すべてのおすすめ
簡単なものをつくる
それがほんとうはむずかしいのよ
そんな風に言いながらつくる
おいしい?
素早くきいてみる
返事をまたない
からっぽになっていたら
泡であらう
ぜんぶあら ....
雨ですね
言葉がふえる季節
無口な人の傘が
はっとする色で驚く
傘がそのまま人の
数になり
忘れられるものもまたある
帰る頃には晴れて
笑顔になったり
いっそう激しくなっ ....
心細いから影がいる
そう思って振り向かない
影が私の
前にきてくれるときがあるから
うつむきかげんで歩いてる
あの子にも教えたい
けしてひとりじゃないんだよ
どんな人だって
....
オレンジを切る
六等分に切る
大きいのと小さいのができてしまって
やっぱりさ
みんなおんなじってむずかしいね
大きいのをあなたに
そうおもってよくみると
オレンジのかたちが
ま ....
不安の正体が
自分だということは知っている
自分となんか
戦いたくはないよね
気付かないふりで
丁寧にお茶で もてなしてみる
少しきむずかしいお客様みたいに
それじゃあどうも ....
不安になって
ぴりぴりした肌でいると
小さなことでひっかいてしまって
ひっかいたものが憎くなる
ごめんねも言わないのね
なんて言葉も鉄砲になる
撃ったら
もどせないのも知っていて ....
だれからともなくなきだして
一斉になきやむかえる
なく意味をすぐに
考えてしまう私だけど
なきたいからないてるんだよ
君はそう簡単に言う
そんな風に明日をむかえよう
大声でま ....
私が私がって言いたくなる時
私の背中から羽がはえてくる
飛んでごらんとはえてくる
ほんとうは飛べるけど
まだその時期じゃない
うん と一呼吸すると
私はすとんと引っこんで
相変わ ....
服を捨てた
どんどん捨てた
着ていた頃の自分を捨てた
服に心をひっぱられたけど
ええいと切って
ばっさり捨てた
タンスはからっぽ
骨になったハンガーが
風にゆらりと揺れている
....
ひとりにひとつ星があれば
遠慮なく願い事ができる
かなわなかったと怒ることができる
なまえをかこう
しるしをつけよう
星には手が届かないから
だから
私は木がすきなんだ
空 ....
自由って
探すと自由じゃない
おふとんの中ぐらいの広さでいい
伸ばした手足が届くぐらい
それより先が未知数で
それよりうちが私の温度
自由って
想えば想うほど自由じゃない
....
母の日用のカーネーション 店先の
半額になっている
次の次の日
その次は
お店の裏側でひっそり咲くんだろうな
おかあさんの
姿に似ている
赤いカーネーションの鉢植え
傘をささない中学生は
二人組で真っ黒だったり
ひとりでぽっちゃりだったり
背の低い複数だったりするけど
青いジャージから
迷いと期待のにおいをさせていた
その細い真芯までは
....
つばめの親は
とぼうとする子供を助けない
少し離れた場所で
おとうさん
おかあさんはとまっている
何事か話しながら
たまに外へいく
こどもはうんしょとのりだして
どたばたと ....
うまくいかない
うまくいかなくて普通だ
だけど
おもしろくない
自分だけにおもえる
そうだね といわれなくて
頭をうたれて
また少し背がちぢんで
背伸びしていたのに
ぽき ....
負けるもんか
って思ったけど
勝ち負けじゃない気がする
わかってよ
風がふきつける
わかってよ
わかってよ
いろんなものをとばしてゆく
私は
とばないよ
ふんばっている ....
意地をはったら息がつまる
背中がぴりぴり痛くなる
いったん意地をはると
ひきかえせなくなる
はらなければよかったけど
吐いた言葉をどうにもできなくて
残った意地とだきあって
折れ ....
紋白蝶と
紋黄蝶が
八の字を描いてとんでいる
互いの色など
関係ないよととんでいる
あのひとは嫌いでね
と会話する私たちの上を
白と黄色の蝶は
とんでいった
わらいながら
ツツジの花が
赤白赤と
クラッカーみたいに咲いていました
祝福も歓迎も
されていないのかもしれないけど
道の端にずらっと
クラッカーはならんでて
ぱーんと
紙吹雪がでてくるよう ....
重そうな藤の花
棚からたれさがる午後
春の重みと
命の重みで
私まで深くもぐりそう
探し物は
子供の日の
母の日の
父の日の役割の家族
目にささる紫を
心に刻みながら
....
ポケットのついた服を着ている
あわてて後悔を隠すため
間違っては訂正を繰り返し
ポケットはいっぱい
夜にざららととりだして
テーブルに並べる
色はあせているけど
今日の景色だね
....
春どまんなか
土からは
いきおいよく命がうまれてくる
その上にいる私は
押され気味にゆれている
風はあたたかい
どっちへゆこう
きまりきった日常なのにおもう
人って
どこから ....
みんな迷っているとおもうけど
私はほんとうにいつも迷っている
次にだすのが
右か 左か
それすらもうろ覚えな気がしてしまう
確かめるすべはいつもない
後姿は遠すぎる
同じむきに歩 ....
あなたと会話をする
迷路にまよいこむ
歩いても
ふいに道があわられきえる
言葉が
ひゅるひゅるとうねって
あなたをかすめてながれてゆく
わかってない
互いがしぼりだしている
....
正しければいいってもんじゃない
正しいなんて
自分からみた円にすぎない
相手からみれば
それはかけた月のようなもので
ふーんと横をむかれるだけだ
正しいのにと地団太ふんでも
....
おまつりのちょうちん
ぼうととおくあかるく
おみこしを
かねを たいこを
かついで たたいているのは
おじいちゃんだ
おとうさんだ
となりの おにいちゃんだ
いまはもういない
....
ドアをあけたらまた今日でした
かわらない君がいて
少しほっとする
ハムスターにエサあげて
いわれて小さないのちにむきあえば
もっとやさしくしてくれと
するどい爪でひっかかれた
き ....
こんなにたくさんの
文字が 並んでいるのに
どうしてさみしいんだろう
文字でなんか温度を感じられない
そう言われて涙したのは私
向こう側にいるはずの
だれかの息遣いを知らない
....
桜に出迎えられると
晴れがましい気持ちになる
今日の新入生という
気持ちになる
薄い白は
希望の色か
あおいそらにすけて
今日もわたしはがんばろうとおもう
雨になんて
うたれたっていいのに
逃げている 背中丸めて
桜だけが
受けとめている
雨滴
弱虫だね
私たちみんな
それをよいことにして
よりそうきっかけにして
雨滴 ....
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