娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
真っ暗な闇に五月のきらきら
打ちのめされて酔いどれて
ぼくのこと面白かった?
そうでもなかった?
100才になっても、そんなこと分からない!
アスファルトを娼婦とあるく
香水のわだちがト ....
最近姫が西洋音楽をはじめた
ヴィオロンとかいうキーキー言う楽器だ
まわりは大変迷惑千万昼寝もままならんし爺は疲れ気味だ
琴かせいぜい三味線ぐらいでいいと思うのだが
姫の西洋かぶれは止まらん ....
悲しすぎると
胸が痛い
それどころか
背中まで痛い
時間がとまっている
きらきらと静かなひかり
新緑は幽霊みたいにふくらんでいる
女々しく泣いた
声が聞きたかった
あたまに血がこび ....
アリスのレストランで君と午後のお茶を飲むんだ 素敵だろう
君に書いた手紙のなかにある恋の呪文 それを唱えて欲しいんだ
表通りは賑やかに人並みが通過して行く さあ恋の呪文を信じるかい?
....
柔らかな春光に制限のない自由をもらう 棘のない世界 風を吸い込む
この世界を命名したものを想う いや名前さえも要らないそのまま感じればいいさ
本当は物事に境界はないのさ 便宜的に物事は区分 ....
与えるふりして奪うえごいすとよお前の美学を教えてくれ
鏡をみて対峙するのは簡単だえごいすといつもの手口で泣いてみろ
自由を持たないえごいすとただ粗末な己れも知らずに意気揚々と勝ち名乗りでも ....
目の前のビルに
多くの人間がひしめき合い
忙しく動き回っている
皆同じような恰好をして
皆同じように倍速で囀りながら
男も女も激流のよう
そんな中に一人
着こなしの悪いのが右往左往
....
成熟めざすやわらかな自由
繰り返すいのちの加速度
緑の効用を想うとき
かならず思い出すのは雅子さまのことだ
東宮御所のあの緑のなかで
それでも御病気がよくならない雅子さま ....
化物を生贄にして惑星を裸に戻す蜉蝣のテロ
太陽と月を結んだ線が俺座
いっかい打って
それがどうなったのか
なんでそう打ったのか
ああすればよかった、
なんて思わないで
続けては打たずにおく
ゴールなんてないんだ
ああすればよか ....
新緑がこころに刺さる季節は君と手を繋いで歩きたい
野辺の花を愛でながら世界をいとしく思うことだろう
背に負った荷物も軽くはないがそんなものこの五月にくらべればなんでもないんだ
大地からの息吹 ....
(略)
快晴という空虚
ひざっこぞうを
陽にかざし
飛行機雲を一本引く
朝日にゆれている
ひかりを透かせてゆれている
風にゆれている
水のおとがする
うたの練習のこえがする
車がとおる
公園で食べている
コンビニで買ったカレーのレトルト
朝日にゆれている
....
君だから話したいいつまでもすべてを
玉葱の皮を剥くように何重にも纏ったかなしみをすべてを
春なのに風はまだ冷たいんだ暖めて欲しいから
僕は自由なんて要らない君のそばにいたい
奸計は ....
ひとりのひとに分かって欲しい
ぼくはまだふさわしいのかな
ひとりのひとだけに分かって欲しい
いまじゃもう
みじめな話だけれど素直な気持ち
なぐさめて欲しいわけじゃない
生きていることを
....
あなたが誰かとはやあるき
誰かのことばに足をとめ
ちがう顔して笑ってる
むかしの職場にいまいます
ほされた先輩威張ってます
意地悪上司の気弱な顔
誰かのことばに微笑 ....
だいたい普通の人は家と職場の往復でなんてよくおっしゃる。
それが第一の場所と第二の場所。
では第三の場所とは?
それはこの現代詩フォーラムであり街の図書館や書店でもあり行きつけの飲み屋さんや ....
空のどこかが
解けて
みずが零れる
雨
モノとコトの上に
容赦なく
みずが注がれる
雨
雨
ぬるんだ雨は
葉っぱを揺り起こし
やわらかな雨は
根っこにじ ....
Tell a lie
Tell a lie for me
At the very least, only tonight
ひとは裏切りをぼくに見せるまで
どんな密談かさねていたのだろう
ひとがそれをかさねているあいだ
ぼくは一体なにしていたのだろう
お客様に怒られていたのか
コンビニの夜 ....
あらゆる人種が人生が交錯する
つまづいている僕
恋をしているあなた
人生は様々な糸が絡まって見えるが
案外単純な因果律の集積なのだと思うが
ICチップはブラックBOXではあるが
完璧に ....
貴方の胸に耳をあてて
静かな午後の小部屋の窓に流れ込み
たゆたう木漏れ陽のような
優しいメロディを聞きたい
そんな願いを
心の闇に深く沈めて
ただ何気なく
貴方の隣に居るだけで
光 ....
白い雲もなく
白い波飛沫もない
ひとつだけの乱反射が
わたしの瞳に届けられる
このひとつの色の波長は
わたしの血液を振動させて
濁ったこころを浄化する
黒い策略もなく
黒い騙し討ちもない
確かな ....
初めから
海でないものだったかもしれない
けれど 確かに
涸れた
だから
海だった と
言い張るほかはない
そのようにして 紛れもなく
青空だった
森だった
輝く山脈だった と
....
しあわせが
哀しみを連れてきた
さみしいでしょうと
私に聞いた
私は
しずかに微笑んで
そうでもないよ、と
教えてあげた
やさしさが
うそになる
抱きしめら ....
そよ風が四月を渡ってゆく
ぼくの探し物は君に決まっているだろう
公園のブランコに座っていた
同じリズムで揺れていた
ツインテール
いつか大人になってゆくんだけれど
しろいブラウスの胸が ....
この夜の向こう
蒼白い悲しみに凪いだ街から
漂着した片言に縁どられ
幽かに像をなす空白
難破した夢
偽りという救命胴衣を着けずに
真実という黄金を抱いたまま
....
黒いマントばかり羽織っていていいのかしらん。アイルランドの空みたいくるくるう天気に傘はいらないと思ったからなのですが。月曜日のうすら寒い朝には必ず道にサザエさんの頭が落ちていますし、ワカメSoupにい ....
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