星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女


「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」


「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
一 

 僕にとって大事なものをしまっている大きい封筒がある。その封
筒の中に、去年朗読会で年上の詩人・U さんに会った時にもらった
一枚の白黒写真のコピーが入っている。その写真は黒田三郎の ....
静かに流れる 時に身を任せ
風に揺れる ひなげしのように うたう
ひととき

背高のっぽの葉っぱの向こうに きこえる
はみんぐ

ま〜るくなって
日向ぼっこしてる きみの
となり ....
夕立や子猫の腐る竹林

重き夜や夏に狂うて血のちぎり

うたも絵も美しくあれ夏の闇

病んでなほざくろの花は輝けり

筆先に落つる泪や花ざくろ

しづけさやプールに沈む我がいのち
 ....
あいつがスペインの爆弾を落とした
私がねむっているすきに
まだ続いているとどろきに
ざらつき乾いてゆく私の舌

枕のしたに隠す靴下
あいつの彼女がきたときに
靴下を見つけて大騒ぎに
な ....
かつて高貴なひとびとは
憂き世離れた恋に身をやつし
夜空を見上げては月に思い寄せ
浜辺を見やっては海に思い投げ
紫の綺羅 星のごとく

そのころ私のご先祖さまは
きっと真っ黒けに日焼けし ....
幾たびも、ひたむきに萌え上がる、
いにしえの稲穂の原景が、
小走りに薫りたって
遠き草創のまほろばの底流は
大和から飛鳥に、涼やかに下ってゆく。

万葉のけむりを煽り、
壬申の衛士の錐立 ....
公園のマロニエが葉枯れを始めたのは
この夏が乾きすぎるからだけではあるまい。
 
錆びついていくあの緑を眺めていると
胸を吹き抜ける地中海の風も止んでしまった。

薬草園のグリーンハウスで ....
流れ行く影
  君と飲むお酒
    今は二人だけ
      外は麦畑

手にしたフライドポテト
  其処に置いててよ
    添えられた甘いトーク
      口紅はケチャップソー ....
月がどこに出ているのかも
今日は満月なのかも
どうでもいいような暮らしも
それでよいのならいいのかもしれない

同感
同調
こころが向く
話に耳を傾ける
その人の世界を訪問する

 ....
雷鳴に少し怯えて
ようやく雨が遠ざかると
いつしか黄身色の月が
丸く夏の宵を告げる

湿度が首筋に貼りついて
ついさっき流れた汗を思う

狡猾な二本の腕を
互いの背に回して
策略の ....
肌の全部が
湿った薄い膜で被われて
少しの息苦しさで
満ちている午後

畳の跡がついてしまうかしら
そう思いながらも
まるで猫の昼寝の如く
時折どこからか吹いてくる風で
意識を保って ....
N・Kに





魚がいる
魚についばまれている
ちいさな
魚たちに

僕は部屋 ....
壁に塗り込められてしまった!

この近在では、向かふところ敵無しの大やもりの俺様が、あらうことか漆喰の中に閉ぢ込められ、身動きがとれなくなってしまった。
このボロ家に迷ひ込んだのが運の尽きだった ....
暑い日だった


目覚めのベッドは僕のにおいで湿ってた


喉がカラカラだった

コップの水をかるく舐めたら

少し、ぬるい



鏡に映るはだかのおとこ


汗 ....
#41

 青い瞳からは
 青い涙が
 こぼれるものだと
 思っていました

 

#42

 オリジナルという名のコピー
 コピーとしてのオリジナル
 オリジナルなコピー
 ....
温かい光の中を
二列に並んだ子供たちが
手をつないで歩いていた
先頭の先生は
ときどき振り向いて
おしゃべりしている子や
ちゃんと歩かない子を注意する
注意された子供は
一番う ....
稜線の上は曇りの空
お月さまの赤ら顔
うつわに揺らぐ天の原をのぞむ

降らせて
賜う 夜空の星よ

降らせて
たもう 落ちてゆく
雨にもにせて
眠れない夜に思い浮かべる
最近いつもと同じ過去ばかりで

例えば遠い記憶の彼方で
笑いあっていた放課後
例えば笑顔も救えずに
怒号に屈服した苦い春
例えば抱き合う時でしか
感じれなかっ ....
こんな孤独のなかじゃあだめだ

