戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。


光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きて ....
灯台の
岬で

風が吹いたら
きみは
揺れる

髪も
すそも
きれいにつれて
きみは揺れる

それは
取るに足らない一瞬だけど

きみにまつわる
ささいなすべて ....
真夜中のきみの痛み
どんな言葉も選べないから
表情だけを送り
そして
きみの表情を受け止める

時間差と記号
最小限の情報のなかに
くのう、なきがお
そして、きみの
ありがとうを理 ....
ソーダ水の温度に惑わされて
汗ばむ景色をよじのぼる

お元気ですか、夏

遠い背中に
あなたと名付けた
ひとのかたちを追って

「おはよう」を
言いそびれると
教科書の中で殺され ....
あのことも
このことも
忘れてしまうのさ

まどあけて
たばこをすってしまえば
消えてしまうんだ

すきなことだけ
すきなことだけ
すきなだけ
やりたいやりたい

ひがの ....
自然から教えてもらおうと

ぼーっと公園を見つめていた

木々や草をひかりを見つめていた


大木

根っこ



小鳥たち



草生える

葉のいろ

 ....
乾いた笑い声
抜けたままのプラグ

真っ昼間、踏切の側で
女は胸に手を当てている
子供達が足跡を消して走っていく
夕暮れ、街灯の側で
老婆は胸に手を当てている

黙っているけどみんな ....
じめんのうえにたっています

あしのうらにたいおんがあって

じん

とします

ときどきそらをみます

とんでいるものがあってわたしは


鳥瞰図


みごとなけしき ....
この夜はあかるすぎる
きみが上手に眠るには

だからぼくは
月も星も
希望もしまってしまおう

明日も
あさっても
きみのみえないところへ
しまってしまおう
あさこは
朝男の
肩にだかれて
しあわせ
という色を
はじめて知った

あさおは
朝子の
肩をだいて

という色を
はじめて知った

ひゅぅ ひゅぅ
ひゅぅ ひゅぅ
 ....
「たより」

生活に疲れた頃
きみは ゆっくりと やって来て
るすがちな ポストに
ことり、と 手紙を 入れて行く
とにかく 早く 帰りたいと
ばかみたいなスピードで
のほほんと暮らす ....
  (嘘つき)



  と
  だれかに言われ
  ぼくは
  眼を醒ました
  八月の
  朝、はやく
  遠くから
  なにか
  まぶしいものの流れが
  こ ....
大切なものをわすれてしまった
気がするけど
何をわすれたのか思い出せなくて
それはすでに
わすれたことをわすれたのと同じように
もう意味なんかなくて
でも
あんまり利口じゃないから
ど ....
中身が透けて見える
不思議な箱を前にして
おれとおまえは
向き合う形で
その箱を見ている


おまえには
三本の矢が見えるらしい
だけども
おれからは
りんごが二つ
お ....
風景は記憶を宿している
だから俺は
ゆるゆる
その風景に
流れ込む

いつも路地裏
猫がいて
丸くなって目を細くして寝てる
気持ち良さそうに

俺は雪駄で歩いていくだろう
そう ....
溶けてしまいそう
暑さのせいではない

時々空を見上げる
曇っていると泣きたくなる

今日はよく喋った
昨日は一言も声を発しなかった

電話をかける
最近どう?

暑いね
溶 ....
よるの一時にローソンで
たちつくしたのは
きみのせい

かどの雑誌のコーナーで
まちあわせては
タクシーへ
よるの一時にローソンで

あのローソンはここではなくて
このロー ....
今日も
まぶたの底に沈んでいる
気配を感じてまた
泳ぎながら指を固める


永遠はいちばんわかりにくい翻訳だから
爪先から這い上がってこないように塗るくちなし色の
どこにい ....
腕の足りない分に
被せたシャツのボタンホール
くるぶしをすりむいてわらうあなたの
小指をほどけば
青梅のかたさを思い出すような八月


どこまでも
だらんとのびていく足の白 ....
地下鉄のアナウンスを
白い波のようにやりすごして立つラインのうえ
共通語の素質なんて、
たぶん欠片もない言語でわたしたち
今もまじろうとしている


