夜は明け

雨は止み

(寒い)

つぶやいて

改めまして

毛布にくるまる

僕の胸のあたりで

マルコがくるまる

そういえば昨日、帰り

君は僕に

マ ....
飛べない鳥もいるけれど

飛べる鳥に限って言えば



“鳥は、飛べるから鳥なんだ”



小さなかごに閉じ込めちゃって

そうして

人が眺めるためだけに

餌を食み ....
眠れはしない
この心臓から伝わる
僕の音 貴女の音

瞳を閉じれば
より一層 残像が支配する世界

「声さえ隣に居て欲しい」
言い放つ言葉は夜の闇に溶けてゆき
僕の中で連鎖されてゆく ....
人は

一人じゃ生きていけないって言うけれど

こうして僕らは群れて生きているのに

一人だと思うことがある。



それが決して辛いとか悲しいとか言っているんじゃない。  ....
男と別れた夜
ひとり寝の布団の中
音が聴こえる

肋骨の奥のほう
ピシッピシッと
何かが砕ける音がした

心の薄氷を踏む音か
未練の鱗を剥がす音か
遠ざかっていく男の靴音か

 ....
人に必要とされたいって

思うことってあるかい?



誰でもいいから

誰かから熱烈に必要とされたいって

誰でもいいから

誰かから本当に必要にされたいって

思うこと ....
体節をへし折る
感傷の季節に浸る

まだ青いからだを隠し込んで
いやらしい思い入れを隠し込んで
登校、あいさつ。

異性ということばに
ときめきを感じる
つかいかたは知らないのだけど ....
気持ちが沈み込む日には
煮込み料理を
作るに限る

強すぎる想いは
香味野菜と一緒に束ね
鍋で煮込んでしまえばいい

「生野菜で出されたら
たまったものじゃありません」

 ....
「不安が消える時」
                木の若芽



斬新でいる必要はない
ありのままでいつづける そのほうがいい
空にちょっと同意を求めたら
にこっと光ってみせてくれた ....
晴れすぎた空を仰いで
晴れなければいけない
と思った

わずかな湿り気も
吸い寄せてしまう
とてもシリカゲルな僕は
そう思った

咲きすぎた花を眺めて
咲かなければいけない
 ....
東京の町の端っこが

がんばって光っていた

うまくいかない悲しみも

うまくいってる悲しみも

ゆらり揺られて光って

静かに騒がしかった


地球よ、地球

もっと来い、来い

地球よ、地球


 ....
夜風がやさしく舐めていた

心たちがそよそよと泣いていた

工事現場のような剥き出しの鉄骨

それがライトアップされてオレンジの夜


引きずる車輪の音がする

闇の中に緑のシルエット

ひかりが時間 ....
君とは砂場で出会った
人見知りの激しかった僕が どんなきっかけで
初対面の君と口を利くようになったのかは
よく覚えていないけれど
とにかく君と 日が暮れるまでそこで遊んだ

別れる時に ....
今日は素晴らしき日曜だ
嵐に弄られる街路樹と
無意味に転がる棒切れが
呼吸のように入れ替わる
ペテンのような日曜だ


あなたの瞳の奈落に潜む
鬼火のような問いかけは
閃くごとに ....
歩いていたら
むやみやたらに歩きすぎていたようで
でも本当は進んでいなくって
うまれるのは
足の振子と呼吸数
皺と涙
そして自分の影の数

5ねんご10ねん・ご
わたしは
・・ ....
寒いほどに

清々しい

凍える冷気

眩しい朝日

目を見開く

静謐の中

生命が凛とする

こんな朝もあるのなら

生きていける気がする
なにかが見えなくなりそうで
やさしいきつねは
雨をきらう

なにかが聞こえはしないか、と
やさしいきつねは
雨をしたう

その
ときどきの気持ちにまけて
やさしいきつねは
 ....
悲しみの

怒りの

境界線

を踏み越えず

誰に訴えることもなく

押し黙って生きる人

生きることの

ぎりぎりの場所で

踏みとどまっている人

見知らぬそ ....
黒い服についた 絵の具の白色

それは汚れでしょ

心を真っ白にして 無になって……

ムラサキ色の心が 決して

虫に食われた イチョウの葉であっては

ならないなんてね
 ....
眠れない夜が
あるよね



あなたを
もとめている





ふざけていないの





眠れない夜がある
明日に
 
やさぐれた町に、カップ酒の男がひとり

あまりにしっくりしていて、存在すらわからない

そのポケットに色あせた息子の写真があるなんて誰も知らないし、興味もないことだ



 
葉は大きく強い自分を誇らしげに自慢していた

しかし親の細く貧弱な幹の太さを知ると

風で飛ばされ無いようにと力の限り握り続けるその親の姿が情けなくて

父を軽蔑した



細い葉 ....
美しい女に

美しい

は軽率だ

本当の馬鹿に

馬鹿

とは言わないし

嫌いな奴には

かける言葉もない

ひとり

いつものバーで

とあるカクテルを口 ....
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない

田舎だからといって夢がないわけでもない

田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ

田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
騙すより

騙されるほうがいい

そんなのうわっつらな人生の

うわっつらな嘘っぱちだ

たとえば散歩の道すがら

地蔵のまえなど通るとき

意識もせずになにをか祈る

気 ....
ぽろぽろぽろ
言葉がおちる

温かみのない言葉がおちる
刃物のようにとがっておちる
後悔と苦悩が降り注ぐ

冷たい言葉を君に投げた
君はきっと、泣いたでしょう
やがて来る明日を嘆 ....
冬の朝のフローリングは
薄い氷が張っている

朝一番に起きて
冷たい氷を踏むのは私の役目
ぱりんぱりんと音をたてて割り
かまどに火を入れ朝食を作る

陽が昇り
村人たちが起きる頃
 ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く

寒くなったね

それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて

待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
 ....
音程が狂ったままで愛唄い熱意届けば拍手喝采 生まれてきてしまったのだから もういいの

よろこびに満ちた今日だったから もういいの

過ぎてしまったことだから もういいの

やるだけやったのだから もういいの

死んでしまっ ....
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