多摩の春は立ち
梅の便り
雪の予報
氷のうさぎをせがむこども
声は眠らず
温もる床を抜け出る
もう未明なのに
待ちわびている

あなたが呼吸を恐れ
感じすぎるのだと胸を震わせる
 ....
ひぐれ ゆるやかなひかり 
花火のか遠き子音 
あおぐ空で煙りとかくれんぼする月に ああ
そこにおるんね と あいそ笑う  
懐かしいね ともに見たあの日の火花は ほんの少しだけ本当だった 
レモンの青い葉の
そよそよささやくななめしたにある木陰が
独りの影に重なりつらなり
古い灰色の木製の椅子に座り
宙を見つめている無限に
くりかえされる喪失は
だれにも知られることはなく
 ....
あの子の景色はひかる星
止まない瞬き
まっすぐにのびるゆたかなゆめ
祝福されてよ
きらきらしい季節に
ずっとわらっていてよ
わたしを棄ててよ




(140520)
つゆぞらの
車窓にぴしゃり
みずのゆめ
ふいに気がついた
目のあった
エレベーターの鏡に映る
水の目をしたあたし
着替えた綿の白シャツの
まとわりつく
抱擁の感触  ....
夜毎訪れるセピア色の光景にふと吐息を漏らす。
奪われてゆく時間の中では全ての音色が透明だ。
物語は夢と現の境を行き来して
真夜中の扉をけたたましくノックする。

頭の中から幾つ ....
1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。
5番線、電車が参ります。 ご準備ください。
14番線、窓が開きます。ご用意ください。
23番線、天井が倒れます。ご安心ください。
7番線、特急が通過 ....
幼い頃から
鼻血を出したことがない。
だが、街灯が消えて
露が凝縮して
霧がコンクリートから浮かぶ時に
(寒い朝に
ある目に見えない神の息)
頭が空になった感じ
鉄の匂いと

を ....
"Welcome to Strawberry Time!"
2年後の新たなシングル。
松田聖子が髪をおさげにして
脚光で躍る。
楽団が高まる。
1987年の春。
彼女の ....
大砲の音は
鼓動を揺るがす違和の口火
冴え擦る草花
雨上がりの霄のにおいは
知らないはずの陸戦を思い出させた

涼風はとうに春を諦めている
雪をあしらった高峰を入道雲が旨そうに頬張るさま ....
365色の色鉛筆を手に握って
じぶんのこころを見つめていくと
どんどんこころの内部まで歩いていって
種にぶつかるまで歩いていって
そのたねを
まっしろな紙にのせてみると
たねからとてもいろ ....
ぼくの化石が、笑いながら尋ねる
もう春ですか、と
やさしい物音が辺りに満ちてきたから、と
そう尋ねた時、湖水で何かが跳ねた


漆黒の深い闇の底へ、光はすべて埋葬され、
1つの箱だけ ....
隣に彼がいないのをいいことに
オナニーする夕暮れの美少女は
悲壮感漂ってグラフィカルな幻覚をみる

もっぱらハウスかテクノのピコポコ電子音苛まれ 焦りばかりの毎日
蛍光カラーがポップに散歩す ....
公園の
並木道で
かすかに
聴こえる音
の精をさがす

淡い
色すらない
音の精の
羽が
ひらひら舞うのに
輪郭が
ぼんやりしてきた
こころが
よりそう

ためきれない ....
もう誰も助けてくれない気がした
胸が抉られて、砂漠にたった1人
ビルディングとビルディングの間
間の抜けた衝動を孕んだ死角
もうここから一歩だって抜け出せない

都電通りめがけて、真っしぐ ....
朝はこんなにも鳥の声であふれている
それが
そらみみでないことを知ったあと
染み出てくる
当惑を
奥歯でそっとかみしめて
(愛おしいシーツの皺を伸ばすように)
こんなふうに
人は日常に ....
人魚のことばは あぶくです
なにを しゃべっていても 語尾はいつも 
めるふぇんて わたしたちには きこえます
うろこののこる おみあしは めるふぇん です

