精子の姿は、魂に似て 
お玉杓子は、音符に似て 
もし、魂が音符なら 
メロディは 
五線譜を泳ぐでしょう 

無数の精子と精子の競争を 
勝ち抜いた選ばれし精子よ 
 
君は辿り着 ....
きみの柔らかい生き物を
毎晩夢に見る
わたしの柔らかい生き物を
かつて沼だった土地に放した
放物線を描いて
慎ましい身なりを合言葉に一斉に種弾く
それからの手記
それからの鐘の音
きみ ....
白いひかりの内側で
やさしくもつれ合うものを
聴いていたかったのに
ただ、聴いていたかったのに

生きていてもいいですか、と問うよりも
生きていなくてはいけませんか、と問うほうが
 ....
うらうらの生き物の吐く息が
硝子だった空気をぬかるませ
希望と期待とに重くよどんで
風景は薄くかすみがかったよう
夢のよう ひとはいう
散るさくら うつくしいという
まだ咲かないさくらの樹 ....
親はいないのか
捨てられたのか
たかいのか
ふかいのか
風がきつい
まぶしい
今日の空
ひとのかたちで
風に捨てられて
おまえは
なんていう名の雲か
太郎か、次郎か
花子か、雪 ....
さよなら
東口にて

 
ひかりの複線は尾を散らし
僕を底知れぬやみへとおいてゆく
風つよく
背筋から心臓へ
夜更けにはきっと雪になるだろう
新月の雪だよ
青白いはかなさだ
照ら ....
一、

 

ひとつ、ふたつ

もっと

でたらめなものとして

 



わたしの

きみのわたしの

きみ

 

 ....
送電線をたわめて
音階をすこしだけ揺らす、風
それは記憶の
中にだけある透明

もうどれくらい
わからなくなっているのだろう、わたしは
君のやさしさをひとつずつ踏みしめながら
風に向か ....
しらない国から
風が吹き
しらない国へと
わたってゆく

鳥でもこうは
とべません

しらない国から
雲がきて
しらない国の
滝となる

鯉でもこうは
のぼれません
 ....
だめだ、もうだめだ、って

ふかいふかいため息 ひとつ


さざ波が足下でピタリと止まる

切り取ったやさしさの中に

横たわったまま、色あせてしまおうか



いつもいつも ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている

ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子

思い出すように
生きるから
死ん ....
病んでいる
悩んでいる
身心ふたつ
ふたつはひとつ

止んでいる
悔んでいる
雨降る悼み
涙の痛み

澄んでいる
霞んでいる
朝もやの空
初秋の大気

噛んでいる
 ....
交差する
わたしは言葉を
絡ませて
たぐり寄せる
あなたを
口に含み
舌の上で転がして
奥歯で噛み砕き
身体中で一番深いところ
朝と夜の境界線が引かれた
あのなにも無い ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている

そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
映画が終わり
グラスの水滴が流れて
伝わっていく泉に
手を浸す
深夜のこと
頬にスタッフロールは
逆さに雨となり
取り返しのつかない
早回しにも似て
繁茂した
森の奥に隠されている ....
あなたはその(目)を視たことがあるか? 
私はその(目)を視たことがあるか?

ほんとうの(目)はいつも 
鳥の羽ばたく虚空から 
世界の物語を眺めている 

私はあなたを視たことがあろ ....
かみさま、彼らの十字架を
どうかどうか先端を金色に光らせて


目をつむって星座をみつける
まぶたの奥
熱いたましいの燃えている火を見上げて
すべての過去に名前を与え
すべ ....
古い家の梁に
ロープを掛けただけの
私の特製ぶらんこ
ゆらゆら揺れているのが好きだった


