人影まばらな平日の寂れたアーケイド、二〇時過ぎ
四弦鳴りきらないカッティングで愛をうたう男
暇を持て余している何人かが立ち止まるが
すぐに興味を無くして立ち去っていく
....
無が堆積する日常の中で屍蝋化した純朴が
何を見ることもないまなこただ見開いて
呻くような旋律が微かに漂う空間の中を
まだらになって静止している
まだらになって静止している
....
全ての詩文を引き裂いたとしても生まれてくるのは新しい詩なんかじゃないさ、魂の触角に植えつけられた古い血が次のセンテンスへの欲望を昂らせるんだ、さあ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばい ....
濃霧のような夜の中で揺らめく影、ぼんやりとした輪郭を辿って…壊死したような思考がまるで要領を得ない文脈を蒸気のように吹き上げている夜の帳、渇いた砂のような身体を壊さないように、胡坐をかいて目の ....
日常に生えふさぼる
魂を刈って過ごした
油断してるとすぐ増える
根ごと抜いてもすぐ生える
恐ろしくしぶとい
恐ろしくしつこい魂
これでいいと思っても
これでいいと思 ....
遠くへと叫ぶ声は、振り返る者を待つことはない、乾涸びた情熱でも、いつか灯る火種を隠しているのなら、持ち続けることは滑稽じゃない、お前の干からびた白骨は、お前自身の言葉で再生されるのを待 ....
狂った夜を漂うのは
他ならぬ俺の宿命
致死量を超える血液が
渇いてこびりついたそんな宿命
栄えず、けれど騒がしい
糞みたいな街の声が遠くに聞こえる
眠りたいのに今日 ....
化石の心が取り憑いた
寝苦しい夏の夜だ
眠りも目覚めも始まらない
首吊り死体みたいな時間だ
脳味噌には粘土が詰まっていて
こねくり回される夢ばかり見る、そうさ
朝でも昼 ....
人は死にます
みんな死にます
老いたり病んだり疲れたりして
どこかへ
行ってしまいます
君だって
僕だって
あそこに居る人だって
テレビの中に居る人だって
穴の ....
これは…
今年の六月のある日
高知県高知市の中央部にある
一件の古い住宅の中で
起こった出来事である…
「軽い気持ちだったんですよ。」
その家の住人、O氏(匿名 ....
「昨日」という
ダストシュートに
投げ込まれた
ままの時間
グラスの底で
震えながら
死を
待っている羽虫
声も出さないシンガー ....
狂ったのは俺のせいじゃない、ただほんの少し、運が悪かっただけ…シンクの中に今日食ったものをあらいざらいぶちまけてから、頭の中に蜃気楼のように浮かんだのはそんな言葉だった、それが、真実なのかどう ....
この夜
この場所で
眠ろうと試みているのは
この俺によく似た
なにかであり
見たところ
そいつは
試みに
成功していない
外は小雨が降っていて ....
夏の星座の下で
コカ・コーラとポテトチップス
行き場を
排除した僕らは
廃棄された遊園地で
誰も居ない遊園地で
こんな歌あったなと思いながら
夏の星座の下で
....
あれはそう、蒸し暑い初夏の深夜だった、ちょうど、今夜みたいな…俺は安ワインの小さなボトルをラッパ呑みしながら人気のない路地を歩いていた、ベロベロで…月は無く、といってひどく曇るでもない、なにも ....
では、ぼくの友人の話をします。名前を仮にNとしておきます。明るい、いいヤツでした。Nの実家は県境の山のすごく奥の方で、高校のときから市内に出てきてひとり暮らしをしていました。生物が好きで、生 ....
あれは
寒い寒い真冬の朝だった
ある郊外の
数十年前に廃墟と化した
黒ずんだコンクリートの
ボーリング場の駐車場で
不法廃棄された八〇年代の車の中で
暖め合おうとするかの ....
核爆弾のように空は破裂した、ほら、戸外へ飛び出して踊る時だ、色とりどりの花々が新たな世界の誕生を叫んでいる、お前はそこに取り残されて薄暗い生涯を閉じるのか?魂の奥底まで光を当てなければ質感を持 ....
薄汚れた路地を歩いていた、時間は判らず、空は明方のような薄暗さをもう数時間は保っているように思えた、それはフィルムのように誰かの手が届く中空に張り付けられてるのかもしれない、でもいったい何に? ....
鼓膜が歪むくらい丸められ詰め込まれた愚劣な落書きにも似た囁きのあれこれは限られた空間で腐敗し膨張し支配し圧迫し痛烈な痛みを脳にまで届かせる、暴力的な静寂の中で網膜に虚ろを記録し続けている霧雨の午後、混 ....
こういうの書いてなかったら
おれはたぶんヒトゴロシになってたさ
気に入らねえやつらみんな
徹底的にヤッちまうヒトゴロシになってたさ
おまえがおれと目を合わせれば
....
