しかけをはなれて
ゆらゆらと
どこまでゆくのか
おれのウキよ
みなもにうかぶ
あのつきの
ゆらゆらゆれる
ひかりのなかへ
しかけをはなれて
ふわふわと
どこまでゆくのか
....
目を 凝らしても
何も 見えない
穫り入れの 済んだ
果樹園
の 翳り
もう
崩れる 積荷
の 無い
軽トラック
の 傾き
目を 凝らしたら
余計 見 ....
ぬくぬく するのは
ふあふあで ふかふかの
きみの ながれぼしが
わたしの うでに
すとん、と おちたから
きみのまくらもとにも
わたしのうた そっと とどきますように
ながれぼし ....
区別されてあれ
紺色の犬よ
十センチ歩幅の
ローカルな犬よ
この職で食うからには
一生、区別されてあれ
扱う品は
人の生命、身体、財産
消えゆくものは
自らの影
区 ....
あしたは あさってを みつめて
あくび している
そして きょうは?
うたたね しているに ちがいない
ちくたく ちくたく
すすんでいく じかんのなか
ふたりの ちく と たく の
....
あの日
しゃがんで拾った貝殻は
引き戸の奥
ひしめきあいながら
眠っている。
波に濡らしてしまった、
と泣いた
スカートのすそで
今なお
夕暮れは踊る
あの日
目の前を ....
きもちは こつん こつん ぶつかって
ときには ほろほろ
ときには ゆるゆる
しゃくしゃく せまって
からから まぜっかえす
ときおり はしって つむじかぜ
りょうてで つつんでいる ....
新しい雨合羽を買うという
同じ色で良いだろうという父に
母はピンクがいいと言った
野良着は 弟のお古でも いい母であった
農作業の汚れは しつこい
捨ててもいいような服を 着ては ....
頑なな思考に
惑い開く口びる
「昨晩見たような
今朝の太陽」
まさか
夢の中なら何を
言ってもいいだなんて
そんなことは
ないんだろうけど
放たれな ....
なんだ
あんたも
そんな詰まんないことを気にして
隣人に愚痴言う人間だったんだ
そんな取るに足らないことに引っかかってるから
毎日
詰まんないんだよ
....
こんがらがった むつかしい きもち
すれちがっていく つむじかぜに
ふりかえりつつ かたを すぼめ
どこにも ひらいては ゆけない
げんざいち しめしては
また たちどまり
せ ....
ゆれているので
こっくり こっくり
あいずを おくった
しんぱいっていう わすれものを
とどけたり とどけられたり
いっしょに いない
きもちと きもちを つないでいくために
お ....
きみとぼく
たっている
しろい
なにも
みえない
なにが
あるか
わからない
しろい
ぬのを
まとい
てにはクローバー
みつば
あまい
ミルクの
....
ほら はやくおきなさい
なんどもゆすられて
めをさました
まどのそとはまっくらで
てんじょうできいろいでんきゅうがひかっていた
おじいちゃんはしんけんなこえで
ほら はやくしたくしなさい
....
わたしのいきかたは
ひっそり
しずかに
ひっそり
ひそひそ
ひそひそひそり
と
ひっそり
ふざけていきてます
もじれつ のはいれつに
ふるいに かけられた
おでこーろん
さややかに よこにも
つるきん たてにも
とろく とろ とこ
ちいちゃな いしは
はじきとばし おー
お ....
夢の中を彷徨っていた
泳げないはずの海の中
魚になって泳ぎ回る
深い深い海の底に
大切なものを落としたから
必ず見つけなければと
こころが焦る
もぐ ....
ぽっかり空いたこころの穴に
いつのまにか小さな庭ができ
そこに小さな花が咲きました
どこからか風に乗って
種が飛んできたのでしょう
知らない間に芽を出して
....
チリリン チリリン
眼鏡の君はブーツで漕ぐ
紫雲
オレンジのビル
夕陽と遊べ遊べ
チリリン チリリン
ニセモノみたいな僕の人生の
猫も転がる土手の道
ほんの少し前を漕ぐ ....
湯気の立つ肉塊を
両手で拾い集めて
ふたりを収納しても
まだ
身元は割れない。
発車を急ぐ特急は
ふたりの命など
雪よりも軽いらしく
せかせかと汽笛を鳴らす。
母と息子を一瞬 ....
青い空の向こうから
巨大な顔が降ってくる
にこにこにこにこ
笑いながら
うわあこっちにくるな
木の葉を一枚 硝子の器に浮かべてみました
空 をみつけました
心は 揺れておりました
虹を見つけるコツは
こまめに空を見上げること
雨のたび
忘れず雨上がりに期待すること
四つ葉のクローバーを見つけるコツは
誰かのために探すこと
本当は自分で見つけないと意味がないん ....
ひかりのわっかが ゆらゆら
おどっているのは だれのこころ
そのこころ ふりかえらずにはいられなくて
くちびるからも おどる
かさなる わっか
きらきら
そのうでに ....
次から次へと
浮かんでくる
悲しい思いを
言葉にしないで
静かにそっとしておきます
息を吹きかけたら
どんどん膨らみ
動きまわりそうだから
おとなしくしてなさいね
しばらく
....
台風去って 青空に見惚れる
白い犬が
着メロにあわせて唄う
わお〜ん わおぉ〜〜ん
林檎を食べていると
傍に来てお座りする
一片あげると
シャリシャリ ....
こがらしがこんなに
びゅうびゅうとふきあれるなかで
つりざおをふるぼくを
わらわないでください
ゆきはふりまたふり
ふりつもり
くもはうずまき
ながれ
びゅうびゅうとながれ
ひっ ....
いやあ
あきれはてるほど平和
ほんと
あごがはずれるほど安心
どろどろ
どろどろ
溶けだしている
溶けだしている
この国の幸せ
米国追随
鬼畜米英
とついこの間ま ....
かなしみがとことこ
ひとりでにあるきだして
どこかとおい
うみにかえると
いいな
いとしさがふわふわ
かってにとんでいって
いつかどこかの
きみにとまれば
いいな ....
「なかみはなにでできているの?」
幼い子が私に聞く
着ぐるみに入っている私は
その問いに答える事は出来ない
おしゃべり厳禁とアルバイト規約にあったから
「あなたのなかみはなにでで ....
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