目をつぶると
ぶらんこの旅がはじまる
家ごとゆらゆら揺れて
私は遠いところまで行ってしまう ....
短い旅を終えて
君が立っている
骨ばった大きな笑みと共に

ほどけた靴ひもを
結んであげるよ と言うと
いいんだ これから
空を飛ぶから

そう言って
短い旅に
でて行った
ふりかえると夏がいた
透きとおる肌
後ろの道が透けて見えた
ほほえむ顔がうつむいて
夕陽から漂う風を浴びた横顔は
もう夏ではなかった
私の知る夏は消えていく
知らない存在に変わってしまう ....
みんな。笑顔
(果実のまえの)
花が咲く
宙へ風は
 解け
みんな、こたえる

拝礼(死をふくみ 生は口をすすぐ
   とつばさはささやき
   )おおきな河を
みんながい ....
4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる

いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている

八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
なにも人間のかわりにはなれない
水晶の先に淡く輝いているマリンブルーの瞳
神様
不合理の先にしか
姿を見せてはくださらない

あなたは人間ですか
この壊れたからだを抱きしめている
 ....
あなたじゃない
わたしは
こうして
だれも紡がない

旅で出会う
たくさんの たくさんの
人たちと
決して混じることの
ない

こうして
だれも紡がない
夜と
夜の

 ....
薄日
午前と午後のはざま
直径8mmの無数の穴から私は
偽物かもしれない平穏を覗き見ている
こんど メールを送ります
そういっていなくなってしまった人たちや
畳に敷かれた二枚のお布団のこと ....
二日目のパジャマに 流行の柔軟剤が負けてゆく

水を足しすぎた絵の具のように

生身の柑橘の香りを手に残しながら

髪をとく 水彩画に映る自画像の鏡

 床に就く 忘れ去られた ラベン ....
あとは
お任せいたします、

上手にもたれて
サボりましょ



問うも問わぬも自由なら
いずれも選ばぬ
すべもある



お口の悪いひとがいて
腰の重たいひとが ....
かいすいのなかのつぶは
ひとつとしておぼれてはいない



小さな子供が、星の矢に射られ、
浜辺の町の大人が、
空を向いて祈り始めた、

(その間にも子供の胸は砕かれ、
背 ....
いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している

よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている

バイパスを回り込んだ
耳障りの良 ....
橘あまねさんのおすすめリスト(1802)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
精子の旅_- 服部 剛自由詩5*13-4-1
篝火- 嘉村奈緒自由詩813-3-31
氷点- 千波 一 ...自由詩513-3-28
三月- マチムラ自由詩4*13-3-2
雲の子- たま自由詩40*13-2-24
⇄(複線)- 凛々椿自由詩513-2-5
不一致- 佐藤真夏自由詩3*13-1-7
送電線をたわめて- 紺野 夏 ...自由詩112-9-10
しらない国- はるな自由詩412-9-7
さざ波- yaka自由詩3+12-9-7
チェリー- はるな自由詩612-9-7
病みを癒やして- シホ.N自由詩312-9-7
さこよんうになちらは。- peau自由詩2*12-9-6
しずかな午後- 朧月自由詩9+*12-9-5
とうへんぼく- 田園自由詩10*12-9-5
眠りの淵で- 春日線香自由詩612-9-5
目について_- 服部 剛自由詩612-9-3
クラシックを聴きながら- いばら自由詩512-9-3
鞦韆(ぶらんこ)- yo-yo自由詩1412-9-3
みじかい旅- はるな自由詩412-9-2
- 木屋 亞 ...自由詩5*12-9-1
雪消- こしごえ自由詩5*12-9-1
目かくし- はるな自由詩712-8-30
ハレルヤ- 佐藤伊織自由詩312-8-29
野人- 佐藤伊織自由詩112-6-19
薄日- 凛々椿自由詩1112-5-14
二日目のパジャマ- 朝焼彩茜 ...自由詩5*12-5-4
トライアングル- 千波 一 ...自由詩4*12-5-4
砂浜の奥で- 長押 新自由詩7*12-5-4
おしゃべり- nonya自由詩23*12-5-4

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