木葉からもれる独り言を浴びる
風は羽をからかいながら、

ツートーンの一瞬

鳥が夕にけたましく鳴く
もし大地震が
完璧に予告できたとして
その街を走り去る
列車の運転手の心情を
私はわかるだろうか

逃げる
人々を乗せた列車が
予告された日
街を通りかかったとき
平常の時速で走り ....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って

眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない

薄まら ....
蝶々蝶々蝶々蝶々
あの街へまっすぐに続くこの道から
次々と黒揚羽が湧き立ってくる

蝶々蝶々蝶々蝶々
抜けるような今日の空から
次々と大水青が舞い降りてくる

午後二時
陽が自らの重 ....
 真っ赤な庭のハナミズキからうす赤い葉脈と生まれたての緑を含み笑いみたいに抱いた葉がニョキニョキと出始めている
 隣家の藤の花は強く匂って
 数匹の黒くてまん丸な熊蜂が空中に静止したまま動いてゆく ....
雨の家
雨が打ってゆく
ぼくは
紫の花を見ている

時間もまた
雨に流されるのだと
はじめて知った

雨の中
ひとつぶの
ガラスの破片

点滅して
今も光を寄越す
 
 
梢枝が呼んだ
寂しいひとを

眠り
眠り
時を待つ眠り

六月が来たのなら
季節は君に似合うだろう

力無く笑う
それとなく願う
百の夜が奏したルフラン
小さい
 ....
   私は
   死につつあった
   胸のあたりがすうすういった

   テーブルの上に残されたファイルや
   鳴りっぱなしの電話

   葉子の顔は
   私を覆ったままだ

 ....
気がつけば黄いろいスカーフ色あせて 汚れた畳ですましてる
み空からくだったものかと頷くも 何のコトだかすでに忘れぬ
教会の坂を覚ませる山の暮れ お菓子食べつつ耳を澄ましき
終わるとも知れぬ 電線 ....
夏、わたしのさみしさへ
はぐれた雲がひとつその影をおとしてゆきました。
青い空はわたしのものではなく
雲はしずかにながれてゆきます。
そのあわいかげにいつか はなの
しろいひとひらがあらわれ ....
深い追憶のように
眠りがあなたの肩にやさしく降りてくる
わたしはちいさな歌をつくって
あなたのそばでうたいつづける

──約束だよ
  かならずもどって来てね

(あの日 静かな  ....
おまえの右の手のひらには小さなほくろがある
小指の根元のふくらみのちょうど麓のあたりにある
おまえの手には悲しみが五つ
行き場のない方向へ伸びていて
細い消え入りそうな悲しみで
おまえは僕の ....
ごらん
あれはとても雨ににている
夾竹桃
その下に小さな蜘蛛がいて
そこにもやはり雨はしとしとと
濡れて
いるのだろうか

いい
匂いがする
眩しすぎた歌をうたえずに
鳥は地面に落ちました
 
時に捕まえられた腕の中に
忘れられた机と色彩で
画家の言葉が揺れました
 ....
秋は
透き通った声に満たされた夜を僕らのもとに運ぶ
ほら、聞こえるだろう?
稲穂の群れに
目を閉じてじっと聞き耳を立ててごらん
星の向こうから僕らの時間を歪めているアンドロメダ
小さな ....
白い雲がばらけて見えるのは錯覚ではない
夏は終わりを告げず
静かにわたしの前から去っていた

挨拶はしないことにしている
涼やかな朝の前にそらが幾らか高い

いつも薄れていく記憶の中 ....
 おぼろ月夜にみる夢を

 語るくちびるくれた人

 色なき世界に沈みゆく

 くちびるが探す静かな面影
噛み付かれながらもまっすぐに
吸わいとられる
ごむ。
メるヴぇいゆ。
夜のくうきに両手を挙げては火のような けつえきに、覆われていく あばらのやまの 影から見つめる  わたしは
あなたに
 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります

そのとき
月が出ていたのかどうか

  指先を
  差し入れた瞬間にセントエルモの火

  揺さぶってみた
  舫い綱に冷たい篝り火

 ....
 昼間、光の底に沈んでいた高原の花が光を放ち始めている。引き潮の海が磯濱の窪みに取り残されるように、失われていく光が花をわずかに濡らしているのだ。白い花は白く、紫は紫に、黄は黄に。葉や茎は暗い空気と分 .... アタシ
女の子でよかった

こんな悲しい日でも
アタシのスカートはヒラヒラ詠う

こんな悲しい日でも

太陽が眩しいのと同じくらい
君に目が眩んで
他には何も見えてなかったの
 ....
星より遠いところで
唇が光った
君がまばたくと
古い世界は滅び新しい今がひらく

午前のテニスコートに飛び交う
黄色いボールは
それが僕のパッションなのでした
火炎
   のどから
      くラいひぇン
          太陽の
             のどの奥から
               ィ矢が出る
                ....
はるはだと {ルビ赤色=せきしょく}は
愛したような西風を
ほむらのようにはんでいた 
 遠くには玄関が

歩きだされた叫びのように
かたむき倒れた墓石のように
日は駆け落ちて 落ちた慕 ....
そっと絡めた指が
恐ろしく美しかったのを
僕はまだ 瞳の奥に覚えている

隠し切れなかった愛おしさを
君の 綺麗な指からも感じていた

掴んで 離さなかったのは
その手がどこか
知ら ....
 サクラサクラ僕は行きます
 風の逆巻く世界の果てを走る走る

 花弁散り敷き足首ざくり踏み込むと
 散り散り舞い上がる幻視幻聴幻臭幻覚
 しっとりうっとりなよやかにはらはら
 しかし激烈 ....
dolce lusingand
やっとのぼった太陽のように
朝日のように眩しく優しい笑顔の君を
力一杯抱きしめて思い切り泣いた

暖かさに溶かされるように
やがて腕の力が抜けていき
全部 ....
 恋をすることは惨めだ
 倉庫の巨大な薄闇の片隅で
 段ボールの埃をはたいて
 組み立て式ペーパーボックスの
 在庫を数えながら
 君の黒髪を両手に受けて
 溢れるほど両手に受けて、顔を
 ....
 パラダイスが弱っているよ
 ああ、早くしないと
 早くキスしないとみんなダメになってしまう

 夕焼け雲の形をした船は沈み
 トカゲたちの種の命脈は絶えちゃうんだ
 僕はぐったりと射精し ....
渋滞の信号で隣に並んだ黄色い車
火のついた煙草を挟んだ女
の指には銀の指輪
薄い色のワンピースの中の腕
肩まで伸びた黒い髪
閉め切った窓の中で動く女の唇
四十がらみの女のうたう歌
ふふん ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4552)
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