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わたし
春の畑をあるく
やわらかな雨に匂いたつ
赤土
影の淡い腕が
いくほんも突きだして
足首をつかむ
でも
死んだ者のちからはよわい
幽明のあわいに建つあの門が
ぎらりん ....
きゃらめる 6
ねじ
1
まいばん
ねむるまえに
もうひとつだけ
からだのねじを
はずしてみる
おそるおそる
....
私は
友達とか他人に
モノとか
何かして
あげるのが大好き
相手の
喜んだ姿とか
心から笑った笑顔を見ると
こっちまで
嬉しくなってしまうから
相手にもらうことばかりを
....
春の夜の淡雪は消え残り
白と紫に染め分けた山が
灰色の空のなかで静謐に光っている
午後の暖かな日差しが雲を溶かし
日陰に水路のながれる町で
冷たく甘いチャイを飲んだ
開け放った窓は ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
隙あらば寂しいと言おうとするこの口を
誰か縫いつけて下さい
私が言うことで傷つく人がいるだけで
何も生み出さない
この言葉を
誰か縫い付けて下さい
一人眠る冷たい布団
ど ....
あきらめたものは
余計にほしくなる
あきらめた人は
余計にあいたくなる
俺は
弱っつちいし
あきらめが早いから
いつも
あきらめたものが
あきらめ ....
やわらかな
ふあんは
やわらかな
やみに
つつまれて
しばらく
そこを
うごこうとは
しなかった
やみのなかは
めがなれてきても
やっぱり
やみのなかで
きみのこと
こ ....
色とりどりの人々が
角を曲がっては消えていった
降る雪の一粒一粒が太陽になり
地を貫いてはかがやいていた
空に届かぬものと
地に届かぬものとが手を取り合い
壁を巡りつづけるものの目に光 ....
君が見ている
みんなぐるぐるしてるその中で
ひゅーん
ってキリモミしてるのが
僕だよ
僕なんだよ
あれが僕なんだよう
いや
そうじゃなくて
やっぱり僕は
明日もぐる ....
ここから出なくてはならんのである
いつもよりは前向きな気分なのである
なんとかせなならんのはわかっているのである
何をどうしたらいいのかもわかっているのである
こんなことしてる場合でないのも
....
ぽっかぽかの
日干しされたふとん
お日様のにおいが
ほんわか
あたたかくて
心が
溶けてゆくみたい
そんなふとんを
頭まで
すっぽりと
かぶったら
その日の
嫌 ....
いろんな花が咲き乱れている
春なのだ
少し眠いかな
あまりにも花がきれいなので
驚いてみていたら
少女が私をあざ笑うように見ていた
たまらなく悲しくなった
花は枯れていく ....
マジマジと目の無い目を剥いて来る
いくつもの腕の無い腕が迫る
からみつき離れぬ脚の無い脚
ほころびた布切れ身に纏い裸足
クメールの微笑みいっぱい湛え
絵葉書 ショール 竹細工 切り絵 ....
世界の偉い人達が 島に来た
この国の偉い人達は おおわらわらしい
島の偉い人達は 自慢げで
でも
愛する僕の家族は いつも通りだった
島にとって 大切なものはなんだろう
この ....
そこにプールがあって曙と泳げる。
肥満体おどらせて水飛沫をあげる。
可愛くてたまらないまるで嘘のような
滑らかな褐色の肌をしたオンナ。
残された人間の時間感じながら
オトコの命の ....
三月九日午後四時時四十五分
僕は友達に会う約束を破られたので
しょうがなく家まで帰っていたら
前方の空 遠く彼方でカラスが堕ちていった
南無。
思ったのは それく ....
ありがとう
ありがとう
たくさんの思い出を
ありがとう
ごめんなさい
ごめんなさい
たくさんの失礼を
ごめんなさい
さようなら
さようなら
また会う日まで
さようなら
....
ぬくもりは、いつも
土の匂い 木の匂いで出来ている
どれほど年老いても、銭湯の湯気の中
その存在感には
富士山も
霞んで消えて、行くばかり
角材を担ぎ上げる姿 のこぎりをひく横顔
....
まだ
遠いところにあるようです
いつもぼくらからは 何かが垂れてきてしまって
どうしようもなくなってしまうのですが
雲が浮かんで ため息が白い冬のせいにして
久しぶりに知る その気持 ....
冷たく、重い空気の中
青空の下、広がる寒さに窓を開け
私はただ、春を告げる風を待つ。
その目は空を見つめるばかり
見えない何かに追い詰められ
見えない何かを常に恐れてる
{ルビ孫娘=わたし}の声も届いているのかいないのか
間違いなく{ルビ嫁=かあさん}の声はもう届かない
....
まだ明け切らない静けさが、寝苦しかった空気を風に乗せる
この町の朝は早い、大きな篭を天秤状に担いだ女性が傍らを通り過ぎる
現地語の上手く話せない僕は、取繕った笑顔で「おはよう」と呟いた
彼女たち ....
“おかえりなさい”と
風に揺れてる 桜草
思わず 微笑みかえしてしまう
不思議な春の魔法
夜空になみなみと星を注ぐ
暗い夜空が明るい形を描くまで
月に近い屋根の上で熱いココアを飲もう
夜空からこぼれる星屑をコップに受け止める
僕の傍で
黒目が星をうつすキャンバスになる ....
しとしと しとしと
私の心に降り続ける
神様の涙
いつまでたっても
降りやんではくれない
意地悪な涙
どんどん降り続く涙が
水たまりになって
私の心にいくつも
鏡をつくった
....
冬の陽は降り
地は紫になり
雪は一言に昇る
翼は一瞬を負い
朝を蹴立てて
音は姿を撒いてゆく
雨のつづき
戻らない色
薄目をあけた午後の
窓に映る抱擁
すべ ....
なんとなくの予感が外れ続けて
はずだったのに
ですぎていくことが多い
僕は全てをそれなりにうまくこなして
相応の評価を浴び続けるはずだったのに
と思いながら過ごすと
現実はぜんぶ見当違 ....
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