小さな裂傷に板切れを突っ込んで開き続けるような痛みと不快感が続いていた、エアコンで不自然に冷えた手足の感触を確かめながら、今日したいことと出来ることの取捨選択に精を出していると、その選択そのものに ....
灰色の週末に憂鬱な手紙と葡萄酒、ガレージの中は半分がら空き、天道虫さえこちらに気を遣う始末、ああいい、問題ない、俺がひらひらと手を振るとようやく居心地のいい場所を探すことに夢中になった、それ以上外 ....
ベッドに潜り込んだ状態異常の夜はすんなりと眠りに連れ込んではくれなかった、考え過ぎかもしれない、昼間気温が高過ぎたせいで身体が落ち着かないだけかもしれない、けれどいずれにしても結局眠ることが出来ず、俺 ....
ナパーム弾のような雨が止んで気の抜けた夜の街路、そこいらに張り付いた雨粒がネオンライトで嘘と同じ綺麗さをプロデュースする、この世は鼻で笑えるくらいがいつだってちょうどいい、何かを始めようとするとき ....
牢獄の幻が脳の片隅で鎖の音を鳴らし続ける長い退屈の午後、僅かな転寝の後で世界は入れ替わっているのかもしれなかった、でもだからって別に俺自身は同じものだし、特別することは変わらなかった、俺はいつだっ ....
遠い夜が囁いている、朽ち果てた自我の向こうから、悲しみは樹氷の様に凍てついては煌めき、気の早い遺物となってぐずぐずと生き残る、それは叫びだったはず、それは叫びだったはずなんだ、夜のようだったが薄明 ....
血をよこせ、と内なる声は確かに言ったけど、それがどういう種類の飢えなのか俺には上手く判断することが出来なかった、贄なのか、それとも、もっと精神的な何かなのか、まごまごしているうちに渇望は激しさを増 ....
鋭利な刃物が頸動脈に狙いをつけている、極彩色の夢を見た朝は、初めにそこが天国なのか現実なのか確かめることから始まる、天国ならラッキーって思うし現実ならウンザリする、でも未来があるのはいつだって現実 ....
もしも僕の手に銃が握られていないとして、君はそれについて、僕が殺意を持っていないということになるのだろうか、だとしたらそれは凄く下らない認知の仕方だし、ひとつの結論としてとても愚かしいと僕は言わざ ....
荒れた路面に転がったサイダーの空瓶、ほんの少し欠けた飲み口に残された血が、自分のものだと錯覚した理由は、きっと…潰れたペットショップの前で辛気臭い夜が更けていくのを見ていた、コーネル・ウールリッチの小 ....
お前の臓腑の中で冷たく湿った夢に溺れたい、外気温はウンザリするような数値を示しているだろう、でも俺はそれを確認したくない、もしも俺が銃であれば二度と目にすることも出来ぬくらい綺麗に破壊するだろう、 ....
女は朝早く家を出て行って、俺は彼女の最後の言葉をシンクの中で火葬する、昨日まで続いていた雨は止んで、ブルーの薄いスクリーンが貼られてでもいるように空は均一に青い、真夏の様な猛烈な光と熱が暴れ始めて ....
認知されない臓腑が新しい叫びを欲しがっている、変化を求め続ける限り俺は変わらないで居られる、初めからわかっていたことだ、なにも失ってなどいない、一生を自分のまま生き続けられる人間だって中には居るっ ....
ホテルの部屋には窓が無く、代わりにとでもいうように壁一面がゴッホの絵で埋め尽くされていた、寝室の贋作だ…寝室の壁に寝室の贋作?いったいどんな意図でこういう部屋を作るのか、空調がはっきりとわかるくら ....
剥落していく昨日と、壊死気味の今日のボーダーライン、何もかもがぼろぼろで鬱血した世界だから、本当に美しいものが眩しいほど輝いて見える、俺ぐらいそのことを理解している人間はそんなには居ない、確かめた ....
狂った闇が朝焼けに駆逐されていく、一晩中続いた内なる闘争は荼毘に伏される、何かが終わったわけではないし、始まったわけでもない、ただ圧倒的な力によって一区切りついただけ、眠ることは出来る、眠ることは ....
リアリズムは単純バカの詩的表現みたいになっちまった、誰もが一番わかりやすい手駒だけを持ってカタがつくまで乱発してる、それを真面目さだなんて果たして、気付いていないのか開き直っているのかいったいどっ ....
タマムシの羽みたいな色の朝焼けが始まって、一晩中歩き続けた俺は高速の高架の下で眠ろうとしている、寒さがどうだとか暑さがどうだとか、虫に食われるかもしれないとかもうそんなことどうでもいいくらい眠くて ....
俺がキッチンで魚の鱗を飛ばしているころ、君は花壇の雑草取りに夢中になっていた、キッチンの窓は花壇の正面にあるので、俺は君のそんな実直なまでの姿勢を存分に眺めることが出来た、草花への愛情、美しく咲く ....
長ったらしい名前の紅茶の缶が窓のそばで錆びてた、それがいつからそこに在ったものなのかなんてまるで思い出せなかった、ほとんど何も知らないままで過ごしていたのだ、自分が欲しい明日のことばかり考えて―今 ....
