腕をつくフォルム
眼球と二重瞼のバランス
背中に手を添えて
差し伸べるように
手のひらを奥へ傾ける
黒髪がしなり散らばる感触
床へ促す一連の流れを素描しながら
降りそそぐ熱い雨を
....
良いお日和の冬の日
煙草を買いに家を出た
帰りたいと思ったら そこが故郷だった
僕はもう帰っている
樹々は瑞々しく輝き 鳥達は賑やかにさえずっている 陽は懐かしい温もり
心が和 ....
朝から歴史の勉強をしているのは
未来を予測したり
過去をくり返したり
あなたに会えなかったり、するからではなくて
ただのコーヒータイムです
君は唇を震わせる
火を点けたばかりの
赤い輪郭をした石炭を
心の何処かに抱えるように
愛することは愛を傷つけ
悲しむと悲しみは消えてしまう
....
ふりむれず
うなだれてしまっている
錆びついた 鉄板の貼りついた
我ながら不憫なねこぜ
regretは形見となって
鉛いろの四次元に
散ら ....
透明化された
君のことばは
いつしか
あいに変わっていた
ふゆに舞い落ちる
結晶たちのように
少し儚く
確かにつよい
年の瀬に
告げられた
プロポーズは
大気に漂う冷気で ....
朝露が縁どる窓
うるおう昨晩の夢
きっかけは眠ったこと
あなたの肌に近づけたこと
白桃の海、
ゼリーの河
いっそ沈んでしまおう
べたべたに絡むくせっ毛
あなたの肩に擦り寄せて
....
透明な雨が子午線の上に降って
俺は乾いた水を飲んだ
"当地"は雨が降っていた
全ては光り輝いていた
テレビはテレビ的対象を追い・・・
ネットはネット的 ....
流れていく方向を見失って
濁り始めた水と空気
「仕方がない」のお題目の下で
済し崩しにされる許容限度
時間をかけて築き上げた壁を
やすやすとすり抜けて
目の前に現れる他人
....
君が走ると 僕は見とれる
魚の群れの様に 小麦畑を泳ぐ風を
小さな身体で押しのけて 少年は走る
そのせわしない息 涙にむせかえる ひたむきなまなざし
今朝 彼の犬が死んだ
一晩中 暖炉の ....
今があるのは、過去のおかげ
と
未来が、ささやく
けれどその時そこに私は
いない
どうしても
いのちは
最後(悲しい事しか見えない人は悲しい人か
終わる ....
ぼくらは求め合う純粋だ
ぼくらは最初から永遠だ
服と重さが触れ合うから
隙間にキスをしてしまう
ぼくらは求め合う純粋だ
ぼくらは最初から永遠だ
食う
みかんを食う
さっき歯を磨いたばっかりなのに
なぜ食うんだ
(しかもこんな時間に!)
みかんを食っているうちに気がついた
えびせんも食いたいと
みかんと ....
何もない所に
一つのドアと
見知らぬ場所へ昇ってゆく
階段があった
昔見た夢で
ドアの向こうの階段に
どう抗っても行けない所で
ぱっと目が覚めたが
僕はこれまでの生の歩みで ....
自転車の ペダルを漕ぐ
すると世界も 一緒に回りだす
夕暮れの街並みは
河川敷の 向こう側
なだらかに傾いた 地平線に震えて
ゆっくりと 夜に向かって 滑り落ちていく
泉を横目に ....
だって出逢ったことなかったんやもん!
はじめてやもん!
回避できへんかってんもん!
あなたといると酸欠みたい
こんなに丁寧に舐めあってるのに
無限に増幅し続ける
質の悪 ....
季節外れなんだけど
その事を考えていると
なぜか
バニラアイスクリームと
汗の匂いがする
緑色の植物が
芽を出した ベージュ色の
白いベランダで植物を見た
水色の空がそこに映えていた
自転車に乗って
そして 小さな 近くの池へ
誰もいない広場に
ぼんやりした色の へ ....
いつもこんな具合に過ぎていく年の瀬
露天に並ぶ裸電球は飴色をしていて
なんだか同じような毎日と風景が
経た年月とともに霞んでいく
空き地でいそいそと
木のはぜる音と燃える ....
遠く鳥の飛ぶ音
離さない
僕の耳は手のように
つかむ動きをやめないのだ
地球中の血を力にして
叫ぶ
喉からは出る手のように
何かを欲してやまないのだ
続く
つづらおりの道 ....
私の耳から
ざらざらと言葉の死骸を取り出して
先に行ってしまった今日を追いかける
こんもりと墓標のような
私の頭は枕に乗って
言葉の海を漂うのだ
その静かな海には
君からの
がある
....
すきとおった
あしたには
もうない
なみだが
ふったりやんだり
しているなかで
きれいだねと
いってみたり
かなしいねと
いってみたり
それだけで
ときはすぎてくから
きれ ....
空渡る鳥鳴く 愛し人の歌よ
短かき夏の日は 風に羽ばたき去り
遥か彼方 どうかどうか逢いに帰る
その日まで歌って
旅の宵鳥啼く 切なき笛のよに
雲湧き高くして 現世遠く去り
故郷離れ ....
さあ 帆を上げよ
出航の時が来た
一かけらだって未練を残すな
すべては過去の出来事だ
さあ 目を沖に向けろ
出航の時が来た
呼び止める声など幻想だ
港にわれらの取り分はない
さ ....
そ○○○○えば、
住む○達の中で○○な○○持つ住民を
恐○にお○しいれるに○、
十分○○○大事○だっ○。
こん○大きな都市だからこそ、
○のロ○ンの返○の○○に、
○栄を張り合 ....
待つことは
かなりじょうずな方だと思う
だましだまし
夢転がしながら
とて とて 歩く
キノセイなんてつぶやきも
しないことにする
風が吹く
とて とて と
窓の曇りを指先で ....
遠くの町
きみからずっと遠くの町
もう夕暮れ
また一日が終わる
ここはとても寒い
111230
誰でもすぐ書けますと
エッセイ教室のお誘い電話が鳴り響く時に
夾竹桃の花弁がほろりと落ちて
足下に赤い輪郭を記す
ほろりと落ちる度 ....
仮面ライダーになりたかった
あのときぼくはまだ
仮面ライダーじゃなかったから
そのことばかり考えていた
三日月は満月になりたかった
ひとはみなしあわせになりたかった
....
蛍光色
に
近い色合いの、液体
を飲む。
島と海
国
錠剤。
食べ過ぎたおれ
は死ぬ
こと
を
せん妄し、
雑巾
を絞る。
壁を拭く。
硝子障子
を
なでる。 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61