深遠は時を弾丸に変えて、一秒ごとに撃ち込んでくる、そのたびに俺の肉体には風穴が開いて、末端からちぎれそうになってだらしなくぶら下がる、経路を断たれた血はぼたぼたと連弾のように床に落ちてまるでイ ....  それはたしかあたしがまだ一五だか六のころで、だけどそれが記憶としてほんとにただしいのかなんてまるで自信なんかないんだけど、とにかくその頃。街の外れの、ファンタズムっていう名前のバーだったわ。半地 .... 硬直した男根を吸い上げる炎にも似た女の表情が大写しになっているデスクトップ、唾液の滴る音まで聞こえてくるような絵面だった、バックグラウンドミュージックはずっと同じリズムをキープしていて、終ろう .... にんげんに生まれなくてよかった
ありあわせの価値観や
なあなあの絆で
日々を適当に真面目にやる
にんげんに生まれなくてよかった


にんげんに生まれなくてよかった
 ....
雨上がりの朝、快晴の路上で渇いている君の瞬間の思想は、枯れた蒲公英のように末期だ、種はすべて失われてしまった、理由を残していながらもう形骸化している、あとはチョークみたいに安直に折れるだけ、秋 .... コールの途切れた公衆電話のぶらさがったままの受話器からは必ず報われぬ亡霊たちの呻き声が聞こえてくる、コミットなんか出来ない、出来るわけがない、その回線はもうどこにも繋がれてはいないんだ .... ただただ夜が
石畳のうえで時を数えていた
ささやき声のような星が
いくつか浮かんでいた薄曇りの零時
駆け抜けて行ったモーターバイクが
どんな行先を目指しているか賭けてみ ....
崩落した記憶は
心の底に蓄積するままにしておけ
無理に掘り出そうとしても
指先を傷つけるだけ
荒れた舌のような色の夕焼けを見た日に
幾つかの欠片が取り戻せないところまで ....
残酷な怠惰の中、識別出来ない羅列が羽虫の様に群がっては這い回り、必要の無い軌跡ばかりが脳髄に刻まれていく、高速回転の無意味、転送されていく空虚…根の緩んだ奥歯の揺らめきは危うくなった自己の .... 鋭利な刃物で削がれたみたいに二十三夜目の月は欠けて、煮詰め過ぎたジャガイモのようなどろんとした色をしていた、シャーマニズムに傾倒するアマンダは香の立ち込める薄暗い部屋で観念的な詩文を綴って .... 荒れ果てた夜を
隠された夜を
打ちのめされた夜を
くずおれた夜を


バラードがレクイエムのように
人気のない街角に流れて
霧に濡れた路上で
二度と開くことのな ....
何かを綴ろうとして感情が一目散
転がり落ちる一日の終わりが
階段のいちばん下で悪い頭の打ち方をして昇天
きちがいじみた断末魔だった
どうしてやることも出来やしない


通信を何 ....
筋道は分解されて散乱して幾つかは紛失した、もうそれ以上今までのことに固執していてはならない、死体を愛すると陰茎から壊死してくるぜ、暴発を繰り返すようになったら終わりさ、ところかまわず撃ちま .... したたかに濡れたひな菊のとなりで
腐り果てた一羽の雀
受け止める土は泥のようで
月の光も届かない
空家と廃屋に挟まれた僅かな路地のことだった
塗り潰されたような目
塗り潰された ....
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
折りたたまれた一日を鞄につめて
打ちひしがれた男が国道の端を歩いている
盲人用信号の機械的な音楽
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
 ....
真っ逆さまに上昇する夢で果てた転寝は
鼠色の夜更けを窓のそばに連れてきた
手のひらが釘を打ちつけられたように痛むので
ゴルゴダの丘に呪詛を吹きかけた
尖がった唇には幼い ....
俺は一九七〇年に生まれた、鏡川の近くの、へその緒を雑に扱う産婦人科医の手によって―生まれてろくに息もしてないうちに肺炎にかかり、「あの子はもうダメだ」と皆に諦められた、俺はまだヒューヒューとか細い息を .... 動機の無い目覚めと、衝動の無い日常、心肺停止を示すグラフのようなループが、カレンダーを塗り潰して、ぼろきれのように疲労困憊だ、魂が不要な循環、埃のように自分自身は内奥のすみに追いやられる、神風を信 .... 概念上の自動拳銃の引鉄が脳下垂体のなにがしかに風穴を開ける時、眼球はコントラストのバランスを僅かに淡くして、忘れられた観賞用水槽の中の、小魚の死体を含んだ腐った水のような白になる、ゼラチン .... おまえのためのものじゃない、その
激しいギターのうねりも
おまえのためのものじゃない、その
強烈な言葉の羅列も
おまえのためのものじゃない
世界を振動させるリズム
 ....
人影まばらな平日の寂れたアーケイド、二〇時過ぎ
四弦鳴りきらないカッティングで愛をうたう男
暇を持て余している何人かが立ち止まるが
すぐに興味を無くして立ち去っていく