夜が狂うから眠りはぶつ切りにされる、幾つもの夢が混ざり合って、筋書が存在しない奇妙な色で塗り潰される、なぜこんなに身体が強張っているのか、眠ってはいけない理由がどこにあるのか、俺は理解することが出 ....
礫塊に埋もれて漆黒の眠り、だけど極彩色の夢を見てた、かろうじて確保された呼吸、無自覚な日々よりもずっと尊いものを教えてくれた、百鬼夜行は毎晩決まった時間に、ままならぬ俺の鼻先をかすめるように…なんでも ....
音楽や言語の旋律によって意識が肉体から引き剝がされんとする瞬間、乖離の中に痛みや苦しみなど微塵もないことを知るだろう、人間としての知性と生物としての本能が共鳴するためには、生半可な覚悟じゃ到底成し ....
人生の中でもしも、人が人でなくなる瞬間があるとすれば、俺が腰を下ろすのはそこに決まっている、型枠を取っ払った場所、余計な思考、余計な動作をまったく必要としない場所―人間という生命体にもしも正解なん ....
酷い火傷の様な深く疼く痛み、その痛みの上に無数の言葉をばら撒いて膿を解いた、あちこちで蠢く蛆虫の様な思念が、敵なのか味方なのか判別出来なかった、俺もまたそんな、薄気味の悪い境界線の上で歩みを続けて ....
蝙蝠どもがイラつきながら宵闇を殴打する頃、俺は早い睡魔の中で人を殺める幻を見ていた、時間は輪転機を思わせる忙しなさで過ぎ、なぜか無性にカップベンダー自販機のブラックコーヒーが飲みたかった、ハナから ....
音も無く過ぎ去ったものたちが語らなかったものを洗いざらいぶちまけていく明け方の夢、目覚めた時ベッドのヘッドに食い込んでいたサバイバルナイフ、それは俺のお気に入りのものだったがそれが俺の手によって行 ....
漂白された死の概念が脳髄に内訳を差し込む頃、路面電車のリズムに悲鳴が混じっている気がした、いつかの混濁した意識の思い出、黒塗りの家具にべっとりとこびりついた深紅、冬の午後はあの世とコネクトしている ....
朦朧とした午後には腐乱死体の夢を見て、俺の指先はとめどない記憶の中で踊る、安物の名前ばかりの遮光カーテンで隠された住処、寒波の中で吹き荒ぶ風に煽られて軋んでいる、プロコフィエフの旋律を訳もなく思い ....
名も知らぬ魚が、水面で跳ねる夢を見た明け方、天気は雪が降るかもしれないと、あくまで可能性の話、思考のどこかにセロファンが挟まれているような、澱んだ水のような目覚め、その時俺の脳裏に浮かんだものを、 ....
ホロウ・シカエルボク
(1229)
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文書グループ
アイドル。
文書グループ
10/7/8
沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている
文書グループ
08/1/22
投稿作品
結晶は胎児の様に血塗れの臓腑から摘み上げられる
自由詩
3
25/6/29 13:27
One Day
自由詩
3*
25/6/22 22:05
呪いの夜
自由詩
4*
25/6/17 18:33
道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに
自由詩
1*
25/6/12 21:58
pass blood
自由詩
2*
25/6/6 17:57
それは静かにゆっくりと燃え上がり、また、しばらくは燃え尽きる ...
自由詩
1*
25/6/2 21:43
刻印の脈動
自由詩
2*
25/6/1 15:26
結局、血が騒ぐ
自由詩
1*
25/5/25 21:40
24/7ノイズ
自由詩
3*
25/5/21 15:24
あの夜の何処かで
自由詩
1*
25/5/19 22:19
水中に居ると何かを思い出せそうな気がする
自由詩
8*
25/5/17 22:17
氷河の朝
自由詩
5*
25/5/11 21:54
curse of days
自由詩
3*
25/5/3 20:56
理由が知りたいけれど
自由詩
3*
25/4/29 22:28
此処であり、何処かでもある
自由詩
3*
25/4/27 13:33
鈍い夜の後の幻想
自由詩
1*
25/4/19 13:25
Give 'Em Enough Rope
自由詩
2*
25/4/12 18:09
ホーム・カミング
自由詩
1*
25/4/6 22:08
はじまりが歌えているかどうかが
自由詩
2*
25/4/5 22:08
ある寒い春の日
自由詩
2*
25/3/31 22:32
冷えた眠り
自由詩
4*
25/3/29 22:01
あまりにも込み入ってだけど在りようとしては単純
自由詩
1*
25/3/25 22:14
詩岩
自由詩
3*
25/3/21 22:25
どうせすべては塵になるから
自由詩
1*
25/3/17 16:09
Hostage
自由詩
2*
25/3/7 17:08
時間に色は無い
自由詩
3*
25/3/2 15:49
失くしたナイフ
自由詩
5*
25/2/23 14:27
炎が喚く
自由詩
2*
25/2/16 14:06
frantic
自由詩
3*
25/2/8 22:05
年月など関係ない、人もモノもただそこに存在しているだけなのさ
自由詩
1*
25/2/3 21:59
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