償い輪廻
イオン

あのね、私のお父さん酒癖悪くてね
ひどかったからお酒やめてね
「うん」と頷いたものの
どうして僕が親父さんの償いを
しなければいけないのか苦しんだ
そしてその我慢の償いを
他に求めてしまったんだ

あのさぁ、あたしの前の彼ってさ
どこにも連れてってくれなかったのよね
だからいろんな所に連れてってね
「まかせときな」って言ったけど
どうして俺がそいつの償いを
しなければいけないんだと
その償いをあいつに求めてしまったんだ

別れた彼女、料理嫌いでさ
いつも手作りの味に飢えてたんだ
だからおいしいもの食べさせて
「もちろん」と言ったのは
その償いをしたら貸しができて
上手くいくと思ったからよ
罪のない誰かが償ってくれたら
負い目にしかならないじゃない


自由詩 償い輪廻 Copyright イオン 2019-11-13 22:50:17
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