悪ガキども、武器を手に取れ、思考の虐殺を開始しよう、俺たちは衝動に従う、自分を突き動かすものを信じる、思考は時により、心を縛り付ける鎖になる、そんなものはもう捨てちまおう、俺たちは思考を乗り越えた ....
ポケットの中で小銭を弄ぶ癖をやめたのは微かに耳に届く金属音が命を削っている気がしたからで、それについては正しいとも間違いとも考えてはいない、ひとつひとつのポケットはずいぶんと軽くなった、小銭をあま ....
壁に残された二年前の嘘
ストラヴィンスキーの神経症的な後味
朝食のベーコンの油のにおいが
因縁みたいに食卓にしがみついてる
ラジオ・プログラムは元気が出る歌とかそんなものばかりで
驚 ....
素顔を晒したピエロが血に濡れた鉈を持ってステップを踏んでいる、被害者の若い女は生首だけになりながらも食ってかかる、無茶だぜ、自殺行為だ、どぶ鼠は優れたギャラリーのふりをして腕組みの姿勢でぼそっと呟 ....
どこかの駅で誰かとすれ違うためだけに生まれてきた
やあ、と言葉を交わし合うこともなく
親密な他人と認め合うような
静かな笑みを交わし合うこともなく
その目に
特有の孤独を共有することもな ....
レス・ザン・ゼロの臭いがする通りで乗り捨てられたキャデラックのバンパーを破壊する夜明け前、野良猫のように芯まで雨に濡れて…夢中になり過ぎて怪我をしたことにも気付かずにいたんだろう、ご自慢のストレッ ....
剃刀はチープな覚醒、洗面所のアスピリンは、労働環境に不平を垂れてる、蛇口は知らん顔で、捻られた分だけの水量を吐き出し続ける、流れた血液のうねりだけで知る時間、闇雲な宛先不明の呪詛、憂鬱と恍惚を同時 ....
唾をべっと吐いて
スタンスを取り
必要以上に
鋭い眼光で
強い態度で
何の責任も要らない、関係のない
政治やメディアに噛みついて
なんならやってやるぜと
ジャブを繰り出して見せる
....
あの年の十月
酒場で知り合った
ヤギという男と二人で
ミシシッピ・ワンの合図でショットガンをぶっ放した
ホリデイで賑わう
陽の当たる大通りで
男も女も、ポリスも子供も
血を吹いてぶっ飛ん ....
おかしな時間に目が覚めて
それからずっと眠れない
閉じ込められた寝床で
脱出計画を練っている
きちがいは耳を澄まし
こそこそと覗いている
晴れるという話だが
夜明けまではなにもわからない ....
世界は夜に満ち溢れ、天使は裏通りの潰れた酒場の店先で横になる、野良犬の鳴声には理由がない、欲望がないからこそうろうろと彷徨うのだ、ジャックダニエルの空瓶のカウベル、割れた舗装の上を這いずってる誰かの甘 ....
偽物のイマジンが街を闊歩している
俺はガイガーカウンターを海馬に埋め込んで
徹底的に感染を拒否する
ヒステリックな世間の声
真剣さこそが真実だと
信じて疑いもしなかったやつら
パリコレ ....
海岸に流れ着いた死体は
名前のないまま葬られた
世間から隔離された
小さな漁師町の住民たちの優しさは
どちらかといえば退屈から来るもので
テツは一五歳
マチは一六歳
ラノは一四歳だっ ....
ラジオペンチで脳味噌をむしるような音が右耳の奥の方で聞こえている、少し湾曲していて、角度によってはまるで聞こえない耳の中で…たったひとつの音譜のスタッカートで塗り潰した楽譜の初見演奏のような旋律だ ....
二七度目のクラクションのあとの殺人事件、三十代のサラリーマンは運転席で生涯の幕を閉じられた、みぞれ交じりの雨が降る二十二時のことだった、アスファルトに流れた血液は真っ先に車道脇の排水口へと姿を消した、 ....
なにもない
なにもない
なにもない部屋を塗り潰して
深海の色に変換した
息の続く海底で沈んだまま
太陽に焼かれる夢を見る
三月
手のひらのなかで
なにかが
握り潰された音がしたけれど ....
眼球のピントは崩れ
右目と左目があさっての方を見る
世界は歪んでいる
その目には確かにそう見える
交通課の事故処理ばかりを目にした一日
救急車で運ばれる誰かの呻き声
深刻そうな顔し ....
辺りを見渡せば意図塗れの言葉を吐いてる魂の貧民窟に住んでるやつら
俺が笑っているのはお前らの自尊心がひどく間抜けで仕方がないからさ
いまその場で誰かをやりこめることしか頭にないんだろう
目先の価 ....
騒々しい球体がずっと頭蓋骨のあちこちを転がり続けているみたいな目覚め、ふやけた景色が見覚えのあるものに戻るまで起きていないふりをして憂鬱をやり過ごし、生存確認のような慎重さで身体を起こし気温の低さ ....
あなたは世界をかくすほどの傘をさして
しのび足のような雨のなかを歩いている
ひらひらするくるぶしまでのスカートはすこしだけ濡れて
きれいにふちどられたショートケーキのようだ
つばめは果 ....
