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幼い頃は
兄と妹と三人で
床を並べて寝ていた

がっしりした骨格の子供だったが
神経質で泣き虫なわたしの為
寝室はいつも完全な暗闇にならないよう
蛍光灯の一番小さな橙の光がともされ
両 ....
ある日家に帰ると
コインロッカーがあった
お父さんも使っていいのよ
妻が言うけれど
いったい何のために使うのか
僕にはわからなかった

それでも
次々とうまっていく
コインロッカー ....
誰も気付いていない
扁平な空と屋根の間に
ブランコがある
そこには
飛行機で行けないが
羽根をばたつかせても
到底届く高さではなく
梅雨にぬかるんだ地表と
レーダーに映る雨雲の間に ....
燃えるごみを
ごみ捨て場へ持って行こうと
外へ出たら雨であった

透明のビニール傘を差して
そのままぼんやり空を見上げる
水滴の降ってくるさまが見えるのが
大変おもしろい

周囲でく ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
チリチリ、
チリチリ、
私ヲ通ッテイッタモノ、


出掛ケニ魔除ケノ鈴ヲツケ、
帰レバオ清メノ塩ヲ撒キ、
ソンナ日々ガしばらくハ
続イテ


チリチリ、
チリチリ、
遠ザカル ....
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、

静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った

彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
それって大した問題じゃないけれど
ピアノが弾けない

ほ の音も ろ の音も知らない私は
いいいー と口ずさんでは
猫を踏んでしまった男の歌が
倍速で流れる

頭の中

やっぱりピ ....
早朝
周囲があまり静かなので
ちゃんと他の人が生きているかどうか
確かめるために
始発の電車を見に行く

路上に
昨晩お酒をのみすぎた人が
うつ伏せに倒れている
マネキンみたいだ ....
たかが女の髪ひとすぢ と
スウィフトは(そういえばドジソン先生も)
書いておられましたが

粉砕され漂白された木質繊維にさえ
人の思いこめられるものな ....
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる

ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている


こころの真ん中が
きりきりと痛んで
 ....
{画像=090909004233.jpg}
現場監督が路面に
配管図面をトレースした
作業の痕跡

解かれることを意図しない暗号が
街の中に密かに生きている


それはシンプルな記号 ....
 


1/4

あしのした と うなじ と あばら に
くものすがはっているので うごけません
女の子だから くものすを
やぶるようなおいたは いかんのです



1/5
 ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて


ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された

それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....
プール清掃の前 ヤゴ捕り大会があって
捕まったヤゴたちは巨大なペトリ皿に移される
ヤゴはそれぞれの教室に置かれ、トンボになるまで観察される

子どもたちが最初に目にしたのは、なんと共食いだった ....
半そでの季節になると
肌の匂いが懐かしく
やがてそれは
真夏の音に掻き消されて
懐かしさはまるで
現実とは言えないほど
曖昧な記憶になる

半そでの肌を
すっと
初夏の風が通るた ....
ぼくよりもっと すてきなぼくを
きみのなかに みつけました


ぼくよりもっと みにくいぼくが
ぼくのなかに いるというのに


ぼくよりずっと すてきなぼくは
なんだか ....
あなたは泣いています
あなたは泣いています
緑の雨にずぶ濡れて
ただただこの世がいとしいと


あなたの頭上に垂れ下がる
電線の雫がぽとりと落ちて
ひとつひとつが世界を映してる
あな ....
               080605



三丁目は二丁目の先です
一丁目は通り過ぎたので
覚えていらっしゃらないかもしれません
四丁目はありません
しかたないので続を加えます
 ....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて

わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
ぼくは地球さんに迷惑かけてないかな
地球さん汗かいてませんか
暑いよーっていう呻きが聞こえてきそうです

でもぼくは明るいから
地球さんは青く光るし 土星のわっかも見える
不思議じゃない? ....
けれども胸は 青く傾斜してゆく 怯える意識には
透明なふりをする思惟が 蔓草のようにからみつく
窓の外では 涙のように 果実の落下がとめどなく
そのさらに遠く 地平の丘の上では 二つの白い塔が
 ....
灰色の雨が上がって
ようやく緑が光り始めた
葉脈を辿る水の音さえ
響いてくる気がする

穏やかな五月の庭で
白いシャツが揺れる
遠くから届く草野球の掛け声が
太陽を呼ぶ


きみ ....
ことばの森の中
今日も歩き続ける

迷い込んだ
ずっと奥深く
流れていく
ささやかな小川は
さら さら と
どこに
流れ着くのだろう

ことば
それはただの
ツールにすぎない ....
泣きはらした様な空が
広がり
あたしのうちまたを
細い暖かい体液がまたながれて
玄関の先の土を濡らしてる
うすぎたない腕を
切れそうな糸のように伸ばし
母が若い稲のようにふさふさとゆれ
 ....
そこにあるものは


全面を青く塗り潰した

あたかも絵のように飾られたもの


ある男は言った

ただの青かと


ある女は言った

涙の絵なのねと


子供は言 ....
「別れる日は決めてあるんです」
あどけない顔をして
サラッと彼女は言う
離別の餞まで手に入れた
お人形のような瞳には
背景の妻子の温度は伝わらない
サーモスタットはいつ壊れるかわからないの ....
どこまでが今日なのか
分からなくなった今日
昨日のテレビ欄を見たって
へぇ〜と吸って ほぉ〜っと吐く
テレビは見ませんからいつだって新鮮なのです。

今日が分からなくなった今日
サングラ ....
ベンジャミンさんの自由詩おすすめリスト(1070)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の幻覚- 吉田ぐん ...自由詩1008-7-7
コインロッカー- 小川 葉自由詩6*08-7-6
空中ブランコ- 銀猫自由詩14*08-7-4
早送りの挙句のたまごかけご飯- 吉田ぐん ...自由詩2508-7-4
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
創書日和【扉】sound- 大村 浩 ...自由詩15*08-6-30
静けさを測る- rabbitfighte ...自由詩37*08-6-29
- 小原あき自由詩20*08-6-25
私はピアノが弾けない- そらの  ...自由詩11*08-6-25
始発を見に行ったときの話- 吉田ぐん ...自由詩12+08-6-24
たかが私の- 佐々宝砂自由詩508-6-24
海蛍_(一)- 銀猫自由詩18*08-6-22
路上の絵画- kauz ...自由詩12*08-6-21
巻頭_一月- 縞田みや ...自由詩11*08-6-19
夏至- 石瀬琳々自由詩23*08-6-19
村長- 吉田ぐん ...自由詩1208-6-15
ヤゴの飼育- 西日 茜自由詩13*08-6-11
半そで- 小川 葉自由詩5*08-6-9
ぼくよりもっと- 蜜 花自由詩508-6-6
緑の雨- 石瀬琳々自由詩10+*08-6-5
三丁目の奥手さん- あおば自由詩7*08-6-5
あめふらし- ku-mi自由詩18*08-6-2
模索する太陽- そらの  ...自由詩2*08-6-2
月のない夜- 塔野夏子自由詩20*08-6-1
日向の匂い- 銀猫自由詩15*08-6-1
アリス- こゆり自由詩16*08-6-1
スローターハウス7- モリマサ ...自由詩2508-5-27
群青- 舞狐自由詩21*08-5-27
ドライフルーツ- 渡 ひろ ...自由詩20*08-5-26
あさっての新聞- そらの  ...自由詩8*08-5-25

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