僕はおさなかったので
ミッキーマウスが
消防夫だったりした
脳膜がメンマになって
少しおかしかったりした
火星人に思いを馳せると
くしゃみが出そうだった
トタン屋根が何かを
....
月曜日
何もする気にならなかった
朝の授業をさぼった
明日の予習を済ませて
午後から散歩に出かけた
音楽を聴きながら
大学の中の公園で
ぼーっとしていた
木立の間を風が流れていた
土 ....
風が椅子に座っています
姿も見えないし
形もわからないけれど
確かに風は
椅子に座っています
そして別の風が来ると
席を譲り
静々と、時には荒々しく
立ち去っていきます
次の新 ....
たからのやまは
からだのやま
こえたからかに
のにひびく
からたちの
しろいはなが
あおいとげに
まもられて
からだのやまは
たからのやま
みがなるまで ....
少し冷たい雨が去り
やけに光った星がある
あなたはもう眠ったかしら
優しさなんかじゃないけれど
ぽおんとほおる この気持ち
できれば届いておくれよと
山吹色にみえている
私のすき ....
日々、邁進するヒトの社会
縮こまる手足を折り曲げて。
ひびわれる窓ガラスの何万枚
千千にちぎれる宇宙の意が儚げで
ただれるような煩雑さの中
かがんで感覚の確かさを嗅ぐ。
唯、意志す ....
今日は本当に疲れた
死にたくなってくる
あの子が好きだ。
死んだらどうなる
世の中 バカばっかり
きんじょのえきに
エレベーターができていた
めずらしいので
のってみても
たどりつくのはいつもの
かいさつぐち
めあたらしいものは
なにひとつない
ただ、エレベ ....
僕らはよわっちくて
久しぶりの
悲しみ攻撃に
ぼろぼろになっちまった
だけど
からっぽになった所に
いつのまにかじわじわと
ゆるいキモチが
染み出てきていて
たぶんそれが
僕ら ....
やさしいものをみたくって
あるいてかわをわたったよ
ねじをまくのをやめたから
おとはとまってむねはしずか
くうきはずっとあめのにおい
すいこむけしきがとうめいになる
かみからお ....
やべえ、いきる!
そうさけびながら
まだわかいろうじんが
かいだんを
かけぬけていきました
ひとはあれくらい
いきてると
ひとつやふたつ
おそろしいことにも
そう ....
文字に手をかけて
広げてゆこうとするけれど
かたくてとても広がらないから
あきらめそう
旅にでたくて
背伸びしていた
わたしの中に
あるはずのない世界に
わたしはいない
....
冷蔵庫を開ける
誰かの靴が入っている
良く冷えている
冷凍室に移し替える
靴の持ち主が困らないよう
もとあった所に
その旨のメモを残しておく
それから靴以外のすべての中身を出 ....
風が走っている、この胸の中で
指先で奏でてゆく夜の心音
私を呼んでいる遠い声が
耳もとでこだまするたまゆら
そっと指をのばす、頬に触れたなら
夜明けのはじめの光が胸へと届く
あなた ....
いろんなものをもってるわ
なのにまだ足りないの?
雨が打つ
まんべんなく
大事なものがかけてるなんて
わかってるよ
雨が打つ
まんべんなく
だったらあなたはもってるの? ....
私はもう、おんなでいたくないのです
*
夜中になる前に、
私がまずすることは
夜の空気に右腕を入れること
ぐるぐると掻き混ぜると私と化学反応をおこすので、そこでゲル状にな ....
いまは
なんごくのきのように
ぽつりぽつり
はまかぜにゆれている
あんなんたくさん
かたをよせあい
いきていたのに
ながされた
まつのき
ながされなかった
....
蛍光灯のタイムラグ
青白い光の中で
斜めになった椅子の
神経質な輪郭に
目を瞑る
あの頃はまだ
山ガール
なんて言葉
なかったかなって思うんだけど
あのひとはなにか
そんなニュアンスの言葉で
自己紹介したんだ
二つの同人誌グループの
合同の飲み ....
野原に言葉を放したい
青空の下で
道行き人に言葉を預けたい
街灯の下ででも
わたしは「わたし」を捨て去りたい
「わたし」が
わたしを拾う時まで
わたしは
「あなたがた」の影 ....
幼げな微乳を
触られないまま
カミサンは先に
ふて寝した
隠した性欲を
処理しようとして僕は
押し入れからDVDを出した
音消しながら
背後気にしながら
Eカップ女優を求めて
君が ....
無意味の中で
意味を求めて言葉を書き連ねる男
技巧は太陽の熱にやられてくたばった
ユーモアは強い風に軽々と吹き飛ばされた
そして想いは雨に溶けながら尚も成長を続けている
ペンが走る前 ....
張り裂けそうな胸を抱えたままで
整然とした街を歩いていく
君を失ったからではなく
単に空っぽな未来を想って
痛むこの胸がつらくて
知らないうちに奥歯を噛みしめている
若者たちが集まって ....
雲は水でできている
空に浮かんでいる
風に流されている
海から来て
山に引っかかる
雨を降らせる
雷を落とす
人間も水でできている
地を歩いている
群れに流されている
子宮か ....
一日忙しく働いた後
たった五分でも本を読めば
のんべんだらりと過ごしつつ
一日一冊本を読むより
開いた頁の一行が輝くかもしれない
毎日なんにも悩まずに
呆けた顔をしてるより ....
牛込神楽の夜に帰りたいと思いました
新宿西口から練馬に向かうバスの中でそう思いました
氷屋がアイシーンと言う煙草を吸っていると言う
笑えない冗談を目の当たりにする下らない日常が
右斜線を通 ....
橋の上で兄は星を数えていました
すぐ横で私は橋を数えていました
星は数えきれないほどたくさんありました
橋は私たちのいた橋ひとつだけでした
何度数えてもひとつでした
それが兄と私 ....
あらゆる事象は往々にしてひとつの地平に閉じ込められる。
*
時間に切れ目を入れるようにして生活が綴じてゆく。
*
猿の脳みそを吸いだした。
*
斜視の女が窓のす ....
さいごのロボット
僕は生まれた 世界が終わった次の日に
きっとそう プログラムされてたんだと思う
壊れた研究所で 目を覚ましてすぐ歩き出した
きっとそう プログラムされてたんだと思う
....
アールグレイの薫りが
そこはかとなく漂う部屋に
雨のそぼ降る初夏の午後
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40