些事に塗れ、気もやらぬうちに、死んで消えていくやつら、生まれるそばから、溢れかえるそばから、滅多矢鱈に回転数を上げていく、運命の歯車は煙なぞ上げない、そいつの頑丈さはヒトの及ぶものではない、俺は眠 ....
靴の甲のあたりの高さにもなれない、小さく目立たない花が板塀の脚に沿って群生している、昨夜遅くの雨でそいつらはテレビコマーシャルのように粒の小さい光を跳ねている、板塀はところどころ破れていて、それは ....
きみは遠い世界の春を抱いて、シャンソンに合わせて身体を揺らせている、昼間は夏のように暖かかったけれど、夜は北極のように凍りついている、電気ストーブよりもいくつもの薪をくべた暖炉が欲しくなる、そんな ....
裏路地にもう何十年も転がってる自転車の
茶褐色に錆びた車輪が真夜中に一度だけ軋んだ
生き過ぎた鳥のため息のような音
その時、俺の知り合いがそこに居れば
俺がひとりで何事か話していると思ったかも ....
煤け、捻れ、特に堪え切れぬことなどないのに、やり切れぬ思いで、真実同士が食い違い、どこにも落とす場所がない、こちらはあればかり見て、あちらはこればかり見る、交わらないことの為に牙を剥き出しにする、 ....
夜明け前、くすんだ窓ガラスは、まだ覚めやらぬ俺を映し、見覚えのない拳の傷、戯れに噛んで夢の名残を押しやる、退屈だけがいつも、上質に仕上がっていく、こんな朝にもう一度目を閉じたら、多分すべてがお終いに走 ....
食虫植物が翅を休める虫を絡め取ってゆっくりと飲み込んでいく映像が脳裏でずっと繰り返されていた、一度首を刎ねられてまた繋がれたかのように身体はどこかバランスを欠いていた、信号を伝達する回路がどこかで ....
雑居ビルの片隅の
空き部屋みたいな光景が
心情として焼き付けられていた
雪の夜
悪魔が暖炉を探して
往来を彷徨ってる
人々は戸を閉ざして
気の早い春を待ちわびてい ....
死の影を踏みながら咆哮する血液の垂れ流しざまを嘲笑して落陽を迎え、薄い刃物のように刺さる冷気を抱きながら二十世紀の昂ぶりに打たれて我を忘れていた、過去は嘘に近いリアル、現在はただの空気、未来は夢物 ....
性急で乱雑な、まるで最期の煌めきのようなビートに群がる羽虫のような俺の心音、歯をカチカチ鳴らして、食らいつく場所を探している、硬すぎるか、速すぎるか、それとも不味すぎるかーおや、顎が疲れてきたみたいだ ....
鼻歌は
ド♯がどうにも上手く出せなくて
メロディーは誤植した看板みたいになった
でもギャラリーなんかいなかったし
空は穏やかに晴れていたから
俺としてはそれでも悪くはなかった
良く出来た結 ....
本当のことはとても静かにやって来る
俺がそうだと声高に叫んだりなどしない
気づいたらいつの間にかそこにいる
迷うヒマなど与えてもくれない
ハーフムーンに見下げられながら
凍えて帰った ....
俺の脳味噌を取り出して、バラバラに解して、床に真直ぐに並べていく、ベルトコンベアーの上で、次の処理を待っている食肉みたいに…どうしてそんなことを思いついたのか分からない、ただただ退屈で仕方がな ....
古いジャムの香り
おれたちの
もう二度と出せない声
無知ゆえの
喜びに
満ちた…
鎮魂歌は鳴りっぱなし
奏者には
もうどんな思いもない
ただ
指揮者がタクトを下すまで
手を止 ....
暗くじめついた廊下に遊び半分に並べられた死体、順番に四肢を欠損させて、水槽の魚の餌にする、悲鳴はひとつも聞こえない、もうその段階はすべて終了している、罪名は伏されたまま、誰もそのことを知らない、執 ....
凍てついた亡骸を引き摺りながら、悲鳴のこだまする方へと
不安定な足元を均しつけるように歩いた
空はシュールレアリスムのような曇りで
雨の代わりに百足でも降り注ぎそうな趣だった
亡骸はもうす ....
ちょっと焦げたピーナッツバターが乗ったトーストとカフェオレの為ならなんだって出来る、とマリはいつもふんぞり返って話してた。「あたしにとって人生で大事なものはそれだけなのよ」って。実際、一日に二回(朝 ....
置手紙はいつだってびりびりに破かれていて何が書いてあるのかなんて到底読み取れそうにない、でもたぶん、置手紙に読むべき事柄が書かれていたことなんてないんだ、多分…紙屑は丸めて捨てる、それ以外にやるべ ....
豪雨の窓辺で蝋細工の悪魔が猛り嗤っている気がしたハリケーンの夜、あれはいくつの時の記憶だったのか、脳の片隅で日付を失くしていた、スマートフォンのお前のデータをダイヤルしていた、深い眠りも覚ますほどコー ....
蜥蜴が乾涸びて鮮やかな炭になってた、それは現実に路上で起きたことだった、だが俺は、どうしてもそれが真実だと信じられなかった、時に真実はあまりにも単調で、ウンザリするほど単調に過ぎる、踏みつぶせばそ ....
