目が覚めたら
雑巾になっていたらいい
汚れていくのが仕事だから
ただ汚れていけばいい
そして
ボロボロになって
捨てられてしまえばいい

だれかのことを
きれいだなんて
すき、だな ....
時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る

白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている

時々せつない夢を見る
誰かを愛す ....
ここに生活を隔離する窓と音楽
春も夏も秋も冬も
気付けばもうこんな年寄りになっていた
春も夏も秋も冬も、すべて見ていたようで
本当は何も知らなかった
知らないで恋していた
知らないすべてに ....
雨水と目
異なる振れ
そよぎ そよぎ
添えられる手


建てかけの家が揺れている
手にすくわれた水の底
見つめる息と
同じ色をして沈む音


そこに ここに
残る ....
この空は似ているな、   と感じること

風と風の間がこすれる音を 意識すること

どこかで電化製品に力が流れ込んでることに通じる こと

向かいの家の扉が 閉まる音を拡大解釈すること
 ....
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。

きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。


あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。 ....
本が泣いてわたしになる
わたしになってわたしは
栞を探している
手を伸ばすとその向こうで
むかし弟をしていた人が
雑草を抜いている

外には他にも生きものがいて
窓という窓は
 ....
どうしようもないものが
わたしをはてなくめぐるとき

あなたはなにをしている
夜から朝に変わる蒼をみつめるとき
わたしは夜のくらげさえしらない

残されたものだけが疼いている
意味のな ....
おい貴様!
貴様と言っても誰に対して言えばいいのかわからないけど
とりあえず叫ばせろ貴様!!
俺の 俺の透明のビニール傘を返せ!
そうだ 安いからとか、どんなファッションにも合うからとか、
 ....
曇が曇に臥せ
金いろは
やわらかなひとりでいる


沼には醜い魚がいて
釣られては放され
土になる


石は
緑の向こうの水に気づかず
石ばかりを見つめてきた

 ....
カラスが三羽
七羽でなくて三羽
散歩するでなくて
散歩するふりをする
古くさい表現
古くさい机
古くさい服装のままに
カラスは
目をきょろきょろさせて
大通りを散歩するでなく
散歩 ....
回転木馬が
ひっくり返って
首がない

恐ろしい光景を
日常化する
ところてん

風景が摩耗化してからは
錆びたナイフで
リンゴを切った
ジャムは
煮詰めるから
どんなに甘く ....
乾いた呼吸を赦されぬわたしは
ひっそりと
森に息づく
指先をうねる樹の根へと触れると
わたしの左の乳腺がほの暗く湛えるひとつの塊を
まるで心の中のしこりが権化したかのような
小さく痛みをも ....
                           (喪失の物語)



彼女が大切にしている
ガラスの瓶には
嘘のかけらがたくさん詰まっていて
かけらをひとつ噛み砕くたび
嘘をすら ....
蛾に生まれたかったものが紙に生まれて
灯りのそばにじっとしている
葉の波が
聞こえては消える



嵐は水の鳥のあつまり
道の先にいる空は
蒼にむらさき
森と同じ背 ....
自動販売機のなかには
シーラカンスを気取るのが居て
夜になると
腹びれを振るわせて
反対側の中州に登り
ニイタカヤマノボレと
大きな顔して
電話して
スクワットする夜間割引券と
交換 ....
「何で眼鏡かけないの?」

と聞かれたので
『目が2ミリくらい一回り小さく見えちゃうから』
とか
『コンタクト恐怖症なの』

とは答えずに

ちょっと詩的なことが言ってみたくなっ ....
苦しみと悲しみふたつ慣れすぎて触れるときまであなたを知らず




骨と骨あたらぬようにかたち変え心と肉の汗ばむ出会い




苦しみとよろこび混じるあなた ....
雨が降ると複数の穴から
水が漏れて
まるで
滝のように降ってくる

温度変化の激しい夜は
風邪を引きやすいから
ご自愛下さい
三寒四温の季節には
そんなことも書簡に認める

複数 ....
祖父は
海軍士官学校の先生だった
手を合わせる横顔に
平和を祈っているのかと訊ねたら
そうではないと小さく呟いた

悔やんでいるのだと
小さく呟いて、そして
祈りは何も変えないのだと
 ....
家のまわりをまわるうた
窓は朝に消えてゆく
窓は蝶になってゆく



壁に隠れ
また現われる
蝶は鳥になっている



蝶になった窓たちが
左まわりに空をまわ ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る

窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい

滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで

雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
頭のうしろの音を聴く
揺れるかたちの音を聴く
小さくとどく濡れた羽
したたる色のうたを聴く