指先を切り裂いて、騒がしい血を全部抜いて、滴るものを飲みほして、温い悪夢を循環させる、脳下垂体に張り付いた、混然一体の俺のグラフィック、歪み、千切れ、撒き散らされながら、どんな軌跡 ....
お前の髪をほどいて、外に放り出したら
見たこともない世界が開かれる
小さな世界の中から抜け出せ
小さな世界の中から抜け出せ
メイン・ストリートの真ん中にあるジェラートの ....
氷りついた床の上に投げ捨てられたセンテンス、凍えて縮まりながら自分の存在が亡きものになるのを待っていた、どうしてそんなことを思うのかって?決まっているじゃないか、そいつは投げ捨てられた ....
地を舐め、四肢を擦り、蛞蝓の足跡の様に長く、滲んだ血が道をなぞり、呻き声はふしだらな鍵盤の様に、汚れた口腔から漏れ続けた、頸椎が、背骨が、あばら骨が軋み、歪な尺骨と脛が、そうしてきた時 ....
撲殺された昨日の夜の刹那の思考の躯を油紙で包み、台所の床を引っぺがしその下の土に埋めた、覆い隠されただけの地表は湿気て暗く、その下の地中は加えて重く悲しく、そんな土を長く長くえぐり、刹那の ....
生きる術がもうないというなら
生きることなど考えずに生きりゃあいい
すべてを賭けたつもりでもどこか妥協があるように
すべてなくしたはずの時でもどこかに余りがあるものさ
路面 ....
夏の香りがする鉢を
あなたは両手で持っている
鉢の中にはひまわりの
枯れた
ひまわりの花だけがひとつ
えんじ色のマフラーには
秋が詰め込まれている
冬のよう ....
溶けたプラスティックみたいな血が
身体の中をゆっくりと流れている
その血が見せる幻覚は加工物臭く
張りつめっぱなしのジャズ・ドラマーのカウントのように
軒先からの雨垂れが地面を ....
テーブルの上には要領を得ない文章が延々と書き殴られた紙片がある、綴じられたものから無理矢理に引きはがしたように形はみだらで、一度握りつぶしたみたいにくしゃっとなっている、五階の、家具のあまりな ....
ホロウ・シカエルボク
(1229)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
君は英雄なんかじゃない (歌うたいと詩人と絵描き)
自由詩
6*
13/8/7 22:53
天国へハイウェイ
自由詩
1*
13/8/4 16:39
ほら、そこで見なれない何かがまた息を潜めている
自由詩
5*
13/8/2 23:55
あらゆるものは砂の数
自由詩
3*
13/7/31 22:08
魂乱刈り(たまらんがり)
自由詩
0
13/7/26 23:20
灰の中の目玉
自由詩
2*
13/7/10 23:43
リトル・タウンのデタラメな路上
自由詩
4*
13/7/7 23:58
生きる気持ちは歩く死体の中に
自由詩
4*
13/7/1 11:53
能動的な夜に反射するものたち
自由詩
4*
13/6/25 1:07
地獄の闇ナーベン!! の巻
散文(批評 ...
2*
13/6/21 14:34
遠い空、あしもとの街、懐かしい歌、半睡の日
自由詩
5*
13/6/15 22:05
あらゆるものが性急なスピードでこぼれ落ちていく
自由詩
4*
13/5/31 1:38
いらない夜に
自由詩
5*
13/5/28 3:14
夏の星座の下で
自由詩
7*
13/5/23 0:13
エアコン
自由詩
4*
13/5/19 2:04
人魚
散文(批評 ...
4*
13/5/13 0:28
錆びた世界の朝
自由詩
1*
13/4/29 19:03
Come as you are
自由詩
2*
13/4/13 11:56
呪いの朝
自由詩
2*
13/4/4 17:17
生まれを鎮めるためのなにか (The Collection)
自由詩
3*
13/3/24 16:50
おれはヒトゴロシにはなれなかった
自由詩
5*
13/3/11 0:57
まだ見ていないものがある限り俺は何も知らない
自由詩
2*
13/3/7 23:49
天使たちの罠
自由詩
4*
13/2/24 22:50
温い感触の鎮魂歌
自由詩
3*
13/2/18 0:13
地を這う男
自由詩
1*
13/2/17 14:18
躯は踊る、無作為なときの中を、ひとりで
自由詩
1*
13/2/13 23:59
小さな音だけがはっきりと聞こえている
自由詩
4*
13/2/11 22:48
季節のあなた、そして、季節のぼく
自由詩
4*
13/2/7 22:26
死神のメロディー
自由詩
2*
13/2/2 0:31
途切れたものはいつもかならず手の届かない場所にしか居ない
自由詩
1*
13/1/8 0:25
7
8
9
10
11
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13
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15
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