昨日の雨が水たまりのまま凍りついた海沿いの二車線は
曇り空の下で果てしなく寒々しく
わたしはブーツの滑り止めの具合を確かめてから
葬列の最後尾に着くみたいに歩いた
水平線は薄明りと虚無に飲 ....
無数の砂鉄が強烈な磁力に引かれある一点に群がるみたいに闇がひしめき合っていた、密度は増し続け、それは完全なる黒とでも呼べそうな、もはや重力と呼んでもかまわないようなそんな黒だった、俺は緩慢な瞬きの ....
忌々し気にジャングルブーツでガードレールを蹴飛ばした女を横目で見ながら今夜の行く先を探してる、夜は突然に身も凍るほど寒くなり、そしてポケットには僅かな金しかない、一時間でいい、ほんの少し腰を下ろし ....
昏倒のような深夜、ブロック塀に書き殴られたイルーガルな単語のいくつかは綴りを間違えていた、まだ十月も終わっていないというのに不自然なほど冷えていて、俺はふらふらと歩き出した最初の目的をすっかり忘れ ....
それは崩落し、細かく砕けながら、薄暗い地面へと乱雑に堆積していく、激しく、そしてささやかに繰り返す破壊音は、インプロビゼイション・ジャズのような気まぐれな旋律を形作る、すべては破片、音を上げれば上 ....
枯れた樹木が
腐って落ちるように
あなたは居なくなった
あしもとには
かさかさの
かけらが残るばかりで
死んだから永遠
なんて
わたしは
疼く血が好きだから
そんなもの
信じ ....
受話器を耳に当てたけれど水難事故の被害者の泡音が聞こえてくるだけだった、そこでそうそうに電話を切って、そのとき電話が鳴らなかったらしようと思っていたことを実行しようとしたけれど、それがなんだったの ....
ラジオの音は好きな音楽よりも投げやりでよくて
だからラジオの中で眠ることにしてる
住んだことのない場所の局がいい
まるで想像出来ない道の交通情報を聞いて
馬鹿じゃねえかとひとりで笑ってる
ね ....
一番愚かなことは
放課後の中で学んだ
一番美しいもののことは
禁忌の中で学んだ
一番罪深いものは
日常に転がっていた
一番悲しいものは
自室の本棚で震えていた
引戸の滑りが駄目にな ....
世界が目覚める前に
おれたちはそこにいて
翳りと虚ろを抱いて
道路標識の下で
帰路を忘れていた
腕時計は電池切れで
携帯の充電もあとわずかだった
夏の装備じゃ思ったより寒くて
自販 ....
ホロウ・シカエルボク
(1233)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
願わくばそれが混ぜ物なしの原罪であらんことを
自由詩
1*
21/2/17 0:42
あなたはただ佇んでいる、それがわたしには心地好い
自由詩
3*
21/2/10 0:02
サン・トワ・マミー
自由詩
2*
21/2/3 0:36
あらかじめ瓦礫の中の
自由詩
5*
21/2/1 18:16
好きに羽ばたけばいい、こんな時間じゃ誰も見ていない
自由詩
2*
21/1/25 23:46
月世界の旅行者
自由詩
2*
21/1/15 22:29
リズム、グルーブ、その連続
自由詩
1*
21/1/12 22:49
実感は理性的じゃない
自由詩
3*
21/1/11 21:48
また瞬きがお前を惑わすだろう
自由詩
1*
21/1/8 23:04
気まぐれな時計のリズムはメトロノームでとらえられるのか?
自由詩
2*
21/1/5 23:36
ブルースを殺(バラ)せ
自由詩
6*
21/1/3 7:59
無波動の寝床
自由詩
2*
20/12/28 21:41
揺るぎ無いイズム
自由詩
1*
20/12/25 22:22
仄かなノスタルジーの監獄
自由詩
2*
20/12/20 21:51
Want it.
自由詩
0
20/12/18 22:34
まるでうまくいかない
自由詩
3*
20/12/14 23:31
ピーナッツバタートースト
散文(批評 ...
4*
20/12/11 22:19
置手紙はお終いだからそんな風に死んでしまう
自由詩
0
20/12/4 22:52
オカルトとゴシップとビジネス、我が物顔のコミック
自由詩
2*
20/11/30 22:34
遺失の痣
自由詩
3*
20/11/22 0:52
過去の歌、散らばる道
自由詩
5*
20/11/19 22:59
そして鍵の形はいつも同じではない
自由詩
1*
20/11/12 22:14
ほんの、少しだけ濡れた
自由詩
2*
20/11/4 22:04
ダイスを転がそうと棒を倒してみようと、それで行く道が決まるわ ...
自由詩
1*
20/10/29 22:59
見えないのか、舞台はすでに準備を整えている
自由詩
1*
20/10/22 23:21
すぐに乾いてしまううた
自由詩
2*
20/10/17 21:16
I Won't Grow Up
自由詩
1*
20/10/14 21:42
ラジオの気楽さのままでよろしく
自由詩
1*
20/10/10 21:22
天国はここ、って歌ってたやつもここからはいなくなったし
自由詩
5*
20/10/9 8:37
からっぽの夜
自由詩
1*
20/10/7 16:02
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