水彩の草原に僕はひとり仰向けで、
空をゆく雲を見ている。
淡い太陽の光を縫うような、
ぼやける事のない雲の輪郭を僕は指でなぞった。

寂しくなんてなかった。
なんとなくの不安を誰かに知 ....
緑色の小鳥が歌います
夜の夢という名の
美しく透明な時と場所で
小さな嘴で泣くように歌います


 墜ちたら死ぬのさ
 飛ぶしかない
 飛ぶしかない
 それが僕の一生なんだ


 ....
10代の終わりころ、私はろくに人としゃべれない少年だった。ごく限られた友人と家族だけを相手に会話し、それ以外の広大な人の群れに対しては固く口を閉ざした。自分の言葉はすべて不適切であり、自分の言 .... バイクが走っている
私の名前を引きずっている
どうしてだろう
フェンスばかりが青くて
言葉は汗ばんでいる
買ったばかりの紙袋が風になびく
その側で人が笑っている
コンビニのある風景の中で
あたりまえのように生きている

交差点に立って周りを見渡すと
視界に5軒ものコンビニが存在する
そんな生ぬるい便利さと手軽さに
日々愛撫され続けている生活を
無 ....
日光がけたたましく叫んでいる
俺が異端だと激しくなじっている
俺は河川敷を散歩しながら
昨日の家族との団欒を思い返している
家族には異端の概念がない
俺は一人でありながら圧倒的多 ....
むくろと暮らしたことがある
たった数日

むくろは
案外しずかで
ちょうど
子供がいたずらに
掛け布団の下 座布団を仕込み
あたかも眠ったふりをした
そんなふうな

かつて肉体だ ....
道ばたに
若いビジネスマンが
うずくまっている

心配して声をかけると
苦しそうな顔をして
ほとんど象になりかけていた

大丈夫です
と、忙しそうに立ち上がり
がんばっ ....
大学生になってCDプレイヤーを買った。私が主に聞いたのはバッハやモーツァルトなどのクラシックだった。勉強に疲れた夜中、部屋を真っ暗にして目を閉じて音楽だけを聴いていると、まるで自分がどこでもない場所に .... おまえの憤りを愛せよ
おまえの憤りを愛せよ
路地裏に放置された
何十年も前の三輪車みたいな
おまえの憤りを
観念的な錆には痒みを覚えるだろう
みんなそうして憎しみを忘れまい ....
いつか、降るだろう

雨とは呼べない
くるしい水や

雪とは呼べない
つらい花弁が

いつか、降るだろう

きっと
だれもが望む形は
思いがけずに
姿をかえて
しまう
 ....
並んで歩く父と子が夕暮れの街を通り抜ける

父は子を見下ろしながら
子は夕陽を見上げながら

父は子供の頬を撫で
時折優しく指を沈める
その人差し指に伝わる
底がないような柔らかさと、 ....
人はなぜ絶つのかと
命を
思っていた


見えた 街が
寂しい
波の向こうに 


言葉が
無かったからこそ
生きてこられた気がする


思う 不要な
自分を思う
 ....


帰宅した私は食卓に着くと
両手でテーブルを鷲掴みにし
一匹の大蛇を吐き出した

黒々とした身体
ぬらぬらとした光沢
それは私の分身であり
一部なのだった

゛はらがへったよ ....
『他人様の』作品紹介第三弾は、個人のブログから見つけた作品+αです。
◇つきコメントは私の感想です。


・個人ブログより


『ひそやかに、あなたと私の間に。』『詩人の飼い方SE(すぺ ....
『他人様の』作品紹介第二弾は、現代詩フォーラム以外のサイトで見つけて紹介した他人様の作品群です。サイトのURLも貼ってるので、興味のある人はネット詩サーフィンをしてみましょう。
◇つきコメントは私の ....
 ぼくたちは雨を防ぐために、濡れないために、他のものを濡らすしかない。ぼくたちの代わりに濡れるものがあって、ぼくたちは乾いたままでいられる。
 墨を磨ったみたいな色の雨が降る。それは夜の色と同調して ....
しろい紙に 向き合い
しろい箱を 造り
しろい心を 持ち歩く

あるとき それは逝った病室
あるとき それは骨壺
海沿いを走る電車を降りると
そこはまるで見知らぬ ふるさと  ....
赤信号で立ち止まったとき
うしろから歩いてきた人がすうっと追い越していって
そのままむこうへ渡ってしまった
その自然な様子に呆然とする
自分もその人と同じようにして渡ってしまいたいのに
いつ ....
というわけなのに、弱々しく羅列してみるだけです。敬称略式です。あしからずであります。
なんたって最果タヒ、絶対に最果タヒ!
しもつき七、未満ちゃん、魚屋スイソ、手乗川文鳥、簑田怜子、井上法子 ....
2012年からツイッター上で私が『他人様の』というハッシュタグをつけて紹介した作品で、現代詩フォーラム内から見つけたものをドドッと書き込みます。順番は、私が作品を見つけて紹介した順(古いものから)です .... 冬の音なんてどうせしないとおもう

私たちの前にはなんの音もない
空に浮いた私のカラダを
かろうじて文字が支えている

悲しくなんかないのに
雪がふるから痛いよ
まるで忘れていた場所か ....
 絵ハガキ


古びたペアリフトが、白く耀く斜面と雲ひとつな
い青空の隙間を、カタコトと、揺れながら私を山
頂へと運んでゆく。飽き飽きとした水平線上の生
活を忘れ、雪の斜面を滑り落ちること ....
凍結する
冬の寒風に身を晒し 、立ち泳ぐ
辺りには静寂が満ちていて
指先から徐々に冷えてゆく

あらゆる感情の蛇口は
かたく閉じて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断すること ....
藤永健さんの『もうすぐ現代詩フォーラムがができて11年経つという事実と11のレコメンド(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=283829)』に触発されて、ぼくも ....  暦の上では、冬至が過ぎたが、このところ、小春日和が続いていた。それが、一昨日あたりから天候が崩れ、今朝は霙交じりの雨だった。昼過ぎに雪に変わり、太一がパソコンの電源を落とす頃には、綿を千切ったような ....  ロケットが帰ってくるとき熱で燃えてめくれ 一本の花になり地球に刺さった その地点から波打ち拡がる花の生命は一気呵成に大地を満腹フラワー地帯へと脈打ち変化させる 驚き飛び立つ鳥たち .... 群衆の中を往き交う海猫達の叫びはなおも遠く、
この胸の錆び付いた音叉には共鳴しない。
道端で音楽を奏でる者たちに、路地裏の住人は白けている。
彼は言う。ペインが足りないのだ、と。

人は ....
冬の初め、リンゴの収穫の合間に、友人の車に乗って文化センターの展示を見に行こうとした。時候の挨拶のような何気ない会話をしているうちに、車が急に左に寄って、コンクリートの壁に斜めにぶつかっていっ .... リビングの屋根を切り裂く遮断機
僕らの悲しみが通るたびに
赤く光るランプと
天へと突きぬける音で
踏切は交流を断っていた

君がいなくなってからも遮断機は下りる
踏切は二人の距離を知らな ....
健さんのおすすめリスト(1270)
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音楽- 葉leaf自由詩114-2-27
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