動乱を思慕する、がらんどうの日、雪の無い雪景色、早い冬の休日、いつだって同じ話、どっかで見た景色、勝手に時が過ぎ、いつかしら夕暮れ、見送り、空振り、呆けた椅子の上、目の中にまだら模様、妄想の残像、 .... 血液が凝固したとき、その形状がなにかを語っていたとすれば、それが俺のうたうべきことなのだろうと思う、語るべき真実のないやつらは、静寂の中で気が狂う、瞬きの途中で騒乱を目にする、類稀なる血飛沫は讃美 .... お前は煤色の赤ん坊を抱いて
焼け焦げたアスファルトを裸足で踏みしめる
サイレンだと思っていたのはいくつもの悲鳴で
雨雲に見えていたのはなにもかもが
無に還ろうと爆ぜる努力の証だった
 ....
少し離れたところで双眼鏡を覗いていた、絞りやなんかの設定は出鱈目で、そもそも自分がそこを覗くことでなにを見つけようとしているのか、なにを凝視しようとしているのか分からなかった、それはしいて言えば暇 .... もう数十年のキャリアを誇るだろう生ゴミ用のポリバケツには今日も腹を存分に膨らませたビニール袋が蓋が少し持ち上がるくらいにまで詰め込まれていた、俺にはそれが薄笑いを浮かべ、帽子を持ち上げて挨拶をする .... 街外れの巨大な交差点に遺構のように居座っている歩道橋の橋脚に点在するこびりついたある種の伝染病による斑点を思わせる赤錆は、それが置き去られた無機物に歌える唯一の詩だとでも叫んでいるみたいに見えた、 .... 滑落し、転がり、露出した幾つもの岩石に研磨されながら、激突し、砕かれ、折れ、失い、果てしない距離を、途方もない時間を、次第に確固たる死へと導かれてゆく、ただの夜に迎える感情のおおよそにはそんなビジョン .... ときおり
訪れる
叫びの衝動
だけど
そいつを
信じてしまったら
たぶん
終わりの始まりだろう


暖かいとも
冷たいとも
言いがたい
どっちつかずの夜
寝床の中で
 ....
悲鳴の在り方を、お前は、事細かに説明する、無意味だ、喋る価値もないようなものだ、俺はそんなものに興味はない、お前のそんな話を聞いていても仕方がない、けれどお前は喋り続ける、何かにとり憑かれたみたい .... 砂利道に零れ落ちた戯言は瞬く間に無に還り、舌癌の男の歌声がドラム缶に飲み込まれる、機能食品の後味だけが喉笛の入口でオシログラフの針を揺らす、ボトルネックプレイのブルース、環状線の高架の脚で錆びのよ .... 怒りとも悲しみともつかない咆哮が脳裏でずっと続いていた、目蓋と眼球の間に、書き上げることが出来ない手紙が、皺にならないように丁寧に慎重に差し込まれているみたいで、そんな行場のない思いは瘡蓋の下でじ .... 手頃な刃物で踝に刻んだ言葉は小さく、それは告白でも独白でもなく
ただただ痛みと、意味と共に在り
どうぞ私の手をお取りください、苦しみと、悲しみに潜む言葉たちの種よ

大衆食堂の裏側、排気ダ ....
世界の糊代に迷い込み、四方八方、己の居場所とはまるで違う有様で、色の薄い一日が繰り返される、精神異常者が見る見境の無い夢のような日常の中で、思考は数十年放置された廃屋の窓ガラスのようにひび割れ、所 .... 標準ジャップ、標準ジャップ
標準ジャップ、標準ジャップ


オンギャと生まれたその瞬間、だけは
天使のようないい子でした
家に帰ったその瞬間から、乳くれ早くくれ今くれと
朝と泣く昼と ....
あなたは冷たい水に手を浸して、至高の果実はきっと血の混じった奇妙な味がするでしょう、わたしの心は茨の蔓で情け容赦なくくるまれて、わずかな動作で果てしなく食い込む痛みで朦朧とするでしょう、時はもはや .... 擦れ合うふたつの金属のような
疫病の女の叫び声が
複雑に入り組んだ路地で反響を繰り返し
縺れ合っては消えていく雨交じりの夜明け前
悪夢から滑落した俺は
自分がまだ生きているのか確かめてい ....
あとは標的を見つけるのみ、といった感じの鋭角的な光線は、ちょうど天井の一角を貫こうとでもするみたいに壁を走っていた、がらんとした部屋の中に突然展開されたそんな光景は、時代錯誤なパンク・ロックバンドのジ .... 光線の行方の向こうに、ねじくれた俺の鼓動が放置されていた、俺は震える手でそれを拾い上げ、正しいリズムを言い聞かせたが、そいつはいうことをきかなかった、「それは医学的見解に過ぎない」とそいつは言うの .... 午後の朦朧はおそらくは暑さのせいだけではなく、俺はその理由を知りながらまるで見当もつかないといったていを装っていた、それは意地とも言えたし逃避とも言えた、目を逸らしたいようなおぞましい出来事ほど避 .... 三つの錠剤とヴァイオリン・ソナタ、かすれた窓の前で漂っていた、身に着けたシャツの細やかな汚れが、人生を語るみたいに揺れている午後、それは心電図を連想させる、無目的の…指が少し痺れているのは眠り過ぎ .... それは古いコンクリート建築で、ステージを取っ払ったライブハウスか、あるいは陳列棚を置き忘れたマーケットのように見えた。俺は入口付近にぼんやりと立っていて、手ぶらだった。左手側の壁面が俺の腰の高さ辺 .... 時の流れに飲み込まれていく生命の波動をこぼすまいともがき、足掻き、意味の判らぬ声を発する、その刹那、常識と限界を飛び越えた者だけが新しい詩を得るだろう、漆黒の闇の中でも、微かな火種さえあれば光は生 .... きちがいじみた雨の夜に骨まで濡れた俺は自然公園の多目的トイレを占拠して身体に張り付いた衣服をすべて剥ぎ取り蛇口だのなんだのに引っ掛けて便座に腰を下ろして朝までを過ごした、当然寝つきは良くなかったし .... 雨こそ降りはしなかったが、街はどんよりとした雲と湿気に満ちていた、人と擦れ違うのが煩わしくなり、小さな道へと逃げ込んだ、歩いているうちに、その先に昔、数十年は前に、死に絶えた通りがあることを思い出 .... おまえはやわらかなうたを抱いて

