すべてのおすすめ
おんなはおとこをつれてわたしのいえにやってきます
あるときはひげのひと
あるときはとしのひと
あるときはすごくやさしいおとこでした
おんなはわたしをくらいへやにとじこめます
それがさいん ....
無口な果実は震えた声でこう云う
「果てで殺して」
泥の味が地べたに横たわっている部屋の空気
ベッドに寝そべったあなたはこう云う
「憎くって仕方ないんだ」
生憎愛想のないわたしはもうち ....
あなたは私の白い首を優しくそれは優しく包み込む。
かあ弱い憎しみや恐怖で
碧く細い枝先のような血管が浮き出た両腕静かに伸ばしたと思えば僅かに怯えた力強さで絞めようとして
些か戸惑うのですその漆黒 ....
あしたもし 目が覚めなたなら
この腕がなくなっていたらいい
あなたばかりを覚える腕が
憎らしい
傷だらけのくせに
健康なの 愛を知っている腕は
白いだけのこの腕を
....
愛という甘美な束縛に身をゆだねることで
ひとはみずからくるしみを選ぶのかもしれない
虚ろな自由よりは五感を満たす快楽が
存在の証となることを
本能的に知っているのかもしれない
国が侵 ....
今日はなに話そうか
そうだねえ
知ってる人は知ってるだろうけど
変なことがある
ビッグバンのとき
なんて気軽に使う言葉
ちっともわかちゃいないけど
そのとき極小のところに
極大 ....
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか
古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
あさひばり月の弓から放たれて飛び
川面より一筋のひかり朝靄を切る
遺伝子のテーマかかえて君を想うその先にあるのものはなに?
奪われしすべての愛に花を手向けん
回答をさがしてみよ ....
夜風 わたしの葉脈まで冷やすのかしら
目がさめちゃった午前二時半に キャロットは甘い月の形をしているわ
ぺしゃんこ わたしの心臓 野良猫の肉球みたいにふやけている
月明かりが
充満 ....
よわよわしいこの体温は
しずかに一瞬でいいよ
おもいだしてくれたらいいの
寄りかかる風に目をとじて
木々の葉のざわめきは
あの甘い時間がゆっくり
おとずれるようなそんな
胸騒ぎみたい ....
『狂おしいほど』
『気が触れそうなほど』
どんな言葉を費やしても
陳腐にしか聞こえない
早くなる鼓動
貴方以外に向ける意識なんてもったいない
ただただ呼吸困難なの
全神経 ....
春の公園に満面の笑みが咲く
お花模様のワンピースでタンタカタンタカ
お砂場までもタンタカ行進だ
お日さまが照らす世界はこんなにも広い
驚くことはあっても怖いものなど何もない
ほらほら お友だ ....
風は飛んでいた
どこまでも飛んでいけた
そんな自分が誇らしかった
風は飛んでいた
飛ぶことしかできなかった
その運命に涙を流して
嵐を作った
風は飛んでいた
嵐を作るの ....
【命の島】
瀬戸内の生温かい風の中
虫篭を編む
白いビニール製のストローを器用に組み立てて
円錐状の虫篭を編む
昔は 葦だので編んだらしい
ストローの語源は ワラだと言う ....
ときどきは会いたいね
ところで思うんだけど
藍色の自分がいて
それは愛にもなれるし
遇いもつかめる
2音素のaiという母音は
子音を携えて色を変えてゆく
それがあなた
....
線香花火の煙の匂いと
遠く遠くで垂直に昇れば
散らばって消える花火音は
静まり返る部屋で眠ってた私を
呼び覚まそうとするから
林檎色のワンピースを着て
底の低いミュールを焦りな ....
雨の匂いがする
川沿いを下る道すがら
梅も桜も木蓮もまだ閉店中
一度に咲こうとしめし合わせているのだ
雨の匂いがする
....
好き
嫌い嫌い嫌い
嫌いになれないくらいに
あなたが好きだから
やっぱりすごく嫌い
なんだか癪にさわる
もっと全力で
私を好きになってほしいから
鏡 ....
まず魂のくせを矯正します
今世のくせも後で清算する予定ですが...
とりあえずお世話になった想いの数々に手土産のひとつももたせて
さっと湯通しをします
その際肩をおもみしても構いません
....
詩人が真実を語ると
人は「黙れ」と言う
詩人が美について語ると
「あいつは現実を知らない。空想的だ」と人は言う
君よ 真実を語ってやれ
人々の中に咲くたった一輪の花になれ
例えこの世界が壊 ....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
遠い思い出
青い海
浜辺でお昼寝
鯉の甘露煮
砂だらけのシャワー室
赤い車
もう戻らない
ふたりの時間
向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか
向い風が容赦なく
わたしを地 ....
ベランダにするりと入り込んできた花びらは
物干し竿の隅っこにぺったりとくっついたままで
当の木はもう半分以上が緑色なのに
無機質なアルミをほんのりと密やかに
しっとりとささやかに染め上げている ....
曇天から垂れ下がる梯子
見つめる君がいて(天使だった)
問いかける
帰還はいつのこと
・・・・・・
土は汚れ
川の水は濁り
かなしみの花が咲く
無口な冬の日溜まり
....
あなたの造った
椅子の
中に
大切なものが
かくされている
それは
誰も
知らない
私も
望まない
重大なものだ
私が
望まないから
知らないもので
夕 ....
そこは儚い
青い微熱 うつぶせの日記
ぼくの息づかいったら こんなにも 儚い
三つめの春が 言葉もなしに やって来るってね
だれもしらないよ
宇宙の ....
月を揺すりながら宇宙の
中空散歩の夜が落ちてきて
ショートスカートをするり
とくぐりぬける箒星の尾っぽで
果てまで飛んで行けたらなと
思うのはなぜなんだろう
かすかに星の砂を
片手 ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
大空に心を飛ばそう
美しいコトバを追いかけて
風船のようにふわふわ漂いながら
心の中に綺麗な模様を描く
それは私だけのオリジナル
私には 『 創作 』という翼がある
誰にも理解されな ....
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