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春はそう、不誠実にも始まってリセットボタンに手が出る日曜
不意に鳴る着信音は君からで、春が終われば設定消さなきゃ
口笛をエプリルフールに吹いてみる、嘘としておくひとつの別れ
さよ ....
そう、確か約束したのは今日でした。あの日と同じ月は無くとも
まっくらな夜に逆らう星たちを握りしめよ、と右手をかざす
涼しさは不意撃ち気味に訪れて何も言わずに終わっていく夏
....
散骨
はらはらと
ちりゆく骨のかけらが
潮騒にくるまれて白波に落つ
よどむ青、解けていく白
満ちてくる月の海
素足が冷たさに触れて
あヽなんと夜の海は
こんなにも音が無いのか ....
太陽に撃たれてしまった今日という夏が私を浄化していく
反乱の白い日傘を青に塗りわたしと空が同化する夏
「その花を頂きます」と来る予告、たぶん夏には盗まれている
風鈴の ....
そう、それはイバラの森と言われても人間として扱われるなら
待ったのは誰も知らない駅でした君も先ほど通過している
泥沼でもがけよもがけと君は言う吾はペンギンの羽も持たない
その夜に予 ....
暑いよね、暑いですよねと会話する二人は何故かつきあっている
予報なく気づかずに降る五月雨も君を迎えに行けるのならば
傘をさす理由をなくし歩いてる濡れてもそれで満足なの ....
かごめかごめ籠の中へと残されてさくらはひとり散っていきます
口惜しく散って逝くならあわれむも花いさぎよく嫉妬するのみ
たとえばと、たとえるものを探しても見つけられない春の終わりを
....
その翠、春は終わってしまったの素数のページを少女はひらく
やわらかな春雨が去り残る青、桃のリボンで包みましょうか
白襟のリクルートスーツたくましく南にむかう汽車を待ってる
あの山 ....
白い雲がばらけて見えるのは錯覚ではない
夏は終わりを告げず
静かにわたしの前から去っていた
挨拶はしないことにしている
涼やかな朝の前にそらが幾らか高い
いつも薄れていく記憶の中 ....