閉ざされたままの部屋の、すりガラスの小さな窓のついたキッチンの床に腰を下ろして、目を開けている時に見える夢にうつつを抜かしていた、部屋は隙間風ばかりで寒く、記憶とともに凍てついていて、それはもはや ....
老いた肉食獣の牙のみで作られた寝台に横たわり、遺伝子に染みついた生温かい血の記憶を弄っていると、脳味噌の隙間に瞬く光がある、針の先のような小さなそれは、けれど深くまで届くような鋭さも感じさせる、俺 ....
亡骸の幻影を抱いて
流木の間を
記憶を縫い取るように歩く
靴底を受け止める
砂浜の感触は優しく
けれど
優しさというのは
時折
無関心と同じで
巡回機のようなカモメたち
薄 ....
見知らぬ駅に降り立つ夢、駅の名も、電信柱に括りつけられたスピーカーから流れているローカルラジオの内容も、その時電話していた相手の名前も、その内容も、駅側のモニュメントのところで出会った年配の男のこ ....
瞬きのように
古い明かりが
点滅を始めて
一日のおわりの
非常信号みたいに
すべての支度は終わった
あとは眠るだけ
眠りなどしないだろう
往生際は悪いほうが潔い
ほんとうに美徳と ....
波を押し返そうとするみたいに冷たい風がひっきりなしに吹き付ける二月の海岸には僕ら以外人っ子ひとり居なくて、そのせいで僕たちは足跡ひとつついていない砂の上を多少の引け目を感じながらずっと、アイロニカ ....
おれの首筋に手を伸ばしてくるやつら
おれの息の根を止めようとしてんのさ
「そら、こちらの指はここにある、少し力を込めるだけでいい」
そんなふうに撫でてみせるんだ
おれは気付かないふりで、そ ....
薄暗い部屋に降り積もるものは
決して言葉には変えられないものだから
静かに瞳を閉じて
それが浸透するのを待ちなさい
あなたは自らそれを
うたにしようとしてはならない
血に変わる前に解き ....
アシンメトリーな幻覚の調和、眼球をくるむみたいに薄く広がり、俺は制作途中のアンドロイドの頭部のように身じろぎもしない…そういうとき、どんなふうに動けばいいかなんて判るやつは居るか?居やしない、賭け ....
たしかレイモンドとかいう
古臭いペンネームの小説家の女が
205の明かりを消したところで
向かいのマンションは奇跡的なビンゴゲームの
結果みたいに真っ暗になった
午前二時には珍しいことさ ....
ホロウ・シカエルボク
(1189)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
ボロボロに転がれ詩人症の骸
自由詩
2*
20/4/26 15:14
金属のリズムに違和感があるのはあたりまえ
自由詩
2*
20/4/23 21:52
濁流によって朝は足止めされてる
自由詩
1*
20/4/20 0:29
気づけよ、ユニークなメイクを施してたのはいったい誰だったのか
自由詩
1*
20/4/16 22:25
どこかの駅で誰かとすれ違うためだけに生まれてきた
自由詩
3*
20/4/14 21:31
この街の壊れた玩具たち
自由詩
0
20/4/13 0:06
吸血鬼は棺の中で
自由詩
0
20/4/9 22:43
見苦しい、シャドー
自由詩
2*
20/4/7 21:25
空瓶
自由詩
3*
20/4/6 0:35
白紙のページを信じる
自由詩
5*
20/4/2 22:08
老いたアスファルトの波の上、無機質ながらんどうのクジラ
自由詩
1*
20/4/2 22:02
満足できない
自由詩
4*
20/3/29 10:55
からっぽの世界
自由詩
8*
20/3/22 23:46
生きてるノイズが屠るものは
自由詩
0
20/3/19 23:10
長い自殺みたいな正義に囚われたやつらの顔を見てみなよ?
自由詩
2*
20/3/16 15:39
深海の寝床で
自由詩
2*
20/3/14 22:37
耳の傾け方を習うのは何よりも難しい
自由詩
3*
20/3/12 22:45
決闘か人殺しか(あるいはみみっちい小競り合いか)
自由詩
2*
20/3/8 22:05
アイ・ガット・リズム
自由詩
3*
20/3/5 22:36
雨の日、うつくしい使者と
自由詩
8*
20/3/1 22:27
画用紙の上に散らばっていくクレパス
自由詩
1*
20/2/27 23:02
血塗れの船で果てしない海を渡れ
自由詩
2*
20/2/23 21:13
今夜、この砂浜に座って
自由詩
7*
20/2/20 22:05
ないものがあらゆるものを塗り潰す
自由詩
2*
20/2/18 6:42
アラウンドアバウトミッドナイト
自由詩
4*
20/2/16 22:38
あの娘は灰色の中に消えた
自由詩
3*
20/2/13 22:32
プラットホームなんかたいした問題じゃない(どちらかの手に切符 ...
自由詩
2*
20/2/9 21:53
わたしたちは死体のようにただ希望を受け止める
自由詩
2*
20/2/6 22:27
機械的な清潔の上に横たわる混沌のあらすじ
自由詩
1*
20/2/2 21:59
こちらは閉じられ、あちらはよそを向いている
自由詩
3*
20/1/31 23:29
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