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いつか、降るだろう
雨とは呼べない
くるしい水や
雪とは呼べない
つらい花弁が
いつか、降るだろう
きっと
だれもが望む形は
思いがけずに
姿をかえて
しまう
....
春から
いちばん遠い季節に
吐息は
ゆれる
遥か
列車の通過の幻想に
疑いもなく
聞き耳
立てて
苦しまぎれの憧憬が
いつかの砂地で
花開く
もう
誰 ....
降りはじめた
雨に
傘をさすことにも
傘をささないことにも
正誤はないよね
どちらもきっと
雨だから
雨に
なるから
つちに濡れたほこりも
ほこりに濡れ ....
傘のしたでだけ
降り続ける雨がある
強弱では語り得ない、それ
交差点を渡る黒たちの
はじまりの日は
白だった
或いは
今も
嘘とほんとを
分けたがるけれ ....
うやむやに熔けてしまっていませんか
その夕暮れに
指揮棒に従うことで
いくつの雑音を聞かずに済みましたか
なつかしい歌たちに包まれたい日があります
拒みたい日もあります
....
{引用=
一、漕ぎゆく者へ
明るいうたは明るくうたおう
明るくないうたも明るくうたおう
そうすれば
必ず
いつかどこかが壊れてゆくよ
治すというのはそ ....
僕のからだの内燃機関は
なにを動力にして
ここまで
走らせ続けてきたのだろう
西日はいつも眩しいね
僕の手が掘り出したいものの
手がかりを
きっと
西日は知っている
....
冷たい雪の降る夜に
わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる
わたしはわたしを抱き締める
冷たい雪の降る夜に
わたしのことを
わたしのほかに
....
星々の明るさが際立ちます
夜気がひんやりと
澄み渡るらしく
星々の明るさが際立ちます
されど
星々はつねに燃えているのであって
なんの労苦もなく輝くものなど
在りはしないのであって
....
白鳥が飛来していた
初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた
渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
....
わたしは みにくい獣だ
鋭利な刃物を知っている
(わたしの爪はいつも)
鋭利な言葉を知っている
(やわらかな皮膚だけを)
鋭利な視線を知っている
(傷つける)
みよう ....
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている
天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
思い出せる涙は
すべて
私のせいであるが故
思い出せる涙は
なんとか上手く
こころに
収まる
思い出せぬ涙は
だれのせいであったか
どん ....
わたしは 生みの親だもの
おまえが憎いわけは ない
けれども わたしは 手を貸さない
さぁ
潔く
心地良く
羽ばたいて ゆけ
誤解も あるだろう
嫌悪 ....
指先なんか不器用でいい
鍵盤が求めるものは
迷いを持たない、その
指先の重み
ねぇ、
清らかな雨の注ぎに
いつまでも耳を傾けていたいの、
私
おはよ ....
まっさらなノートを買った
でも
それだけでは
所有にならない
光のようなシャツを買った
でも
それだけでは
所有にならない
汚さなければならない
涙が出るほどに
渾身の力で ....