「777円」

某ディスカウントショップの店頭に
所狭しと大量に陳列されている
サウナスーツに貼り付けられた値段


食い散らかした菓子袋やら
缶ビィルの後片付けもそこそこに
はずみ ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
この歳になると、リアルに、大抵のことがどーでもよくなる。
いや、たとえば自分内の、円グラフの中の大部分が、
「どーでもよい」
に塗りつぶされるぶん
却って「どーでもよい」の外側にある
「どー ....
誰かの掌から滑り落ちたゴムホースの水が、誰かの足元の
地面のうえで、いつまでも意味もなくぐるぐるループしているよ

足元の芝生のうえで、いつまでも誰かの想い出の芝生のうえで、
ゴムホースの ....
書いてもいいし、別段、書かなくてもいい...。
それは深夜、友人とファミレスでお喋りするような内容でもなければ、日記帳に綴って記録に留めて置くような情報でもない。
元来、記憶にも記録にも残らない宿 ....
眠りながら歩きながら墓標を背負って歩いていると
ぼんやりしたまぶたにぴしぴし当たるものがある

目を開けると
細かい氷かガラスに似たものが降っている
冷たくはないが地面に落ちるとやがて消える ....
悪いのはすべてあなた・・・


そう一人つぶやいて

泡立つ浴槽にりんごを浮かべる


そうよ

悪いのはすべてあなた

あなたの愛は激しすぎなの

あなたの愛は重すぎなの ....
何億年過ぎただろう
太古に私が使っていた携帯電話
それを拾い上げる
誰か
たとえるならば
石器時代に
誰かが使っていた鏃を
ある日の私が拾い上げる
そんな日があるかもしれない

も ....
昼寝をしたくなったので
風呂場にある海苔を持ってきた
それにくるまって
うとうととしていると
玄関のインターフォンが鳴った
先日頼んでおいた入道雲が届いたようだ
猫の手ではんこを押したが
 ....
図書館の中に
戦場はひっそりと息をひそめていた
爆音も叫びも飛行機のエンジン音やプロペラ音も
溜息も束の間の笑顔も
音のない写真に詰め込まれていて
それらは見る者の脳に聞こえてくる ....
棄てられた径
放縦の跡
少し斜めの不確かなもの
遠い遠いふるえから
そのままではないそのままに
こぼれながら手わたされるもの


灰が
ひとつのざわめきにつながり
降り ....
め が みえない ひつじ は
おおきく なった なら め が みえるように なる と しんじて いた

だから いつも
あんしん して ひとみ を とじた

ひとみ の なか の くらやみ ....
物語を聞いてしまうと
彼女は不満げに頬を膨らませた
小さな手がタオルケットの端を
強く握っているのが見えた
硬く白くなって
欲しいものを手に入れられない嫉妬に
震えている

だから
 ....
あるがままに咲く花が薫るよ

 藍色に染まってく街のスキマで

  ただ空を見上げるのに飽いた僕は



迷走するネズミたちの群れの中で

  瞑想する聖者たちの群れの中で

 ....
こわれてしまったものがある

いつまでも続く夕暮れの中で

何も変わっていないのに

こわれてしまったものがある

見えるものは何も変わっていない

やっていることも 何も変わって ....
ふわっ、ふわふわっ。
綿毛になって一週間になる。
何を間違って
自分はタンポポの綿毛になんてなってるんだろう。
ついさっき母体であるタンポポを飛び出したところだ。
せっかく仲良くなった他の綿 ....
今日はアカデミックに
ビタミンの世界を解説したいと思います。

さて、
ビタミンAのAは
明日からビタミン飲もうのAであります。
これは学会での通説であります。
ゆるぎなき通説です。
 ....
 晴れた空の下で街を歩く
  不意に湧き上がる恐れに
  心に湧き起こる闇の水は
あの迷路に迷い込み
感じたもどかしさを
思いおこさせるのだ
周りは全て歪んだ鏡
己の姿も全てが歪む

 ....
熱を帯びていく
赤い唇に似た花びらが体に落ちる
落ちていくのは花びらか
白いあなたの体か
波がうねるように

ねむり閉じられた視線をつなぐあなたの扉
漆黒の瞳が中に閉じ込められ
わたし ....
それは
ただ真っ白なノートのようで
けれど
不思議に美しいノートでした


その場限りの言葉では
跡を残すことさえできない
そんなノートでしたが

熱い言葉なら
焼きつけるこ ....
どの君も本当の君で、
どの僕も本当の僕だと
僕は言ったけれど、

きみや彼女の中に存在している僕と
今ここで呆然と生きている僕は
やっぱり相容れないものだと思うのです。

僕は強くもな ....
眼球の下にそっと差し込んだヒマワリの種が
芽吹いた

冬だと言うのに街が暖かい
ラフロイグのビンがそこかしこに転がっている
白い玉砂利を食わされた犬がひっくり返っている
通り雨に ....
いつか出会う誰かのために、
たくさんの「うつくしい」を育てよう。
果てしなく続く青空や、海。
高層ビルの窓ガラスに反射する光や
ネオンがまばたきする夜景。
いろいろなものを見て心をふるわせる ....
ギュッと圧してください。
力強く圧してください。
痛いですか。
ここは、平均的な生き方なんて
存在しないんだということを
文化人類学的に証明したい時に効くツボです。

ギュッと圧してくだ ....
軽薄な
ロボコップとお茶する
ロボコックが歌うので
ロボット三等兵が
鉄砲担いで入ってきて
厳しい顔して
敬礼するので
休めと言って
後は
知らん顔

充電する間にカツ揚げて
 ....
森が燃えて
灰になっちまった
空一面に森は舞い上がって
太陽はもう、
随分見ていない
海は汚れて
魚はねじれているし
母さんと妹は
知らない男達に
色んな穴をほじくられて殺さ ....
レイジという友人がいた
友人って何だ?
友人というより恩人か
恩人というより変人か

変わった奴だった
集団の中で良くも悪くも浮いてしまう人種だ
クソつまんねえ朝礼で
つまんな過ぎてぶ ....
魚の眼はにこごりの眼である
滓々の溜まり水である
魚の眼はあらゆる向こう岸を
私より先に見に行ったのである

白色の食卓で対峙したそれに
容赦なく朱塗りの箸を突き刺して
ぺろりと平らげた ....
それは
川辺のスミレのように
ひそやかな願いなのだけど
じつは
俺は
もてたい
じつに
俺は
もてたい

ないしょの望みなのだけど
可憐な希望なのだけど
ただいちどきで
かま ....
近くにあった声はない
やがて離れてゆくだろう
測られてしまった熱の
裏側で泣いている

あなたの深海は
絵で書くことしか許されていない
響けと声に出して
膜張る潮に浸されながら
船の ....
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