さみしいね
そういうと君は黙り込む
まるで口をひらけば終わるみたいに
はっと顔をあげるから
僕はたちあがれない
まるで夜が明ければバラバラになるみたいに
僕らの手はなぜ
こんなに ....
私の胸の
奥に手をいれて風がなく
どこからの風か
不安の風か
震えながら抱きしめる
私のいのちが
かきけされない今は
この震える風が
どこからきていようと
一身にうける
....
朝焼けをふたりじめして。
舌に乗せたらいいよ。ひかりのバター。
とけるものは。ぜんぶさみしいから。
すきなもの。屋上にあるもの。
給水塔。ふるい排気ダクト。
埃の匂い ....
ブランコが
できるようになっていた
そのかわりに
わすれてしまった
ブランコが
できないということを
できないことの
くやしさを
はじめから
ながいみちのりが
あるのではない
きょうといういちにちの
くりかえしなのだ
たとえにちじょうでも
ひにちじょうでも
のりこえて
ふりむくことができた ....
空車、と書かれた
駐車場の表示を見て
娘が空を見上げる
もちろん空に
車などあるわけがない
雲しかないね
つまらなそうに言う
娘よ、きみには
遠い昔のことかもし ....
この青い青い青
温かいてのひら
笑いかける
泣きたい時はそっとお泣き
笑いたい時は空に向かって笑い
いつもいつも見てるよ
ひとりぼっちだって思い詰めた日は
少しくらい浸ってもいい
また ....
「幸せ」と云ってしまえる自分に驚く
「幸せ」と云われたらきっと
私の胸はかすかに痛むのだろう。
「失いたくない」と思えば思うほど
「失いたくない」と云われたくなくて
だからお願い、何も云 ....
今宵はヤケに月が綺麗なので
この酒を月で割ってみる
杯に波々揺れる金色の月
軽く指で掻き混ぜ 杯の中で朧月を作ってみる
しんと静まる夜更けは 安らぎを奥深く提供する
また酒が恋しくな ....
ひからびたせと
よどんだふち
ながれないみずは
ふはいしゅうをはっし
もはやかわのていを
なしていない
きみはなにが
ほしいのか
みずか
ながれか
....
にくしみを
やさしさに
かなしみを
あいにして
ありは
いきている
たとえ
ふみつぶされても
しろい紙のうえで、
こごえている、
星や、銀河はここからはみえず、
きのう脱捨てた靴下のように、
夜がくたびれている、
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう
恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう
降り注ぐ光のままに ....
空が褒める
山は照れる
山の火照りが空全体に広がっていく
朱鷺色レンズが激しく反射し
私は目を細めながら
喉の乾きに気付く
言い伝えでは明日は雨だ
いつか
ひとになるために
かぜとなり
はなとなり
ときにはきみの
ほおをながれる
なみだにさえ
なりました
食と職
働いて食べること
ショクをもっと自由に
無と夢
一日一生
ムを呼ぶ睡眠
血と地
地縁血縁
チヂみだれ
哀と愛
愛する哀しみ
アイいれたがわず
詩と死 ....
野に咲いていた
赤い花を
むしんにむしっていた娘に
わたしは言った
かわいそう
花さん、いたいいたい
白い花さん、いたいいたい
赤い花さんも、いたいいたい
....
すきなのかな
それは
淡い淡い
不思議な言葉
未知なる世界が
どこまでも広がる
すきなのかな
それは
甘い甘い
魅力的な言葉
夢の様な世界が
空高く高く伸びる
....
メールをうつ
さみしいから
オンラインになる
さみしいから
パソコンをつける
さみしいから
死にたいという
さみしいから
オナニーする
さみしいから
君のこ ....
誰もいない部屋で
私ではないと… 目をこらしている
一人だった… 言葉をなくしては…
誰とも 声を 私は交わさず…
出ていこうとする… 一人ぼっちの世界だった
典型
もともとクリスタルだった
もう今じゃ
大地に還ったり
海に還ったり
無に還ったりして行った
キャッチャー・イン・ザ・ライ
グラン・ブルー
キャンドル ....
君の目を見て
嘘をついた
その日の夢の中で
君が泣いていて
君も嘘をついていたことを
知った
あたらしいいきもの
試験管からこぼれ落ちて
僕は生まれた
均衡のとれてた世界が
僕という形のいきもので歪んだ
鏡を覗いてみる
ふーん、これが僕なんだって
欲しがってた
羽もひれ ....
そこは海
きっと海。
仮分数の真下で立ち尽くしている
わたしのしらない重力
砂地は生きもののように足を奪う
サークル、
サークル。
終わりと始まりの区別が消えて
星たち
しずかに ....
ナナ、もうきみが
誰とも性交しなくていいように
全部塞いでおいたからね
安心して
そとをあるいておいで
チョコレート
は
みかた
蹂躙
は
てき
メンソールシガー
は
みかた
制限時間
は
てき
おとこのこ
は
みかた
おんなの人
は
てき
....
いつか
大きな災いがやってきて
世界が赤く燃え尽きたとしても
いつか
大きな悲しみが溢れ出て
世界が闇に閉ざされたとしても
どうか その先に
たったひとつの希望の光が
....
ほどけたこころを
むすんでつなぐ
針と糸で縫い付けるようにさ
お近づきになって
身だしなみ、整えてくださいますか
暴風雨が窓をたたいている
遠くで何かが燃えているみたいだ ....
母が買ってきた食器を
祖母は押し入れにしまう
母はそれに気づいて
いるがなにも言わない
祖母はかちゃりとも音を
させずに食器を移動させる
祖母の顔は真っ白で
太陽の匂いもしない
....
君に好きっていった
公園で好きっていった
自転車を押しながら好きっていった
手をつなぎながら好きっていった
キスしながら好きっていった
キスしなくても好きっていった
太陽のしたで好 ....
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