ポッチリ 宇宙に咲いた花
何のはなだかしらないけれど
その中にある宝石に
手元狂いで付いた傷
それでも全然たらないな
小さい小さい僕の部屋

ポツ 部 ....
たしか
二年ぐらい
キスなんかしていないので
そろそろしてもいいかな
と思い
相手を募集したい
けれど
声に出して言うこともできず
しらふでは無理で
こっちも相手も
択ぶ権利はある ....
いとみみず
いつも
ふかみどりのあなたに恋をしていた。
それは、果てなく深い海の色で、光が差すと透き通るみどり色。
いとみみずが水草の泡みたいにみどりにに恋をしてしまって、
近づこ ....
崩れてゆく
驚くほどの速度で
花びらで描かれた美しい絵が
ぼくたちの目の前で
風に吹かれて今

埃っぽい川岸の
薄い黄緑の草むらを踏み分けて
ぼくたちはどんどん歩いてゆく
心の中で詩 ....
夏少年の、硝子の{ルビ背=せな}に
せせらぐ
ピアニシモ

白い{ルビ喉=のど}の、滑るシトラスに
透けてゆく
アダージョ

戸惑う爪先の、細い苦悶
ふるえてゆく
アレグロ

 ....
 柔らかな風と共に
 木陰を選んでゆっくりと歩いてくる
 アリス

 届きそうに届かないアリスは
 夢の途中に僕に立ち寄り
 その心の純粋さが削られていくのを
 悲しい思いで窓から真 ....
夜 眠ろうとすると
世界中のあちこちから甥がやって来て
カブト虫を探してくれと言う
逃げてしまったらしい
眠くてもしかたがない
夜はまだ長いから
大勢の甥たちと一緒に
カブト虫を探してや ....
思い出は
あの貝殻の中に
封じておきました


想い出は
あの海の下に
沈めておきました


車窓から覗いた景色は
にじむようにゆれていた
ひかりをふところに浸す、
みどりのまるみが、いのちの数式を
一面につめこんだ、
萌え上がる、眠れる森に、鬱蒼と、
うすきみどりを染め上げて。
満たされた隙間を、みずいろの風が、繰り返し、
 ....
壁の花から落ちた花びら
雀たちがついばんでいる
ふちどりを想う
くちすいを想う


かがやく魔
飛び去る影を見つめるもの
四方を壁に囲まれた
庭という名の底にうたう

 ....
風は無い

私と
あなたのすき間には
いくつもの
透明な夜が並んでいる

わたしはマッチを擦る
あなたに語る言葉を
探すために

わたしとあなたが
共にいた時間を
つなぎ合わ ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4552)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
少女の域- たたたろ ...短歌9*06-7-16
黒田三郎詩集読書記- 服部 剛散文(批評 ...8*06-7-16
おやすみ- ひより自由詩5*06-7-16
夏に狂へる- 三州生桑俳句806-7-15
Spanish_bomb- 佐々宝砂自由詩506-7-15
むらさきにほふ- 佐々宝砂自由詩14*06-7-15
まほろばの経験- 前田ふむ ...自由詩16*06-7-15
アロマタイズド- 知風自由詩306-7-14
Talk_to_the_ketchupsauce(月街明かり ...- プル式自由詩3*06-7-14
麦茶- 蒼木りん未詩・独白406-7-13
月と獣- 銀猫自由詩21*06-7-13
石榴の花と黒揚羽- LEO自由詩21*06-7-13
AUSENCIA- 水在らあ ...自由詩23*06-7-13
やもりの首- 三州生桑自由詩406-7-13
暑い日だった- 千波 一 ...自由詩13*06-7-13
フラグメンツ(リプライズ)_#41〜50- 大覚アキ ...自由詩1006-7-13
春の遠足- たもつ自由詩806-7-13
この夏のよの- ひより自由詩7*06-7-12
誰も愛していない夜- 松本 卓 ...自由詩3*06-7-12
鶴とハス- まきび自由詩206-7-12
7月- 蒼木りん未詩・独白506-7-12
いとみみず- 自由詩106-7-11
終わりの風景- 大覚アキ ...自由詩506-7-10
振幅する夏- 佐野権太自由詩14*06-7-10
アリス- 山崎 風 ...自由詩5*06-7-10
世界中の甥- 岡部淳太 ...自由詩15*06-7-9
夜行バス- ラプンツ ...自由詩706-7-9
森の断章——デッサン- 前田ふむ ...自由詩21*06-7-9
くちすい- 木立 悟自由詩706-7-8
透明な夜を照らす- むらさき自由詩8+*06-7-8

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