声というのは
ふるえです
静かな水面に
小石を一つ
落としたような

円く広がる
その道のりで
小さくか細く
なりはしても
どこまでもどこまでも
同心円状に続いていく
とてもタ ....
まどろみながら
僕が見失っていたのは帰る場所だった
それとも
もしかしたら行き先だったかもしれない

目に見えるものの手触りを確かめて
それをどう思えばいいのかを確かめていた
孤独な色だ ....
文字盤が語る夕暮れ
霞む残照秒針は静かに進捗
わたしの心もこれに添う
昔々、神様は水瓶に時間をたっぷりと注ぎ淹れた。
止めどない亜空は今や豊饒たる永遠に満たされている。
境たる水面は人知らぬ神秘の相を映しながらたゆむことなく静かに揺らめく。
この眼に映る空は澄み切 ....
廃屋でナイフの肌を重ね合う禁じられたあの遊びをしようよ



抱きとめた夜の重みに喘いでる君の肋骨君の肋骨



Tシャツを着替えるように毎日を無造作にいきて沢山失って


名前 ....
秋めいた頃
あの丘の上に
古城があったような気がします

前に見たことあるような
なつかしい
古城があったような気がします

それから何日か経って
私の心に古城が建ちました

前 ....
雨の庭で 虹色の鳥を見たの

わたしは パンを取り出した

瞳は おおきく まあるくなり

翼を ぱたぱた させました



デニッシュパンも あるわよ

ちいさく ちぎっ ....
枕の下
転がるあなたは
どこへ行くの
過ぎ行く街の
真夜中の言葉
つないでも
意味にならない
枕を裏返す
わたしの番
枕の下
転がるわたしは
どこへ行くの
あなた答えない
わ ....
歩道に腰掛けて、{ルビ端=はじ}の方の草をむしり
少し冷えた冬を探すような

三年目のひとり暮らし

宇宙は大分離れて見えるが意外と近い物だと
そう知っている
手を伸ばせば触れられる
 ....
なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
  なぜだろう 私が
  凍らせた言葉を 知っていて
  たやすくそれを 解きほぐしてゆく ....
左利きの運転手と右利きの車掌
まっしろいホームにおりたつと赤いはた
さようなら
ホームの端のポール
今夜は空が見えない
君の色を思い出せない
今日
左利きの運転手が右手で手をふる
線路 ....
さみしい犬が
鳴いている
夜が忘れられて
やかんが沸く
鯨は吠える
イヌイットの
ソリに引かれて
作られては
壊される
道が未知となり
わかっている
朝帰り ....
*
窓辺に置いた椅子の背のあたりから
沈黙が広がっていく
雨の予感がゆるやかに部屋を満たし
そしてひとつの声がおわった

山腹の地下駅は深いトンネルの底にある
プラットフォームに降り立つ ....
焦点をぶれさせるため朝はある 指のすきまに宿る色彩

眠り明け 耳鳴り低く響くので 夢のはしから余白を殺す



むしられる前のつぼみに似たひとの、首をしずかに傾けるさま

唐突に遠さ ....
指をひらくと
きのうの夢がこぼれ落ちた
わたしたちは
月の公転ぐらいのスピードで
どんどん忘れていくのだから
泣かなくてもいいのに
と言いたいが
きのうときょうの
ことばを全部書き残し ....
暗い夜

湖のほとりに立つと

水面は青く光っていた

僕は湖にゆっくりと入り

深く潜って行った

底がまるで見えない海溝のよう



気がつくと僕はマグマの前に来ていた ....
落葉がそぞろに風にふかれ
雲は青く高い空をゆく

うらの{ルビ小径=こみち}の縁石に腰をかけて
杉といっしょにゆれている

夏の{ルビ遺言=いごん}は朽ちることなく
静かに実 ....
珈琲さへ飲まなければ失恋しなかった

珈琲さへ飲まなければ指は無くならなかった

珈琲さへ飲まなければ妻を刺さずにすんだ

珈琲さへ飲まなければ


珈琲さへ飲まなければぐっすりと眠 ....
パサリと乾いた音がした



遠くに何かが有るのだろうが
僕にはそれが何なのかは見えない
夜中の公園のような気もするし
昼間のようなな気もする
それは随分と昔に見たような
初めて見る ....
不器用な自分という役を 
脱ぎ棄てたくなった夜 
無人のバス停のベンチに 
重い腰を下ろし 
虚ろな瞳を見上げると 