音のない振幅をくりかえす

サンデー・モーニング、ディランは60年代のまま

新しい世紀にまた産声をあげる

高圧電線のそばで甲高い鳴声をばらまく ....
回転体のオブジェの間を潜り抜けて、濃紺の闇の中で和音の乱れた子守唄を聞いた、心の中に忍び込んだそいつらの感触は夕暮れに似ていて、ノスタルジーは現在と比べられた途端に苛立ちへと変わる、犬のように牙を剥き .... おまえの首筋は、薄氷のような
心もとない血管を浮き上がらせて
口もとはうわ言のように
ニール・ヤングの古いメロディを口ずさんでいた

空はどぶねずみの
毛並みと同じ色をして
悲しみに ....
ねじられ、路肩の排水溝のそばに横たわった煙草の空箱が、人類はもう賢くなることはないのだと告げている、六月の夜は湿気のヴェールをまとって、レオス・カラックスの映画みたいな色をしている、そしてこの街に .... 夜を埋め尽くす雨音、夢は断続的に切り取られ、現実は枕の塵と同じだけの…薄っぺらい欠片となって息も絶え絶えだった、寝床の中で、やがてやって来るはずの睡魔を待ちながら、もう数時間が経っていた、かまわな .... 廃れた通り、その先の名前のない草たちが太陽へと貪欲に伸びる荒地のさらにその向こうに、梅雨の晴間の太陽を受けて存分に輝く海があった、水平線の近くでいくつかの船が、運命を見定めようとしているかのように ....
ホロウ・シカエルボク(1189)
タイトル カテゴリ Point 日付
風穴の夜自由詩1*21/11/14 21:49
It's absolutely impossible.自由詩1*21/11/7 21:21
野性よ、削ぎ落された地平を自由詩3*21/11/3 15:50
だから、まるで魚が水面を跳ねるように自由詩1*21/10/29 0:17
それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て自由詩2*21/10/19 14:13
「あなたを待っていたのよ」なんて、退屈している女ならみんな口 ...自由詩2*21/10/12 22:37
The Root Waste Disposer自由詩3*21/10/10 21:57
ありがとう、おやすみ自由詩4*21/10/7 9:40
悪い飲みかたの話自由詩3*21/10/3 22:08
自由詩1*21/9/26 11:33
静寂の裏側の出来事自由詩2*21/9/17 18:02
カゲロウたちは永遠の詩編の中で自由詩2*21/9/12 22:46
あぶれもの自由詩4*21/9/5 14:58
標準ジャップ自由詩1*21/8/29 22:36
いつか声をあげるときに自由詩2*21/8/23 21:11
火炙りの朝自由詩3*21/8/15 21:36
光を避け自由詩4*21/8/8 16:53
カオス・アンド・ディスオーダー自由詩2*21/8/1 18:32
とはいえ瞬く間に喉は渇きを覚えるだろう自由詩1*21/7/25 16:15
go back on自由詩1*21/7/18 15:53
そしておそらくはそれだけが在ることにより自由詩1*21/7/11 21:55
蜃気楼に傷口自由詩2*21/7/5 15:35
ごく限られた世界の夜から昼への移動距離を並べて自由詩1*21/6/27 21:50
ボロ布のようなマリア自由詩6*21/6/20 21:30
サンデー・モーニング(ダンス)自由詩3*21/6/20 9:20
深い夜の砂漠自由詩2*21/6/13 21:53
ヘイ・ヘイ・マイ・マイ自由詩2*21/6/8 22:50
適切な靴を履いて歩いている薄汚い夜の現象自由詩1*21/6/6 22:09
神経組織の夢自由詩3*21/5/23 21:16
飢えた魂は余計な肉をつけない(リロード)自由詩2*21/5/16 21:54

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