ひとつ、またひとつ
豆腐が落ちていく
月のテーブルから
+
引継書は、深夜
透明に
積まれて
+
陽だまりに
トマトの痕跡
使わないのに ....
美容院の新人の男の子のユビが胃がすくむほど冷たくて
君のゆびの冷たさを
記憶に呼び起こされた
抱きすくめられると不安になって何も話せなくて。
ごつくてすらっと細い指がなぞる ....
昨日が楽しすぎたから
今日こんなに寂しいわけじゃない
嘘をつくのだって
ほんとうのせいじゃない
雲が浮かんでいるのではなくて
空が高いだけ
そうやって
そらをはみ出していく
そうだろ ....
おさけもたばこも
やめられなくて
だらしないと
ひとはいうけれど
わたしとおなじ
いきかたをしてみなさい
できなければ
さりなさい
ひえいざんで
やかれたこどもも
いたのだろう
ゆうふくすぎるということは
まずしすぎると
おなじくらいつみなのだ
おかねはひとが
いきるためのどうぐ
そのちから ....
今日は夜がいつもより
地面に近いね
きっと人に用がある
そう思うんだ
夜だってひとりじゃさみしい時も
あるよね そう思って
この重いくろに耐えている
いつも気づかないことに
気 ....
つかまえれるものなら
つかまえてごらん
ほんとに すきなら
ほんとに だきたいのなら
つかまえてごらんよ
あたしという かぜ を
うちゅうがうまれる ずっとまえから ....
ここに子猫の首がある………
どうせ君には
私の言葉は
わからないだらう
朝に星の欠片をみつける
きらきらそれが太陽のこであっても
緑もひかる
風もひかる
あなたにみえる風のひかりを
あなたの目を借りて私もみたい
幼児が両手を伸ばして歩くのは
風が ....
踊るフラグメント
回るテスタメント
それでも止まないグリコーゲンの行進
いくら泥濘のグラウンドを藻掻いても
15歳の猫背の老兵
全ての記号を使って叫んでも
ボナパルトにはなれない
不 ....
こおりがとけてゆく
こおりがとけてゆくから
わたしははんしんはんぎの
ありかたをそこにながす
はんしんはんぎはうみまでながれるだろう
そしてなにか
おおきなものをみつけるだろう
そし ....
夕暮れの町に水が流れている
ぱしゃぱしゃやってる老人
水色の傘をさしている
ゆっくりと流されている
くるくると回転しながら
誰かが落とした躑躅の花
睫毛のような雌しべ
雌しべの長い女
....
ポタリと
命の落ちる
道の上
アスファルトから
立つかげろう
コンクリートのすきま
小さな草が生えている
地下にしみた
血を吸って
ポタリと落ちた
命を吸って
屋 ....
{引用=
おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている
夏は、ここで
行き止まりだった
....
もう、
なにものにも
負けませんように、
進んでいけますように、
雨あがりの空に
虹をみつけたら、わたし
いつの間にか呟いてた
誰に
言わされるでもなく
わたし、呟いてた ....
あさめざめると
あたりまえのあさが
おとずれている
しんでしまえば
えいえんにおとずれない
あさだ
べんきょうちゅうのカラスが
けさもなかない
としおいて
ぼ ....
夜がうごいた
なまぬるく
あかい月のためらい
翅をひろげる雲たち
思い思いに
駐車場わきで
黒猫がスーパーの袋かじってる
貧相でうすよごれて
でもどこか清楚
みずみずしく香るけだ ....
君の胸のドアをこじあけ
わたしが眠るスペースをつくる
何度も何度もふみならして
あなたがなにもいわないうちに
丸くなって眠る
あなたの温もりと
私の体温がとけあって
ひとつになればい ....
何のために生まれてきたかなんて
突然わかったり
わからなくなったりするのだろうね
そう木がいいました
木は私が生まれる前からそこにあったので
私が生まれた時から泣いているのが
おもしろくて ....
硝子のレコーダーから
音楽がきこえる
雨のカフェでホットチョコレートを
注文して
指先で素数を作る
未来もあまり変わりないなと
思ったりする
なぜこんなにも
ひつようのないものが
そぎおとされて
ひつようなものだけが
せかいをこうちく
してしまうのだろう
なぜこんなにも
ひつようのないものが
なきさけび
....
ひゃくえんしょっぷで
いのちをかう
ひゃくえんですくえる
いのちがあるとしんじて
きみのみせはたかい
だからひゃくえんしょっぷで
いのちをかう
きみのいのちはたかすぎるか ....
女教師 と 女学生
『 遠足前日 』
* : * : * : * : *
先生:ってことでね、おうちに帰るまでが遠足です。 なにか質問がある人ー
生徒:はーい! ....
雨音にかき消されて
声が届かない
思いの半分も
伝えられない
それでも
きみは
苛立ちもせず
静かに
雨が止むのを
待っている
「心が透けて見えたらね」
そんなの
きみ ....
Surely beautifully shining and
Never caught in your hand
Tears are sinking in my heart
Tomorr ....
不安って食べられるかな
自分の不安を自分で
やっつけたい
足元がすーすー寒いから
ふかふかの靴下みたいな言葉でうめる
平気なふりして
笑ってみるの
口角にーっと上げてみる
....
君を言葉で表すなんて
もう僕には
出来ない
すでに
君は詩そのもの
ネックレスは
詩集の栞
香水は
ブックカバー
僕は何度もページをめくる
潤いの瞳と唇
柔らかな人差し指 ....
夜中にひとり食パンをかじる
バターをつけないで
ジャムをつけないで
電気もつけない
冷蔵庫の前にしゃがんで
はみはみ
虫みたいに食べる
どこか外国から船に乗せられて
海をこ ....
僕たちは
太陽をかついだ
高く とてつもなく
高いところまで
持ち上げて
その中に入りこんでは笑った
僕たちは
それがいまなのだと信じた
ひたすらに信じながら
じぶんじしんの
中心 ....
発せられた言葉は
新しい意味など示さなかった
そして いつまでも そこに
言葉は確かに存在した
人は どこまでも歩きまわった
何もないこの荒廃した世界の中で
一日の食べ物を 求 ....
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