人魚のゆびさきは 笹船のよ ....
区切るのは、窓枠
ガラスを斜めに横切る曲線
不規則な、雑巾の跡
掃除の手順は安定しない、いまだに


座る場所は決まっている
そうである限りはきっと
向こう側の風景も大体変わらない
 ....
海に来た
理由、必要かい
海に来た
海に来た

五月晴れとの予報は当たり
かもめは冴え冴えと
風に乗っている

東京の埠頭に匂いがないと人は言うが
わたしには聴こえる
埋め立ての ....
落下傘が
降りてくるのに
かっこうの空です

落下傘が
降りてくるには
じゅんびばんたん
の空です

今日わたしは
地球の
目じるし
腐り果てた空に、虹が突き刺さって風化したまま、
あらゆる感覚が停止した世界の壁に、ベンガラで擦られた、
巨大な死者の伝言が、僅かに一行、掠れもせず遺されていた。
――「背中に刻まれた言霊、犯人は ....
とうとう左手小指の爪半月が
消えた

何の不具合もない
誰も知らない私の体の変化

どうでもいいことだ
でも
こんなことでも
ずっと憶えている
自分にとって
どうでもいいこと ....
             140505
揺り返されたのは僕の記憶
ひっくり返った本棚の下から
見えなくなった沢山の意思が思想が
ピクチャーサイズで這い出してきた
抗議デモのように自発的な現象 ....
花ちゃんの
あたまはしめって
血みたいな味がした
手のひらはかわいて
すこし皮が むけてた

それからふるえるように息をしたら
世界は
ささやかなその体のぶん
のびを した
 ....
そういえば春は
いつのまにか過ぎていた
楠のみどりの深さに溶けて

さえざえと曇る朝にまだなんとか
へばりついた春
雨戸をあける音に縮んで
すずらんの根元へ消えていく

ばらの蕾 ....
  あたたかいミルクを 絨毯にこぼしてしまった日
  きみはゆっくりと愛していた
  町を、陽の光を、そでの長い服を



  きゅうくつなかなしみが胸を染める
  言葉にできな ....
涙のささやきとキス
君の目は愛と言葉
真実がいつか救われる
嘘はいつか壊される

王冠の形した心
台座をひっくり返して
一人で立つ
君の頬

真実が最後に壊されたら
軽蔑の眼差し ....
星が
揺れる
みなと


水面に投げ入れられた小石が、
いくつもの、
浅い、とうめいな
円運動の光を連続させながら、
熱風の凪いでしまった
真っ黒な海を、
ひゅるひゅる
ルル
 ....
冬の雪よりも深い、春のかなしみを
憂えるあまり、咆哮も彷徨もせずに、
ただ、ひとり揺り椅子に眠っていたのに、
彼女はとつぜん、

頁をめくるように、
眠りから解かれた。
カーテンの向こう ....
公園のベンチにすわって深呼吸をする。
遠くに青い山が見える。山はいつも見る風景の中に、変わらずにある。
おじいさんにもらった山である。
というのは真実ではない。
自分の詩の中で、自分勝手に自分 ....
あまねさんのおすすめリスト(2020)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黎明- たちばな ...自由詩8*15-2-13
【五行詩】ひばな- 凛々椿自由詩714-8-2
レモン葬- こしごえ自由詩4*14-7-30
Y- 自由詩214-7-12
『水』- あおい満 ...自由詩514-7-12
ソリテュード- ヒヤシン ...自由詩16*14-7-12
1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。- アンドリ ...自由詩2914-7-9
鼻血- アンドリ ...自由詩514-7-8
アイドル2:Strawberry_Time_(松田聖子のため ...- アンドリ ...自由詩714-7-7
落夏- 凛々椿自由詩514-6-13
じぶんのなか- うんち自由詩4*14-6-8
【邂逅】- ハァモニ ...自由詩6*14-5-16
虹とスニーカーと奇想- 比良末潮 ...自由詩4*14-5-15
微かな音- 殿岡秀秋自由詩514-5-15
サヨナラ・コンテンツ- 比良末潮 ...自由詩4*14-5-13
カミツレの花- そらの珊 ...自由詩12*14-5-11
めるふぇん- るるりら自由詩18*14-5-11
ひろがる- あ。自由詩11+14-5-10
潮風- もっぷ自由詩414-5-10
落下傘日和- 佐倉 潮自由詩314-5-8
【滅亡へのソネット】〔ソネット〕- ハァモニ ...自由詩1*14-5-7
どうでもいいことについて- ichirou自由詩11*14-5-6
もう一度- あおば自由詩6*14-5-5
花のこと- はるな自由詩514-5-5
そういえば春は- はるな自由詩314-5-5
ミルクときみの春- 草野春心自由詩914-5-4
日の果て- 黒髪自由詩2*14-5-3
無題- 自由詩4*14-5-3
春のかなしみ_〔ソネット〕- ハァモニ ...自由詩3*14-5-3
分け入っても分け入っても青い山- yo-yo自由詩8*14-5-3

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