夜に向かってひらかれた窓
さみしい灯を倍にする
縦に流れる部屋の内側
誰も ....
桜が咲いて
春が来て
夏が来て
秋が来る
冬が来ればお仕舞いと
舞妓さんは踊ります

ねこの小判を
質屋に入れて
花見のお酒に
酔いしれる
名前だけで結構です

そう告げられて、少しだけ、面食らう。

ほんとうに名前だけで いいのだろうか

ほかにも必要では ないのか

私には 他にも様々な付着物があって

それらをあ ....
空転しそうな少年は
風が吹けば背を向けるしかなかった
夕日からは目を背けずに
焼け付く色を一日でも、忘れずにいたかった

誰かを愛したことはあった
それを背負うだけの重さなんて
誰にもな ....
どれだけの言葉を飲み込んで
君は生まれていくのだろう
統制のとれた四角い部屋に
白い壁、のような服
悲観的な視線たちが
埋め尽くしてしまいがちな世の中に
「ほら、窓の外はこんなに明るいよ」 ....
蝶の花 蝶の花
土の下へ
飛び去りゆく輪
蝶の花


塩の火 塩の火
燃えつきぬ糸
人の色でなく
向かうものはなく


甘いにおいは風に消え
ただふるえだけが降り ....
黄緑色の ミニかえる
サンダルの先に はねてきた
白い靴下 汚れそうな脇道で
待ってても咲いてしまった花は
当惑する

みたでしょう もう
もう できることはないの

ただ こうして ....
先生 にんげんとは
さびしい、本当にさびしい生き物だと私はきいたのです
世界にはパンのひとかけらや真水のひとしずくを
ひびわれた皿のような目をして待っているうちに
そのパンやその水の代償になっ ....
まどろむ海月さんのおすすめリスト(656)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雑巾になりたい- ZUZU自由詩606-8-28
夢を見る- 未有花自由詩14*06-8-28
知らないすべて- かのこ自由詩306-8-27
水と手(青の日)- 木立 悟自由詩506-8-27
夕やみ、ということ- かぜきり自由詩406-8-27
きみと指切り。- ユキムラ自由詩306-8-27
ぶっく- たもつ自由詩906-8-25
夜のこいびと- 自由詩406-8-25
俺の透明のビニール傘を返せ- 新守山ダ ...自由詩1106-8-23
みどり_いし_みどり- 木立 悟自由詩406-8-23
カラス- あおば未詩・独白3*06-8-23
ところてん- あおば未詩・独白5*06-8-22
森に為る- 山本 聖自由詩3*06-8-22
嘘の物語- アンテ自由詩406-8-22
晴れた灰の日- 木立 悟自由詩406-8-21
晴天- あおば未詩・独白7*06-8-18
ありのまま- ANN自由詩6*06-8-17
あなたであるもの_あなた_息の源- 木立 悟短歌806-8-16
複数の穴- あおば未詩・独白8*06-8-16
(祈りの場所は遠く、はるかに離れて)- たりぽん ...未詩・独白12*06-8-15
みどり_ひびき- 木立 悟自由詩306-8-15
雨に目覚める- LEO自由詩15*06-8-12
夜とふるえ- 木立 悟自由詩306-8-7
花見酒- あおば未詩・独白5*06-8-7
名前をどうぞ- かぜきり自由詩5*06-8-6
向日葵空- 霜天自由詩406-8-6
儚い部屋、言葉の部屋- 霜天自由詩406-8-5
夜へ夜へ(朝へ)- 木立 悟自由詩706-7-31
レイン_リフレイン- 砂木自由詩9*06-7-29
青色の血- 明日殻笑 ...自由詩8*06-7-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22