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きらきらと揺らぐ山河や鳩の笛

盆踊りでは声だけが人のもの

馬鹿野郎と鼻をくくられ鳳作忌

小鳥来るわたしのかけら啄みに

雨少し。青無花果に金の粒
水際立って幸せなレースクィーン光る木の実を拾いけるかも

解体されつつある自動車のボンネットに座る漲る太腿

あれは鳥でなく鳥という言葉だと思えば悲し椋鳥三羽
冬から春へ向けて流れる川に
舟が浮かんで
こちらへやってくる

柔らかな唇の端から
したたる幼児の涎が
他愛のない笑いで溢れ出して
野山を越え
滾々と
滾々と進み行く川よ

小舟 ....
 雨水の日の夜、眠りに落ちようとしていたら、部屋の床から正体のない桃色が霞のように立ち上ってきました。それがそのまま微細な粒子になって天井へ上り、逆さに降り積もってゆくのです。
 花のような匂いがし ....
 旧ソ連共産党員の娘である彼女が
 映画で見た紅衛兵の隊列や
 そこで振られている赤旗の
 美しさについて語るとき
 地上では風が強かった
 冬型の気圧配置が緩んで
 南から温かい湿った風 ....
 僕は1限目の春光に満ちた階段教室で
 コクヨキャンパスノートを開いている
 イトーヨーカドーの文具コーナーで
 河合先輩が恋しているレジ係の女の子から買ったノートだ
 「お釣りを貰うときに手 ....
尾の長き生き物らしい。寒さとは
爪並べ指を揃へて朧かな
春の月唐突に死の淵に浮く
 早春 せせらぎが白昼の形式に挿入されている
 のさ
 
 皮膚に嗅覚をはたらかせると
 柑橘系の香料のにおいのするあなたよ
 身体を重ねて両手を握りあえば
 言葉の裏側を逆さまに歩いてい ....
 足下から小石が落ちていきました。岩を跳ねながら雑草や松の枝に当たって、途中まではそれとわかったのですが、直ぐに見失われ、激しく打ち寄せる紺碧の波に呑まれて延々と続く怒濤の音に紛れてしまいます。この道 ....  君は震えて傾いでいます
 それが誕生という時間の持つスタイルだから

 僕も君と同様に傾いでいるけれども
 それはもうどうでもいいこと

 昨日見た父の遺骨の埋葬されている墓地の
 白 ....
君がはや泣こうとしている

握りつぶされる二つ割りのバレンシアオレンジ
日本列島を雲の太股が締め上げじわりと性器が湿る

僕も泣きたいけど泣けない

フィクションの積み木がカタカタと音を ....
 昼間、光の底に沈んでいた高原の花が光を放ち始めている。引き潮の海が磯濱の窪みに取り残されるように、失われていく光が花をわずかに濡らしているのだ。白い花は白く、紫は紫に、黄は黄に。葉や茎は暗い空気と分 .... 星より遠いところで
唇が光った
君がまばたくと
古い世界は滅び新しい今がひらく

午前のテニスコートに飛び交う
黄色いボールは
それが僕のパッションなのでした
 サクラサクラ僕は行きます
 風の逆巻く世界の果てを走る走る

 花弁散り敷き足首ざくり踏み込むと
 散り散り舞い上がる幻視幻聴幻臭幻覚
 しっとりうっとりなよやかにはらはら
 しかし激烈 ....
 恋をすることは惨めだ
 倉庫の巨大な薄闇の片隅で
 段ボールの埃をはたいて
 組み立て式ペーパーボックスの
 在庫を数えながら
 君の黒髪を両手に受けて
 溢れるほど両手に受けて、顔を
 ....
 パラダイスが弱っているよ
 ああ、早くしないと
 早くキスしないとみんなダメになってしまう

 夕焼け雲の形をした船は沈み
 トカゲたちの種の命脈は絶えちゃうんだ
 僕はぐったりと射精し ....
石瀬琳々さんの右肩良久さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳩笛- 右肩良久俳句208-9-23
スズカ- 右肩良久短歌2*08-3-9
真昼の星空- 右肩良久自由詩308-3-9
雨水の日の夜のこと- 右肩良久自由詩208-3-6
雲を掲げ持てば風花が散る- 右肩良久自由詩2*08-3-4
『源氏物語』の概論の一部を学んだ日- 右肩良久自由詩1*08-3-3
寒さとは何か- 右肩良久俳句408-3-2
せせらぎ- 右肩良久自由詩1*08-3-2
崖沿いの道- 右肩良久散文(批評 ...108-3-1
僕の大切なものよ- 右肩良久自由詩1+08-3-1
君が泣こうとしている- 右肩良久自由詩206-3-12
高原詩編- 右肩良久自由詩3*04-9-1
初恋- 右肩良久自由詩7*04-7-17
さくら- 右肩良久自由詩304-3-17
Kusikezuru(梳る)- 右肩良久自由詩504-2-24
急いでキスして- 右肩良久自由詩804-2-17

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