 ....
無が堆積する日常の中で屍蝋化した純朴が
何を見ることもないまなこただ見開いて
呻くような旋律が微かに漂う空間の中を
まだらになって静止している
まだらになって静止している
 ....
全ての詩文を引き裂いたとしても生まれてくるのは新しい詩なんかじゃないさ、魂の触角に植えつけられた古い血が次のセンテンスへの欲望を昂らせるんだ、さあ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばい .... 濃霧のような夜の中で揺らめく影、ぼんやりとした輪郭を辿って…壊死したような思考がまるで要領を得ない文脈を蒸気のように吹き上げている夜の帳、渇いた砂のような身体を壊さないように、胡坐をかいて目の .... 日常に生えふさぼる
魂を刈って過ごした
油断してるとすぐ増える
根ごと抜いてもすぐ生える
恐ろしくしぶとい
恐ろしくしつこい魂
これでいいと思っても
これでいいと思 ....
遠くへと叫ぶ声は、振り返る者を待つことはない、乾涸びた情熱でも、いつか灯る火種を隠しているのなら、持ち続けることは滑稽じゃない、お前の干からびた白骨は、お前自身の言葉で再生されるのを待 .... 狂った夜を漂うのは
他ならぬ俺の宿命
致死量を超える血液が
渇いてこびりついたそんな宿命

栄えず、けれど騒がしい
糞みたいな街の声が遠くに聞こえる
眠りたいのに今日 ....
化石の心が取り憑いた
寝苦しい夏の夜だ
眠りも目覚めも始まらない
首吊り死体みたいな時間だ
脳味噌には粘土が詰まっていて
こねくり回される夢ばかり見る、そうさ
朝でも昼 ....
人は死にます
みんな死にます
老いたり病んだり疲れたりして
どこかへ
行ってしまいます
君だって
僕だって
あそこに居る人だって
テレビの中に居る人だって
穴の ....
これは…
今年の六月のある日
高知県高知市の中央部にある
一件の古い住宅の中で
起こった出来事である…


「軽い気持ちだったんですよ。」
その家の住人、O氏(匿名 ....
ホロウ・シカエルボク(1219)
タイトル カテゴリ Point 日付
棺の蓋にはラッカースプレーでこう書いてくれ、「出来る限りの速 ...自由詩1*13/11/15 1:42
思い出の痛みは嘘になる散文(批評 ...1*13/11/2 22:51
俺はこれを選んだ(含まれる代わりに)自由詩3*13/10/27 16:48
にんげんに生まれなくてよかった自由詩5*13/10/25 22:28
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散弾銃の硝煙の妄想と瞬きの間だけの小さな虹自由詩2*13/10/13 15:41
「なにしにきたの」自由詩4*13/10/10 0:55
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月夜の晩、私は、河原の葦になってクレーターをなぞり自由詩2*13/9/25 1:19
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天国へハイウェイ自由詩1*13/8/4 16:39
ほら、そこで見なれない何かがまた息を潜めている自由詩5*13/8/2 23:55
あらゆるものは砂の数自由詩3*13/7/31 22:08
魂乱刈り(たまらんがり)自由詩013/7/26 23:20
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リトル・タウンのデタラメな路上自由詩4*13/7/7 23:58
生きる気持ちは歩く死体の中に自由詩4*13/7/1 11:53
能動的な夜に反射するものたち自由詩4*13/6/25 1:07
地獄の闇ナーベン!! の巻散文(批評 ...2*13/6/21 14:34

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