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十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
{引用= ―飛ぶ そらを
びゅうびゅうと風の音を聴く}
ルルる
おお
手をひろげ
風を身いっぱいにうける、ルル
はてぞない世 ....
流れ星を見た。
うつむく彼の頭撫でながら
見ていたら
すっ
すっ、て
花火大会の余韻も
冷めやらぬ私の頭上
初めて見たよ。
2つも。
髪の毛をかきあげたら
鳴くんだよ
....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです
夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って
眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない
薄まら ....
沈みかけた夕日に
灰色のカーテンを浸せば
世界は爆発する
*
うつくしい言葉を残すのはやめろ
あれは悲しみで あれは俺じゃない
夕暮れに
ひめりんごの花弁が
雪のように散ってゆき
落ちた先は
あの子の眠る
寒い土の上でした
最期の言葉も
交わさぬまま
突然
冬空へと消えた
一つきりの ....
消えていく記憶の
映像はやがて
色あせた
一枚の写真になって
避けられない風に
彩りをながしてしまうの
くるくると
回る
地球儀の おと
重ねた手のひらの微熱 ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく
あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
はじまりにいて 終わりにいて
ぼくたちはくり返しsexをした
着メロが枕元で鳴り続いた
夜の中ではおっぱいはふわふわして
不安定で
ぼくは必死に酸素を吸い続けた
かのじょは二酸化炭素を ....
じーちゃんは 耳が遠い
ばーちゃんは 歯がなくて発音が悪い
二人の会話は
何度も聞き直し
何度も言い直し
互いの顔を
くっつけるように近づいて
可愛らしくて
仲がいい
ばーち ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
ぞうきんは古いのを
うんと搾れば
ぽろりとイヤリングがこぼれ
枯草の下で温泉につかっている土を
にぎりしめれば
ゆでたまごが硫黄の赤ん坊を抱えてでてきた
しとしと溢れる露を
石に ....
世界は
もっと不思議なままでよかったのに
虹の七色
逃げ水
姿見
知ってしまった全てが
恨めしい
君よ
その背中を覆う漆黒は
僕の夜だ
初めに与えたのは君のほう ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
の ....
二ヶ月ぶりに会って
しばらく動けなくなるくらいのセックスをしたあと
夕方にゆっくりと起きだして
二人でシャワーをあびた
あなたのマンションのユニットバスは
浴槽がとても小さくて
ど ....
ママが呪文を
唱えると
家庭は崩壊
する
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
気が遠くなるほど
恋をしてしまったとき
いや
言い換えよう
特定の
誰かに
欲情してしまったとき
わざと
自分を
隠す
何処にも
いないかのように
いないところから
....
さよなら国は
朝でも 夜でも
「さよなら」とあいさつします。
みんな みんな
笑顔で「さよなら」をかわします。
時には おじぎまで
時には なみだまで
ボクがいる ....
あら、困ったわ
が口癖の君が困った様子なんて
今まで見たことがない
あら、困ったわ
なんて言いながらも
トントントンッとまな板の上で大根を切ったり
ザッピングをし続けた挙句の果ては ....
とうさん
せんせいのおはなしには
ぼくらでてこなかったね
ぼくやまねこさんのように
どんぐりのさいばんしたかったな
くらむぼんみたいな友達ほし ....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
□『時ヲ、計ル』Inspire
エウレカ!エウレカ!
僕こそ、
時計だ。
□『時ヲ、計ル』 Again
時ヲ、計ル
....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという
静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという
小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
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