もう、手の届かない
懐かしい季節に
向かうようにーー
クレソンをひとくち
レモンもバニラもお好みで
そんなふうに朝を過ごしたら
天気は良好
青りんごをポケットに入れて
森へ出掛けよ ....
赤は止まれ
青は進め
黄色は注意
生まれて初めて知った
極めて普遍的な社会ルール
それは母が私の手を握りながら
真剣な面持ちで教えてくれた
その日パシフィックノースウエスト地方を吹き ....
(ボクめせん)
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でテレビがおわる
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でゲームがおわる
がまん がまん
オシ ....
また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだ ....
ごめんね
じつはわざとなんだ
悪気があったんだよどっかで
そう
突き詰めると自己肯定したいだけなんだ
って
ほんとのところ
「言い訳」なんて
....
体脂肪10%につき
5万円を徴収するという
体脂肪税法案が
国会を通過する見通しとなった
国会周辺では
これに反対するデブが
大規模なデブ行進
もとい、デモ行進を行い
道幅を一層狭くし ....
それから
すべての君の中から僕のすべてがいなくなってしまえばいい
それから
ふつうになにげに生きてゆく
それから
今日はやたらと月がきれいに見える
とかは気のせいで
ふつうに ....
それから
その絵本の背表紙はすっかり
すりきれてしまって
そんなことではなくても
胸にかかえて
ときどき泣いてしまいたくなる
くるくるまわっている
のは
だれだ ....
人の大事な気持ちは どこか大切な処で静かに呼吸をしている
多分 処理なんて出来ない しない
劣っているなんて 億劫だ
途上だから 親しみ歩み近づいてゆく
大事な気持ちは臆病に ....
そろそろ 準備はできた頃かな
心の準備なんて本当は要らない
君が時間をかけたいなら
合わすしかないから
待っている
待ち草臥れない音楽を流しながら 中秋の名月には準備できているよね
....
TOKYO
小さな文字が
大写しされ
会場が
街が
歓喜で満ちる
2020
TOKYO
私たちは
皆どこかで安堵する
(そうか)
(とりあえず)
(そこまで未来は続くら ....
昨日と同じように
夜の匂いが近づく
錆の匂いに震える
夢に怯えた
どこかの子が泣くよ
夢を追えない
労働者が泣くよ
霧の真似をして
肌を濡らす雨が
お前た ....
ひんやりとした
季節になりました
誰かが
口にしなくても
もう
夏ではないのです
あなたに
やさしい気持ちで
メールを返し
そう
口にはしないけど
自然に終わって ....
僕は世界に愛されているのだろうか ずっと不安だった
母の瞳の中に 僕はいたのだろうか そしてあなたの瞳のなかに
それらは僕の生を映す鏡 だからずっとみつめていたかったのだ
おなじものをお ....
夏の宵 風鈴さえも物静か 誰に別れを告げて過ごそう
すべてを溶かして夏が逝く 遠く僕らを置き去りにして
朝顔にそっと問いかけ返事待つ あの恋の行方こころの行方
短信の むこうに見 ....
あの月をおぼえている
かつて輝いた太陽を知っている
その手に触れたものも
触れ得なかったものもぜんぶ
それは、
緑陰にそっと揺れていた
真昼のしんとした光を浴びて
それは、
あ ....
今日はコーヒーショップで
売買契約を結ぶことになっている
しかしコーヒーをひと口飲んだ途端
売るのだったか買うのだったか
金額はどのくらいで
そもそも誰と何を売買するのか
きれいさっぱ ....
一歩
踏み入れて
安全を確かめ
もう一歩
入って
どうでもいいことを
しゃべり
そして
いきなり
足が
泥水に
掬われた
そこは
ぬるま湯
腰まで浸かったら
案外
気持 ....
がたたん
ごととん
外は
いつのまにか暗く
ここまでは来たことがある
という駅を通り過ぎて
全く
知らない場所
予想通りの
小さな駅
どこで降りても
スーパーがあって
コン ....
母親はいつも重い
遠くても
近くても重い
あなたをおもうとき
いつまでも私はこどもで
あなたはきりりとしている
げんきでいてください
なんて
いえないから書く
いえないからた ....
笑いと涙までの時間 短めで 子供みたいな二人 いつまで?
お食事とお酒は別のものを頼む 品数2倍 話題も2倍
ブタが可愛いと思える二人 でも 食事で油断しない女の子 ....
嫌われたい人にきちんと嫌われたい 不毛な延長を断つ一言
憧れを憧れのまま凍らせた世界が 刻む 時を 聞く
敵は敵らしくせよと言いたげな君 不在者に向けた呪詛が膨らむ
....
ぐるり、と周りを見回してみた
遮断された思考回路
崩れ落ちた自信とプライド
夢中で追いかけているうちに
何を追っているかも分からなくなった
ぐるり、と周りを見回してみた
逃げる ....
右足が重いと
おもっていたら
いつのまにか
根が生えていた
しかたがないので
歩きまわる
根をおろさずに
....
造られたのだ
望んだ訳でもなく
花の像に似せられて
花の代わりに飾られて
その美しさに比べられ
蔑まれては
やがて飽きられ捨てられる
色褪せても尚
枯れることも許されず
土に還る ....
モテる薬の研究はじめ出来た頃には百五歳
あたたかくなり
さむくなり
三寒四温、
ひたひたと通り過ぎていく
少しずつ少しずつ
軽くなる空気、
匙でもきっとすくい取れないほどの
柔らかさ
季節の帯の端と端を繋げ ....
何のために作られてたか定かではない
もうとっくに誰も君の事なんか
忘れてしまっているよ
トーテムポールが森の中で
うんうんうんうん
あいづちあいづち
いつも何か言いたそうな顔ばかり ....
二階だてのバスに乗ってははしゃいだり僕らの春は滅茶苦茶みたい
遠くには秩父連山赤城山筑波山まで微笑んでいる春
圏央道ところどころがつながってまるで僕と君みたい
四条河原町に立っているのは
みんな寂しい人なんやね
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