( お気軽に ) 

壊れた電光看板の 
止まったままの赤文字 ....
この連作「そろもん」は、五行というフォルムそのものがテーマでした。大局的には、それ自体が現代詩的構文のアンチテーゼとして機能することを目論んだと、とりあえず言っておきます。でも内実は、きわめて個人的な .... 八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
831 手に手を取って 夏と逃げ 冬、夜の霧雨
ダンボール屑が散らばる
指先でつまめばいともたやすく引き裂かれる

ダンボール屑の前には公園
入口で何度も何度もバイクのキーを回し続ける青年
横には彼女らしき女性が ....
完全な中庸などないと知った日に
校舎の壁は夕日に照らされ
赤々と美しかった

{引用=あの日
誰かが言った
「さよなら」に
返事をしてしまった
僕がきっと馬鹿だったのだ}

泥に被 ....
出だしのことばにつまったままの僕に
アルフレッドの声が聞こえてきた


     日常を越えられない世界で
     はいずり廻る者達のための
     優しい歌が好き
     この世 ....
誰かが言った
「世界は蜜でみたされる」

私は夢見た
「世界がレモン水に沈んでる」

世界は今
一体何で満たされているの?

私は蜜より レモン水の方がいい
満たされるよりも
沈 ....
ひとつひとつは とても小さな
出会いだったり さよならだったり
やさしかったり 冷たかったり
忘れていく 揺らいでいく

確かめるすべもなく
流れていく 壊れていく
それがとてもゆるやか ....
秋、
そのつぎの
ひめくり

菱形がつらなって
つかめない
光のドロップ

ひらきっぱなしの
本の表面に
ゆらめいて


今が
かたむいてゆく
やがて来る 浸水した床下から
新しい手が生えてくる

風が走り去った午後の遊園地
ベンチには黒い影が二つ 揺らめいている
そして二つの風船 雲の彼方へ消えていった

全ては千切れた羽の様 ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4552)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふるえ- 亜樹自由詩207-9-20
光線- チグトセ自由詩11*07-9-20
金時計- 長谷川智 ...自由詩6*07-9-20
水瓶- 白川水自由詩107-9-20
放課後だった- しろいろ短歌10*07-9-19
古城- 未有花自由詩11*07-9-19
虹色の鳥_〜雨の日たのし〜- 和泉蘆花自由詩207-9-19
寝台車- 小川 葉自由詩207-9-18
スザンヌの言い訳- フクロネ ...自由詩4*07-9-18
蝶の時間花の時間- 西尾自由詩907-9-18
そことこことないこと- 渡邉建志未詩・独白407-9-18
細胞- 小川 葉自由詩6*07-9-17
- カワグチ ...自由詩507-9-16
「サイダーの泡われわれは」- キキ短歌8*07-9-16
(無題)- キキ未詩・独白607-9-16
森の中に埋もれる_|_Burried_in_the_fore ...- AREA51自由詩207-9-16
きもの- こしごえ自由詩18*07-9-15
珈琲- 三州生桑自由詩5*07-9-15
淡き明日に月が昇りて- プル式自由詩3*07-9-15
夜空のバス_- 服部 剛自由詩207-9-14
●そろもん最後の栞- みつべえ散文(批評 ...807-9-14
螺旋- ワタナベ自由詩2007-9-14
逃亡記- 曳舟俳句207-9-14
冬、夜、消失- 宮市菜央自由詩3*07-9-14
赤い校舎にさよならと- 亜樹自由詩107-9-13
フラグメンツ・昨夜の歌- AB(な ...自由詩407-9-13
世界を満たすもの- 明楽自由詩707-9-13
さよなら遺跡- umineko自由詩6*07-9-13
午後二時- 美砂自由詩8*07-9-12
廃墟- 佐藤清児自由詩307-9-12

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