霧の中に
忍び込ませる
スプレイ
たいせつなもの
傷つけないように
そっとひかる
薬指
夜は遠く
行き来する
吐息のような
それでいて
濡れたような
....
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ベランダから花火に興じる親子が見えた
遠くで見る花火は寂しい
家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
一キロ先サンコンさんがはじめたカウントは円を描いて離陸寸前まで形を崩さないけど怪我をしてしまうとわかっているのか独特の習性でもって何年ものあいだそこに居ついてしまった。細長い楕円形.彼の右腕に ....
善悪の樹の下で僕は罪を犯した
知らなかっただけでも誰も許さなかった
悪い蛇に騙されたんだ
無知を逆手に取られて
やり直す事は出来ないようだ
だから罪を重ねるしかなかったんだ
善 ....
暗く
うっそうとした
朝に
あなたの手が
すうっと
のびてくる
顔のまんなかに
みずうみはある
まつげかすかに
風にゆれ
返し忘れた本
窓辺 の 「ね」
つのる 想 ....
届かない、届かない
嘆きながら
どこかでそう願っていた
届かない、届かない
叫びながら
どこかで居心地のよさを感じていた
わかれることもなく
漂うこともなく
過 ....
気取らない
月のハンモック
紫のペチュニアの花
そんな夜に
黒い硝子の靴は
何処かしらと
少女は思う
銀色の森を見たかい?
なめらかな手触りの葉を
一枚取ったら
あの子に手 ....
主人公はいつもの脇役に戻り
四月初旬の苦味を噛締める
午前九時 窓の外 雨音はバスドラム
僕は憂鬱を声にしてただ吹き飛ばす
色彩などとうの昔に失ったという
無色透明の夢を ....
えいえんの空間のなかのこの場所
むげんの時間のなかのこの時
この時 この場所に
こうして二人でいるということは
なんという驚きだろう
ぼくたちふたり
格別話すこともないけれど
ぼ ....
青い空を白い雲が流れて行く
さらさらと水の流れる音がする
地上から隔絶された空の楽園
ここには僕以外誰もいない
静寂と孤独だけが僕の友達
ささやかに続く平穏な日々に満足していた
あ ....
1
幼い頃、「またあおうね」の挨拶は会うでも遭うでも逢うでもなく
すべての可能性を包括していた
loveにもlikeにも捕われず
すきだとささやきたい
漢字とカタカナとアルファベ ....
それはとてつもない絶望であり
そして希望となった
手が白い
夜中二時前のピアニスト
ショパンの英雄ポロネーズが無音を切り裂く
何かを彷彿させてから飛び出す高音
低音も楽しみ ....
世界にはたくさんの場所があり
たくさんの営みがおこなわれている
その日、僕が
することを選んだのは
床屋に行き
髪を切ってもらうこと
ひどく ....
カセットコンロが 家族の顔を照らす
真っ暗闇 手さぐりで 求め合ったぬくもり
ただ いっしょに
居られるってことだけで
こんなにも 幸せ 感じられるんだね
私たちの すべてを ためし ....
サイダーを流し込んで
クリスタルを身に纏って
引いた線からは光が
零れて溢れて止まらない
宝石みたいなゼリーを
食しては次の朝を待ち
古い友人に会っては
微笑み撒き散らして日傘を
きらきら生 ....
もし、僕が
僕のやりたいこと
僕のやるべきこと
すべて
やり遂げたとしても
果たして
それは
僕なのだろうか
自分未遂の
僕が
ここにいる
だから
僕は
生き ....
立ち尽くす、夕暮れ
雷の鳴く頃
傷口を縫い付けた鋼鉄の糸を噛み切り
雷の鳴く頃
沈黙を破って
鴉等は己の声
針のように
摩天楼へ突き立て
墨が降ったかように黒い雨が注が ....
峯から峯へ、乢{ルビ=たわ}から乢へ、
鈴をたくさん着けた馬車が
夜どおし走り回っている;
春の夜は銀色で、君の眼は茜色、
せせらぎは白いほむら、君の髪は緑、
放射するコロナ、鼓動する静 ....
「もういいよね」って
風の色を
真似した僕は
揺れる足跡
置き去りにして
手のひらに落ちた
雪が色を
失うような
いつもの道に
残した言葉
ほどけた靴ひもを
結ぶこと ....
力強い波の音
体の芯まで響かせて
荒々しく波
水面は留まらない
動き続ける
常に新しい顔見せて
洗い流せ
洗い流せ
蹲るこころ
....
感動の深さを伝えるよりも
感動の在りかを伝えたいの
それ以上の理由はないわ
私が生きてる理由なんて
私が決めたのではなくて
....
おかしいねって微笑んだ君
目を見ると、哀しそうなのどうして
できるなら 心から笑える日が来るといい
取りとめのない哀しいだけの涙も枯れるといい
憂いに屈しない心を
新 ....
誰もいない真冬の歩道橋の上
きんと張り詰めた空気の中
冷気を体いっぱい吸い込み 体の隅々まで洗い流す
賑やかで煌びやかな繁華街の夜に背を向けて
より深い闇の中 ひっそりと息づく ....
あなたが幸せで居ること
それはみんながのぞむこと
私がいつでも願うこと
あなたが私のそばにいれば
あなたの笑顔が見れるのに
あなたと私は向 ....
カードを出すと敵が倒れる
カードを出すと私が笑う
私は悪魔の顔をしている
私の中には誰もいない
私の後ろに誰かがいる
後ろを振り向く事が出来ない
恐怖のあまり
背中が硬直している
辺り ....
寂しくなんか
ないはずなのに
月が
寂しそうに
見える
塵も積もれば山となる。
一円だって 大切 なんです。
射し込む陽は斜めに
赤と青が溶け合う
海 漂う船
いちめんの暗闇に
生み落とされた光
焼き消された群集の亡霊
その手の中にあるものは―
西風が掻き消す
赤き蝋燭
勝ち得たもの ....
どうしようもなく
悲しい
そんな日は
生きてきて
よかったよ
呪文みたいに
繰り返す
涙がでるのに
笑顔が
うまれる
どうしようもなく
悲しい
そんな日は
....
夜は夜のままで、かたち通りに息づいていく
少しだけ回る酔いの、世界の
窓枠から月明かりが零れる
思うままに影の、区切られて
深くなっていく宵の
眠れないと、嘘をついた
流れはそこから、 ....
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