すべてのおすすめ
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら
その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
昨日とは
違う答えを持って職員室
ぷぷっと笑われ
少し救われ
靴下の長さ限界ひっぱりあげ
ちっちゃな抵抗
ストレス発散
理解してくれぬと
反発していた 先生に ....
大切だから
追いかけない
また
逢えればいいねって
メールした2回とも
返事がなかった
だから
その話はもうしない
どうか
私の存在が
あなたの負担に
なりませんよう ....
まっくら黒に浮かぶ自販機の
あったかい、を見つける度に
マフラーの先っぽに火が灯る
あの人に逢いたい
抱き合った時、
ぶ厚いコートごしに
ジリジリとした体温を感じたい
....
今日僕は死ぬかもしれない
こういうことを書く自分が怖い
家族はみんな眠りに就いている
それぞれが寝ている部屋は生暖かい
僕はいない
存在が家の何処にも感じられない
いないほ ....
スカートに挑戦してみたのは
昔からずっと憧れていたから
単純な理由じゃない?
生物学的には男らしいけど
ピンク色や化粧が好きなんだ
別に普通じゃない?
趣味は人それぞれなん ....
回る理由もわからないまま母体は回り
僕を孕み生み、落とした
知らないよこんなところは
なんだ、 この鉤裂きは
ある朝目を覚ました
父親が死んだ
ひとしきり遊んで帰った
....
壊れちゃったあたしのココロ
ギザギザのトゲトゲだったから
どこをどうくっ付けていいか分かんないの
?どこで買って来たの接着剤??
必死に直し始めたあなたに呆れ顔
....
ソファを見に行った
高級家具店へ行った
電車にのって行った
外国人のつもりごっこ
買うつもりごっこ
オーノーと
あなたは言った
オーイエスと
あたしは言った
やあらかいソファはふ ....
サテンの光沢まばゆく
風が雲の緞帳を翻すとき
ひととき白日夢に眩む
まだ蕾、とも呼べぬ小さな膨らみは
幼すぎて花の名前を知らない
その風の名残のなかで
わたしは繰り返される春を
....
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ
そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま
....
景気が緩やかに回復している
今日この頃
からしニコフは
今日もジャムを売る
からしニコフのジャムは
安いうえに滋養が満点だから
不景気の頃には
それだけで空腹を満たそうとする
リス ....
雨粒を
ゆるすしかなかったことが熱だった
ほんの
一握り、の
うばわれるものも無く
渡ってもらうことで
どこか安らいでただ濡れていた
それしかなかった、
雨だれに
ほそく ....
(また、お出かけなんだって、つまんない
保育園で唯一娘のことを
好き
と言って遊んでくれた友達は
先月突然、家庭の事情で引っ越してしまった
この町にも
あの町にも
ひしめく家並み
....
君と二人
笑顔で又
踊り合う
嬉しいな
ちょっとチュして
また踊るニヤつく
外は雨が降ってる
窓は曇りガラスで
いつもいつ寝たか
分らない毎日だが
毎日充実している
君は ....
そのピンクの唇を唾液で汚したい
絡み合う嘘が心地良い
その小さな乳房を舐め尽したい
乳首を舌で転がしてもミルクはまだでない
その綺麗な性器を指でいかせたい
最初から濡れてたことぐらい知ってる ....
真夜中に沈んでいく終電で
疲労をぶら下げた男たちが吐く息で
今日何度目かのめまいに襲われる
脆弱なんだ
きっと他意はないその言葉に
ぎっ と
音がなるほど唇を噛んでしまったのは
....
シーラカンス
君なんてちっとも不思議じゃない
何億年なんて
君が生きてきたわけじゃない
連綿と続いてきたことをいうなら
私だって同じくらい古い
姿かえようと体制かえようと
生き物たち ....
1
うすい意識のなかで、
記憶の繊毛を流れる、
赤く染まる湾曲した河が、
身篭った豊満な魚の群を頬張り、
大らかな流れは、血栓をおこす。
かたわらの言葉を持たない喪服の街は、 ....
長い間降り続いた雨が上がった
だから何だってわけじゃないけど
傘を差したまま歩くよりは
遥かに進みやすいはず
だけど急ぐと疲れるから
道端の花と語り合いながら
カタツムリの ....
炎とは、燃えさかる火だと、書いてある。
たくさん酸素をあたえれば、きっと立派な炎だね。
あんなにおそろしいものも、最初はこんなにちいさいの。
火だけじゃないね。みんな ....
きみをひらくと
なかから ちいさなきみが
ぽろぽろと はだかのままで
たくさんの 砂金のようにこぼれて
たくさんのきみは 少しはずかしそうに
ひざをかかえてる
....
{ルビ微睡=まどろ}んで、乗り過ごすうちに
春まで来てしまった
0番線から広がる風景は
いつかの記憶と曖昧につながっていて
舞いあがる風のぬくもりが
薄紅の小路や
石造りの橋や
覗き ....
ねえ手を繋ぎませんこと
恥ずかしいのは私も同じ
否、と御即答されるのは
判っているけれど
はあっと息を吹き掛け
一瞬の合間に空気が
冷やされ地面に落ちて行く
まるで貴方 ....
その日はとても寒かった
少し前に降った雪が残る
ある日の日曜日
働きづめの自分にとって
朝から寝ていたかった
そんなことをおかまいなしに
父は車を出せと
何やら急いでいるようだった
....
言葉に溶かした微かな薬
甘く香ってすぐ消えた
だのにどうした訳だろう
僕の胸が痛むのは
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
わたしはまだ
運ばれてゆける
むずかしい物事を
ほかの名前で呼ぶよりも
ここが峠の途中なら、
そらにまぎれず
澄み渡りたい
あなたのそばには無い数を
おだやかに
....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん
お口を使うお仕事
テレアポ
アナウンサー
明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
眠ろうかそれとも詩を書こうか考えた
結局詩を書くことにすることに決めた
暮夜のこの時間はこの曲を聴く耳以外静寂に満ちている
この中で僕は歯で曲のリズムを刻みながらキーボードを打っている
....
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