(かじりもせずに
舌先を触 ....
青い空には

無数の

名前を与えられなかった存在が

ひしめいています

私の僻みや

貴方の哀愁

なんとも都合の悪い

ものばかりです

便箋を一通

送らせ ....
秋の言葉を山盛りにした籠には
色とりどりの付箋が貼ってある
坂道の先の赤トンボが群れている辺りに
配達する家があって
どんな挨拶を交わして
玄関を入るべきかを考えている

素肌に纏っ ....
{引用=
おまえを失い汽笛が呼んだ
あの海に下りていけばよかったと
願う僕の果ては悲しい
炎天下
糸の切れた凧のように漂う
なあおまえ、笑ってくれよ
こんなにおどけた僕の毎日を

文 ....
はじめて情事を体験したときそれは情事じゃなかった。情事と交尾はちがうことだとすぐにわかったし、わたしの体験するそれが情事ではないこともすぐにわかった。だから早く子供を作ろうと思った。交尾ならば結果をつ .... すこし暗くなった
デスクのライトをつけたら
もっと暗くなった
暗闇を明かりが照らすと
なおのこと闇はその色合いを増して
本が読めなくなる
というよりも
字が
読めない
この黒い字が
 ....
夢でみたキスの湿度
もうすこし感じていたい。
子供の必死さで
鼓動が上がり息が出来ない。
このまま息の根を止めてほしいと懇願している。

鼻の頭の汗、おでこの汗。
湿った唇でくれるキス。 ....
わたしが死んだら
なるべく生き物がたくさんいるところへ
なるべくそのままの状態で
置いておいてください
土にかえったり
誰かの一部になったりして
わたしはわたしの
いのちを分解したい ....
ひとつになろうと
ひとはいうけれど

わたしたちは
はじめからひとつなのだ

それなのにひとは
ひとりになるために
ひっしにいきているようだった

ひるもよるも
きせ ....
きみをたべたい
しゃくしゃくっと
たねはぷぷっとだして
そしたらそこからめがでて
またきみがはえる
ぼくはそのあいだにつちにかえるから
きみはそのえいようでおおきくなるんだ
きみにとりこ ....
夏に
瞼を虫にさされたので
片目があきません

いくらか黄色を
強めに帯び始めた
八月のカーブ
片目で町を走れば
遠近感がなくって
前の車も
白線も
ドアーも
濡れたボトルや
 ....
橘あまねさんのおすすめリスト(1805)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の光- yo-yo自由詩6*11-8-26
風が吹いたら- 千波 一 ...自由詩4*11-8-25
あかい蛍- 佐野権太自由詩4*11-8-24
どうしようもなく夏- りこ自由詩6*11-8-24
すきなことだけ- 竜門勇気自由詩211-8-24
教えてくれないか- 吉岡ペペ ...自由詩111-8-24
安定したトリル- 瑠王自由詩411-8-24
ひこうき(改訂版)- にしなま ...自由詩7*11-8-24
この夜は- はるな自由詩1011-8-24
アサガオ- 草野大悟自由詩4*11-8-23
「たより」- 藤鈴呼自由詩6*11-8-23
まぶしいものの流れが- 草野春心自由詩5*11-8-23
わすれもの- 佐々木青自由詩2*11-8-23
箱の中身はなんだろな- 寒雪自由詩111-8-23
風景の記憶- 真山義一 ...自由詩2711-8-23
その嘘を信じさせて欲しいと思う- 村上 和自由詩411-8-22
よるの一時にローソンで- はるな自由詩4*11-8-22
ふるわすように、雨- あぐり自由詩411-8-20
夏の日- あぐり自由詩411-8-20
しろい流転- あぐり自由詩311-8-20
薫風- 雪路自由詩6*11-8-20
晩秋- 花キリン自由詩5*11-8-20
なあおまえ笑ってくれよ僕が何度もおどけるたびに- 高梁サト ...自由詩811-8-20
情事- はるな自由詩9*11-8-20
夕暮れの部屋- 佐々木青自由詩4*11-8-20
貴方の湿度- そよ風自由詩411-8-19
わたしのいのちは天(そら)へはいかない- 小原あき自由詩16+*11-8-19
ひとつ- 小川 葉自由詩711-8-19
なつのいのちはめまぐるしく- 小原あき自由詩6*11-8-19
片目は閉じられ時間は消えて- 水町綜助自由詩411-8-19

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