それが貝殻の中の海だと知った時、は ....
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