非世界から吐き出された器としての私性
一滴の光でさえも顔料にして
熟したひだの内側へと塗り込んでゆく
ゆらめく環としての仮性植物
突起した肉からしたたる千草色の液
私は世界のあらゆる空に押し ....
死するものの輝きがひとつの歪んだ戦慄のなかで遠景をひろげている、過去から届くさかだつ呼び声は次第に熱化して僕から幽石を焼き切ってしまう、僕は雨の中で生まれたのだろうかあるいは海の中であるいは問うことの .... ――切り立ってごらんなさい。つまさきで。手の先を。あなたの手のひらには死の網が浮き出ている、巻雲の申し子だ、耳の中で変色する早苗の葉音を頼りに、内園からつなぎとめておくのです。私はおさない被告人、砕け .... はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する .... 三本目の脚の脈打ちを性器に感じながら、夜はたちうかぶ精気たちを無数の舌でささえてゆく。いまだ散開しつづける空の屍骸が夜のなめらかな声帯をたきつけて、金属のすりあう音をたてさせている。人と人との間には巨 .... ――――――――――――――――――――
昔日の思想は僕の手に形をあたえる。指先を
くるむほとびた皮膜に沙漠のイマージュをな
がしこむと、僕の手指は草の葉をつまむこと
ができる。内臓の液化して ....
第一章 権利

 君をみたす酸素分子はさだめられた方角を見失うとき、霧となる。池のおもてで朝日が砕かれてゆくのを、君は燃える指でなぞる。どこまでが記憶なのだろうかと、問うこともしない。背後にあいた ....
手首の上をながれてゆく触覚を足の裏に溜める。肌からにじみでる殺意が皮脂に溶け込んでしまうのは、私の内なる単子が水を吸った海綿だからだ。水色の球面を幾度となくめぐり、針をうしなった摩擦力。角の取れた立方 .... 時間は円をめぐる歩行者のようで、はてのない夢境にて死を装い続ける。驟雨にぬれた林の小道で、あざやかな多面体をステッキで描く。数々の速度がきざまれた都市の舗石の上で、マッチの火をともす。視界をおおい始め .... うたびとの記憶は木の葉のように、それぞれの滑面を散らしながらはすに重なりあってはひめやかに燃えていくのです。残り火は隔たりをときはなって、思い思いの灰を降らせながら真空にうずもれてゆきます。灰は年老い .... 隠喩的な記述は、それがどれだけ通常の語法から離れているかによって、いくつかに分類することができる。

M1.社会通念上十分ありうる記述
例)桜が散った。
(受験に失敗したという意味)
M2. ....
水平線から屹立する歪んだ石棺の中で、僕は世界を描いている。つねに覚醒する神々の息吹に合わせて、僕は一日を造形する。鳥たちは朝と昨日とを見つけ、太陽は残酷に衣装を剥ぎ取る。選ばれているのだ。だが、奪われ .... 開かれた朝の冷淡な舌の上に 
夜闇が傾く
燐を見たカササギの子は 
深く苦い光の中に 痙攣する
audivisti?
無を語るものたちの 産声を
audivisti?
腑を落とされ 抱擁 ....
細かにえぐられた容積を抱え込む椎の木立が潜熱としての意味を失う地点であてどなくさざ波は広がる。枝間からこぼれ落ちる木の葉ははじまりを告げる単音を虚空に受精させ大気がむららと熟するのを苔のように待つ。
 ....
葉leaf(914)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩7*06/1/28 10:44
自由詩905/12/29 17:02
生死自由詩8*05/12/28 10:58
自由詩10*05/10/28 17:55
自由詩605/9/28 11:10
(窓)(部屋)自由詩10*05/8/28 10:37
法学自由詩19*05/7/28 17:37
儀式自由詩6*05/6/28 20:20
機械自由詩5*05/5/26 19:47
自由詩13*05/4/27 19:45
隠喩と論理形式散文(批評 ...19*05/4/26 19:20
来迎自由詩4*05/4/23 16:01
自由詩5*05/4/23 7:07
滅び自由詩12*05/4/22 21:00

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