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小さな町のはずれで
旅人は力つきて倒れ
そのまま動けなくなった
かれこれずっと
なにも食べておらず
水も一滴も飲んでいなかった
町の空気は乾いていて埃っぽく
川も干からびていたし
 ....
いちばんだいじなものは
とっておきなさい
といって
せんせいは
おおきなみぎめをぎょろぎょろさせて
きょうしつをあるきまわる
みんなしくしくなきながら
にばんめをつくえにおいて
い ....
金属ブラシで懸命にこすって
庭の水道で洗い流すと
スコップも裁断ばさみも
見ちがえるようにきれいになった
せっかく用意したリュックには
けっきょく
詰めるものがなにも思いつかない
縁 ....
大きなマルが描きたかった
テーブルには収まらず
床のうえにはうまく描けず
壁は論外で
仕方なく庭に出た
引き潮で乾いた土のうえに
棒で線を引いていくと
小石にぶつかるたび歪むので
 ....
朝ごはんの支度のあいだも
ゆっくりお茶を飲んでいるときも
外がなんだか騒がしくて
庭に出てみると
黄色い風船がひとつ
軒先にひっかかって揺れていた
物置小屋からはしごを出して
なんと ....
                        3. 猫

なんにも感じなくなりたいと
いう願いは
叶ったのだと思う

ごくまれに
昔に出した童話などのつながりで
仕事が来る
童話は ....
カタカナの文字をでたらめに選んで
並べてみる
見たこともない言葉ができあがる
けれどたいていは
どこか遠い国の言葉を探せば
なにがしかの意味が見つかるだろうし
ネットで検索すれ ....
                           (喪失の物語)


毎日の記憶が体積して
棚や机の引き出しや流しの下など
部屋じゅうに溢れて暮らしにくくなったので
彼女は思い立っ ....
                                 (喪失の物語)


彼女の胸には心臓がなく
代わりに小さな箱が埋まっていて
願いを唱えながら手を入れると
どんなもので ....
                                 (喪失の物語)


一人きりで出かけることのないよう
常に用意周到に手筈を整えていたのに
この日に限って
使える者はだ ....
                                 (喪失の物語)


その扉は森の奥にひっそりと立っていて
街からの道は途絶えて久しく
彼女がその扉を見つけたのもほんの偶 ....
                                 (喪失の物語)


とにかく踏んだり蹴ったりの一日だった
街のすべてが彼女を潰そうとし
行動を否定し足元をすくい莫迦にし裏切 ....
                                 (喪失の物語)


森の奥深くにひそむ家で
少女は長いあいだ一人きりで暮らしてきたが
一生に一度くらいは
だれかに囲まれて ....
とにかく王様は目を輝かせて
いくさだの狩りだのと飛び出したきり帰ってこないし
王子たちは毎日飽きもせずに
女だの武器だのと目につくものに見境なく手を出す有様で
臣下たちは強欲を隠そうともせ ....
とうめいないれもののまんなかに
とうめいなこっぷがはりついていて
とうめいなみずでみたされている
いれもののそこには
こっぷからこぼれたみずがたまっていて
いれものをゆすると
ゆらゆら ....
ふうせんのうちがわに
わたし とかいた
そとがわに
ゆめ とかいた
おおきくふくらませて
くちをしばると
そらへまいあがることも
じめんにおりることもできずに
ころころ
あたりを ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
こんこん
つたえたいことを
もってきました
ああ
ごくろうさま
そのへんにおいといてください
じゃあ
たしかに
おとどけしましたから
はいはい
ちゃんとうけとりましたよ
あの ....
どろどろに
くさってしまったから
もう
あわないほうがいいとおもう
じゅわきのむこうの
こえはかすれていました
そんなのかんけいない
へいきよ
って
いえませんでした
じゅわき ....
かけら
かばん
「か」ではじまるものを
てあたりしだい
かきあつめて
へやをとびだした
かんかんをけっとばして
かびん
かがみ
せかいじゅうが
かたちのないものばかりなら
よ ....
いつでもいいよ
って
ついいってしまった
じゃあいつか
かならず
って
てをふってくれた
ほんとうは
いますぐ
っていみなんだ
とおざかる
とおざかる



     ....
吸いこんだ空気
に含まれた
酸素をひとつのこらず
わたしの体は
吸収しているんだと信じてた
全身の二酸化炭素を
呼吸するたび
すべて酸素と置きかえるのが
生きている証拠だって

 ....
茶色がとてもきれいな
マンションだった
フローリングも
壁も
キッチンも
なにもかも

わたしのマンション
自分で見つけて
自分でなにもかも整えた
わたしの居場所
わたしだけ ....
がっこうからかえると
おかあさんのからだがばらばらになって
いえじゅうにちらばっていた
あわてて
ぜんぶかきあつめて
しんちょうにくみたてると
とりあえず
おかあさんみたいなかたちに ....
その後は末永く
ぬくぬくと暮らしましたとさ
で寓話は
おしまいです
きっと
ぬくぬくと太って
ぬくぬくと死んだのでしょう

巨大な筆でした
ある男が一生涯をかけた筆でした
これ ....
毎日まいにち
腕を鍛えあげることが大切だって
教わった
常に鍛錬を絶やさず
たくましい腕を持つことができたら
不自由なく生きていけるそうだ
学校は毎日まいにち
腕を鍛える授業ばかりで ....
                    146時 @ハト通信

おおきくてふとい
うでが
ぼくをずっとみはっていて
なにかあるたび
ばかすか
ぼくをなぐる
ちがだらだらながれる
 ....
                  「メリーゴーラウンド」 16

  わたしは

高校受験の進路選択が絶望的だって状況も
実感がないのがホントのところ
部屋の本棚にならんだ本のタイト ....
                  「メリーゴーラウンド」 13

  入れ物

小さな入れ物の中身を
大きな入れ物に移す
ようなものだと思っていた
全部移しおわったら
隙間を埋め ....
きょういちにちだけは
あらゆることを
いとおしいとおもうことになった
まちへでると
いつもならいやでたまらないことが
むしょうにいとおしくて
そのたびたちどまってひろいあつめるうち
 ....
健さんのアンテさんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- アンテ自由詩215-4-27
ぐちゃぐちゃ- アンテ自由詩615-4-5
小道- アンテ自由詩6*08-6-27
マル- アンテ自由詩7*08-3-9
風船- アンテ自由詩608-2-1
- アンテ未詩・独白6*07-10-11
瓶を割る方法- アンテ自由詩606-7-12
記憶の物語- アンテ自由詩6*06-4-1
欲の物語- アンテ自由詩16*06-3-16
身体の物語- アンテ自由詩4*06-3-8
扉の物語- アンテ自由詩2*06-2-22
街の物語- アンテ自由詩106-2-4
終わり- アンテ自由詩2*06-2-1
- アンテ自由詩206-1-22
わたしの- アンテ自由詩405-9-3
ゆめ- アンテ自由詩605-8-27
めじるし- アンテ自由詩705-8-23
つたえたいこと- アンテ自由詩905-8-7
くさってしまったから- アンテ自由詩405-7-28
かなしみ- アンテ自由詩505-7-24
いつでも- アンテ自由詩8*05-7-20
- アンテ自由詩4*05-4-26
茶色- アンテ自由詩205-3-13
なにか- アンテ自由詩20*05-2-12
未来- アンテ自由詩305-2-6
- アンテ自由詩12*05-2-4
ばかすか- アンテ未詩・独白504-12-28
わたしは- アンテ自由詩3*04-11-21
入れ物- アンテ自由詩304-10-31
いとおしいきもち- アンテ自由詩304-9-11

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