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僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いてい ....
「メリーゴーラウンド」 7
距離
星には決して手がとどかないって
知ったのはいつだっただろう
夜空のした
はじめて自分で立って見あげたあの ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう
ときおり
あっ、とか
....
愛の奇跡であの娘と結婚させてください
そう神様にお願いした次の日の朝
目を覚ますと僕の右手には一本のわらがあった
どうにかしろ、ということなのか
どうにかなるさ、ということなのか
わ ....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる
おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
汗臭いほんとうのことにはもう付いて行けず
けれど 瑞々しい嘘をよけながら
照れ笑いで誰かと話すのが好きだ
政治とか宗教とか戦争とか
どうだっていいことじゃないからつまらないんだ たぶん
....
かぜをたべて
いきているとりを
たべて
かぜは
なんだか
かなしいきもちになった
軍艦巻きは週に一度
それが我が家のおきて
ちぐりす飲んでゆうふらてす
シャバのシャバダバ
シャバダバ・ダバダ
うちのじーさん、ひーじーさんの子供
じーさんの子供はとーさん
....
いまそこにピアノ教室があったの、って
水銀のけむりのようなわらいかた
こどものバイエル 残酷な風景に寄り添う
音楽
あなたが舌のうえのやわらかいスイッチを押す
(どんどんだめになる) ....
それは私ではない誰か
窓際の花瓶の水を
新しく換えるのは
いつも気付かぬうちに
橙色の陽が差しこむ
開け放たれた窓から
手を振って身を乗り出す
あれは私ではない誰か
肌 ....
光のなかのかたち
花の前の小さな声
小さな姿
ほどけてゆく線のあつまり
光を知るもののまわりには
小さな光の歪みがいて
小さな手を差しのべている
手に手を ....
ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく
さよなら、それでも
また明日
会えるといい。
と
なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る
橙の
奥 ふかく
つめたく
や ....
本日はお日柄もよろしく
押入れの中は相変わらずのじめじめ模様が続きます
いつまでこの暗闇の中でかくれんぼをしなければならないのか
親方にも僕にもよくわかりません
ただ、かび臭い布団や枕 ....
それと気づかせないくらい
ひそやかに雨が降る
フロントガラスに微かな水滴
ワイパーもいらないくらいに
夕暮れ時の街は
帰りを急ぐ車がせわしなく
まぶしいヘ ....
うっかり逆方向の快速列車に乗ってしまったり
足の小指をイヤというほどタンスの角にぶつけたり
外出直前どこを探しても財布がみつからない
そんな時
母の背中を思い出す
ぼくと弟がびりびり ....
縁日で、金魚を取り過ぎたおじさんが、デメキンと、普通の金魚をくれた
縁日で、何もしてなかったのに、右手には、金魚が、2匹いた。
家に帰っても、水槽がないから、とりあえず、1.5リットルのペ ....
倉吉病院にきちがいを連れて行くと5000円もらえる
倉吉病院の裏山には隔離施設と秘密の沼と竹林があって山を越えると
東伯郡になって梨園に出て夏になるとおいしく食べられる
竹林の奥の井戸のトタン板 ....
かなしみがとことこ
ひとりでにあるきだして
どこかとおい
うみにかえると
いいな
いとしさがふわふわ
かってにとんでいって
いつかどこかの
きみにとまれば
いいな ....
小学一年生の春
友達と下校途中に
桑の実があった
ちょっと とって食べる
紫色が手につく
親に叱られると思い
道路の横を流れてた川で 手を洗う
と ランドセルが首に 落ちて
重みで ....
禁煙するために
両手をじっくりと見た
花びらが散るように
どこかで終わりが開いた
忘れていた夢が疼く朝
雨が降っているので
部屋はひどく暗かった
少し苦い珈琲を飲みながら
この行為につ ....
ゆびさきを、したさきを。するりと、ふれるかふれないかで、はわせるぼくら。しろいからさ。くろいからさ。いきつもどりつをくりかえして、どこかとおくへいこう。「あとじゅうねんたったら」っていって、そしていっ ....
二時間待たされたあげく
僕はタクシーの助手席に通された
運転席の医者がちらりと僕のお腹を見ながら
おめでたですね、と言う
何か心あたりは?
そういえば確かに最近酸っぱいものの数ばかり ....
すずなりだすずなりだ
耳の実、枝にすずなりだ
煮てさ焼いてさ
食いましょか
木の葉で隠してあげましょか
すずなりだすずなりだ
耳の実、枝にすずなりだ ....
お母さんボクは東大にいきます
やりたいことがあるとか、ないとか
これからは好きなことを仕事にする時代なのだ、と
そんな黄色いハローワークで
幸せになれますか
お母さんボクは東大にいきます ....
「なかみはなにでできているの?」
幼い子が私に聞く
着ぐるみに入っている私は
その問いに答える事は出来ない
おしゃべり厳禁とアルバイト規約にあったから
「あなたのなかみはなにでで ....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カセットから流れてきた音楽まで
フォーエバーヤング
65を過ぎた父が
免許を取ったのは5年前 ....
曇天の午後に
無地のワイシャツが眩しくて
コウモリ傘がひらく
つかめない顔
剥げたマーブルチョコになる
台風一過、朝寝坊をひっぱって、眠りの水面から浮上、ざばっと目蓋を開いたら、
窓には洗いたての青空一枚(梢のふしゃふしゃした陰影と、ひとひらの雲も泡立てたばっかり、といったところを添えて)光って遠くに ....
君を裏切るのは
とても簡単
ハロー
そういって
右手を上げて
その手は
ゆうべ
誰かの内部や
その内部に近い小さな花を
ハロー
小さく震えて
開く扉は
ハロ ....
むかし むかし
パイロットのきみ は
大きくなったら
ひこうき になりたかった
運転士さんのきみ は
大きくなったら
でんしゃ になりたかった
宇宙飛行士のきみ は
....
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