すべてのおすすめ
波打つみどり、
敵味方の風、
追われていく

ひとつの鍵盤に向かって
端から指が流れてくる。

とたんに、
空に生まれた
子供にかえる

見つけたカタバミは、
探していたものと ....
たいようのしずくをあびている
みずいろのかぜ こころをゆらし
ぼくはひとり せかいのはらっぱで
くさのかおりに みをしずませる

もりへゆこう もりへゆこう
どうにもならないそんな日は
 ....
なつかしい歌を
久しぶりに聴いたから

あの頃読んだ詩の一節を
ふっと思い出したから

永遠だと信じてた時間が
いつの間にか
過ぎ去ったことに気付いたから

絶え間なく変わり続ける ....
世界中のあらゆる拷問の道具が
天井からぶら下がっている
静かで清潔な部屋で
一人の野蛮人が
膝の上に乗せた子犬を
優しく撫でている

子犬は
野蛮人の膝の上で
まどろみながら
人間 ....
光の点の物語
夜の喪に立つ蒼い{ルビ蝋柱=ろうちゅう}
けものの笑みが途切れ途切れる
風が廃駅を削いでいく
茶のひろがりの終わるところに
金にかがやく草で編まれた
 ....
雲が
破け
露わになった夜は既に黒々と
艶やかで冷たい体表を完成させており
その直下でアスファルトは
終わったままの雨の微粒子で
キーン、と
光沢し


張り詰めて、いる
張り詰 ....
君の既視感を舞っているのは
紙製の蝶だよ
いちめんのなのはな と君は呟くけれど
此処はうち棄てられて久しい館の中庭
君が坐っているのは朽ちかけたベンチだよ
とうの昔に涸れた噴水の傍の

 ....
日はこの時ついに陰ることはなく

交叉点の信号が
青ざめて進めという
曲線に添った産声が
白い手で羽ばたき
円周率へ視線をおくり

目をふせた
ふせないで
みつめて
林檎の赤
 ....
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
すべては夜に
言葉でさえも
すべては音に
私ではなく



ひとつのひびき
ふたつのひびき
みっつのひびき
私ではなく



光を投げかけ
器を揺るがし ....
本屋を通り過ぎて、またあの骨董品店の前に辿り着いていた。
雨も降っていたことだし、本当は本屋に入りたかったが
お休みらしくひっそりとしていて、入り口らしき扉は締まっていた。

私を通り過ぎて歩 ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
くずれ落ちそうな皿の山
こんな完璧な餌のまき方があっただろうか
猟師は遠くで
あたたかさが動くのを待っている


油色した雨の日に
ひかりは歩くだろうか
子供たちはそ ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
名鉄の名物は
流電モハ52の
流れをくんだ
デハ3400系

きたもんだ
そんなもの
どこにいる
ここにいる
広見線の可児駅の近くに居るんだよ
ナマズみたいに大人しく
居るか居 ....
あのひとからの手紙を
今朝もポストのうしろにしゃがんで待っていた
つらくはない
もう毎朝の行事だから
ご飯を食べて 歯を磨くのとおなじこと

眠りの浅かった夜があけると
いつもどうしてか ....
なぜだろう、風が吹くたびに
バイオリンの旋律が聞こえる
左目に映る昨日の後悔と朝ごはん

学校に行かなくてはと
駅に向かう道は
白く大きく横たわり
僕の方に押し寄せてきた

歩いてい ....
たくあんで涙を食べた
ひいじいさんは欠かさず買い物についてくる
子供の裾を握りながら
足がないから、疲れないよと
祖母に笑って冗談を話す


デパートは同級生で一杯
ハバナで戦死した敏 ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
春に見込み生産した思想が腐って
生臭い匂いを残して冷凍された
夏の記憶を持たぬ子供の眼が
暗い海を見つめる

冬の陽のあどけなさ
日溜りに春をもたらし
猫の子はしゃぐ

初春や羽根つ ....
 わたしには女の声が聞こえる。誰にも似ていない声。でもひとには話さない。話す相手もいない。流木の散らばる砂浜。わたしはひとりで波間を眺める。ジーパンの後ろポケットに突っ込んだ神話の文庫本。もう何度も読 ....    





ひとつ月を見ない。

最後に彼月を見たのは、
四つ前の七日双月であった。




双月。

ひとつ月と、
ふたつ月は、
兄弟月である。

大変 ....
昨日 切り捨てられた廃線の
駅 構内には
まだ暖かな気が
そこら中に点々と赤味を帯びて
揺れ立っているというのに


朝に 幕
夜には 鉛の月影が
ゆっくりと光りを奪っていくのだと
 ....
皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
さ ....
二月の冷たい雨が降る午後
近所の喫茶店でお茶を飲みに
愛読書を鞄に入れ ビニール傘を差し
家の門を出て川沿いの道を歩いた 

川の流れる{ルビ辺=ほとり}の土に
一羽の{ルビ白鷺=しらさぎ ....
あの日の筆圧で
定着したインクが
原稿用紙の余白に
青くにじんでいた

その万年筆の字体は
水性の化石だった
硬質のにじみの層は
幾重にも連なったブレストーン

そこでは私の声もに ....
かたちが あるって
そのかたちさえ あいまいで

かたち みるめも あすをもしれぬ
かたちなきてに はぐくまれ

にじんでは なく
きえたいと きえたくないと

どちらへ まいられて ....
花が咲き乱れ
緩やかに風が渡る高原を
想うのはもう やめた

  飛べないのではなく
  飛ばない虫

穏やかな海に向かう
明るい窓を
開けるのは やめた

  鳴けないので ....
霜天さんの自由詩おすすめリスト(1528)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
麦わら帽子- つきのい ...自由詩1406-2-15
祈りの日- 水無瀬  ...自由詩5*06-2-13
心の色- さち自由詩16*06-2-9
アイスクリーム- 大覚アキ ...自由詩506-2-8
水獣域- 木立 悟自由詩606-2-8
緊迫夜- A道化自由詩806-2-8
架空の春- 塔野夏子自由詩15*06-2-7
(ペチカの黙秘)- こしごえ自由詩13*06-2-7
うつつな夜のオルゴォル- たりぽん ...自由詩12*06-2-7
サトル・キダチ- 木立 悟自由詩1006-2-7
ある風景- 葵 悠貴自由詩2*06-2-6
Blue_is_the_Colour- 岡部淳太 ...自由詩7*06-2-6
夜の終わりに- 木立 悟自由詩206-2-6
不透明な_ものたち- 落合朱美自由詩2106-2-5
春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
南セントレア市- あおば自由詩3*06-2-4
習慣- 和歌こゆ ...自由詩8*06-2-4
眠り- あおば自由詩3*06-2-3
同窓会- 便乗鴎自由詩3*06-2-3
無数の。- なを自由詩1506-2-3
行商- あおば自由詩4*06-2-2
空き地- 光冨郁也自由詩606-2-2
「_双月譚。_」- PULL.自由詩8*06-2-2
終着駅から始まる眠り- 千月 話 ...自由詩14*06-2-1
体温- 石畑由紀 ...自由詩1506-2-1
雨に濡れた白鷺- 服部 剛自由詩10*06-2-1
にじみ- こしごえ自由詩19*06-2-1
そうします- 砂木自由詩10*06-2-1
つなぎとめるものはだれ- たりぽん ...自由詩11*06-1-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51