自分勝手な魂を持って
波打ち際を歩きます
自分勝手な魂に
潮風が沁みてゆきます
自分勝手な魂は
都会が怖くて逃げ出しまして
自分勝手な魂に
希望は遠く彼方にしかないように思え ....
ゼロからの徒歩
{引用=「ちょっと休憩」}
かき混ぜるスプン
スープはさめた
温めなおしはいかが
ミンと名づけた靴
スイと名づけた ....
紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために
真珠とり
真珠とり
....
苦しみのはての袋小路
ブロック塀の上には
黒い緑の眼をした
猫が歩いている
狂を発した人間に
この都会は冷たい
眠れずに何度気だるい
朝を迎えただろう?
....
今日電車のホームで君を見たよ。
君は向かいの電車でつまらなそうに
流れる線路を見ていた。
どうしたんだろうと
メールしようかと思ったけど
なんて書いていいのか
分からなくて
閉じ ....
下る音階
広がる和音
底のほうへ
そして天上へ
突き抜ける
拡散していく
瞳の意識
夕映えの宇宙
通り抜けていく
わたしの体
いきたい
いきたい
いきたい
そこへ
宇宙へ
....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて
波間に浮かぶ言霊たちは
いちばん美しい響きを求めて
たがいに手を伸ばしあう
砂浜に打ち上げられた巻き貝は
もはや亡骸となり果てて
右の耳に ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
世の中一寸の先も何が起こるかわからない
良い例が、サッカー
10分の間に物語は激変してゆくのだ
それは日常生活にも当てはまると思う
何気なく道端を歩いていたはずなのに
突然、何かが落ちて ....
真夜中にせんたくものを干すきみの着ている服も濡れている手も
立ち直りかけてるきみに悪いけど闇を失くしたきみは抜け殻
伸びる影のびないひかりの集う朝みえない牧師が祈りをサボる
....
君の歌
聞きたかったのに
おいしいお酒も
もっともっと
一緒に
もうすぐ
夏が来る
青い青い空
見上げるしか
君の歌は
どこ?
たくさん たくさん歩いて
もう一歩も歩け ....
すべすべしたビロードの服
きんぽうげは穏やかな黄金の波のよう
美味そうな花粉をぶら下げてお帰り
よく唸る翅は迷わないため
眠る赤ん坊の邪魔をしてはいけない
汚れたくないの
なんて言わないし
悪臭漂うこの街で
深呼吸さえ出来る
誰に摘み取られることもなく
踏み潰されたって構わない
ひどいこともたくさんしてきたのだもの
....
花ならば君を待つのも安きこと
ラベンダー蒼きこのうすにおい
この想い忘れてしまえマーガレット
花びら散らし涙にくれる
ローズマリーやさしい罪は思わせぶり
....
千代紙こうてくれへん?
匂い付きのやつやで。
嗅ぐと、鼻の奥んとこが、ジーンとなんねん。
何や懐かしいこと、思い出せそうで、思いだせへん
あわーい陶酔があんねん。
千代紙には。
何でやろ、 ....
俺は決してヒーローじゃないから君を胃腸炎から救えやしない
「幻聴もあなたの音楽そうだよね。だから信じていいんじゃないかな」
「もうこれは切り離すしかないですね」競馬が趣味の医者 ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる
おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている
圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
僕達の造るものは
猥雑で 見苦しくも見えますが
汚いものでは 決してないので
どうか 愛でてあげてくださいね
やっと、
波が来た。
ヤセイに満ちた、
笑う波。砕けてさらに、
あざ笑う波。
細胞
細胞が闘えという
波と
海と
アフロのカマレラもニカッ
と
親指立てる
走って帰って ....
「えくぼ」
六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?
穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
おいっこが吐いた
顔を真っ青にして熱を出して寝ている
幼稚園があんまり嬉しくて
むちゃくちゃにはしゃいで
遊びすぎたらしい
じぶんの体力やエネルギーの限界を知らないから
倒れるまで遊んでし ....
夢の中で私はお花を買いました。
汚い服を着た少年は
嬉しそうに私を見つめます。
淡い小さなカスミソウに
水玉模様のフィルムをかけて
少年は私に手渡します。
....
そびえたつ高層の夜 窓の灯がきらめく風のときめき
シャンプーの匂い はこばれて 気づくのは、家畜の暮らし
まやかしの自由に弄ばれて、泣いた さっきまでの記憶さえも
失う、それぞれに 無関係な ....
眠れぬ獅子は途方に吠える
荒地に吹く風は砂嵐
帰る場所もなく
当てもない道中
険悪にサボテンは棘を纏う
花は咲かす気配を感じれない
星と月は水面に姿を写す
舐めては微かに揺れ ....
君はまだ
あのねっとりとした
亜熱帯の密林を
アロハシャツの袖
ゆらゆらさせながら
歩いているのか?
お父さんには会えなかった
お母さんには無視された
お姉さんには追い返された
....
海で眠る
大きい貝は見えない
貝は大きいから見えない
貝は大きいから見えない貝だから
大きい貝だから見えない貝だから見えない
身体ごと
くるりと曲げてしまってしまお ....
満月ぽっかり
いや
ぽっかりじゃないな なんだか
もっと
おろーん
満月おろーん
いや
しかし
おっきいなあ今夜のは
なんだかおまえに食べさせたい
イグアナに
イグアナの ....
突然、閉所恐怖症ですか、
と聞かれ
慌ててそうじゃありませんと
笑顔を見せる
笑顔を見せたって
MRI撮影室の
空洞の中に居る私の顔は
見えやしない
ただ、
むっつりした顔で答えたら ....
誰も聞いていなかったから
寂しいと叫んだ
叫んだあとで
どうして誰も聞いてくれないのと泣いた
どうしてと泣いていたら
君が聞こえないようにしているからだよと
私が言った
そうだったねって
私は笑った ....
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