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往来へでて
てきとうな影をみつけては持ち帰るが
どれもやはりあなたではない

晴れた日には
いつもより多くの影が行き交うが
どれもやはりわたしではない

くもりの日
沸点をこえた ....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた

顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた

ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
午後の床 殺意にも似た日焼あと

濡れた戸をひらいて閉じて行き止まり

食べかけの歯型ごと熟れ黄ばみゆく
いろいろな世界とちがって
あれはゆれない

やわらかいものを
固いもので包んで
自分から傷ついているような
いたいたしさだ

そういうものを
いくらゆらそうとしても
赤々しく
 ....
明日はもう
ここにはいないし
雨も降りそうだし
こわいから
食べて

そして
明日になったら
明日のわたしを
食べてね
手がふれる、という覚悟と、手がふれた、という諦念の間には、ほんのわずかの隙間があって、わたしはだいたいそこいらへんに住んでいるのじゃないかと思う。わかっていながら、実在に達しない、その、なんとも。 .... 着かざってる
女の子たちに
にっこり笑いかけると
疎まれるけど

だからといって
犬猫にも
すかれない

男の子は
流動的すぎるし
男のひとは
大きすぎる

それだから ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている

ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子

思い出すように
生きるから
死ん ....
真夏だが雪の降る日である。こんな日に足湯へゆこうと誰ともなく言い出すのはしごく真っ当、ふだんは気難しい祖母までもが電話を寄越して「足湯かねこんな日は」とめずらしく意見をそろえてきている。
「冬の靴下 ....
4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる

いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている

八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
十八
すべりこむとうめいの音、(僕の)使えないなかみ
まちがい、溶け出した赤い右手と、黄色い耳と、走ってる車の、青白い音と十円玉でつけた引っかき傷がほんとうは気付いてるってこと、
ほんと ....
わたしがあなたの下着を干しているあいだ
あなたはわたしのために歌をうたっている

わたしがにんにくの皮を剥いているあいだ
あなたは二人分のコーヒーを落としている

わたしが玄関のタイル ....
見あげた鉄塔は
汗もかけずに
さむざむと鉄色をしている

足もとの濃い影が
すこしだけ揺れて
ふりむいたすべてはあかるすぎて見えない

あかるすぎて
見えないなかで
あなたがあ ....
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった

おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので

うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている

 ....
むかし熊だったころの話をすると
わたしの手あしの毒虫に噛まれたところがどくどくと痛むので
これはむかし熊だったころにも同じところを噛まれたのだろうなと
予想できる

それくらいの頭で
 ....
陽のしたで
わらっている子ども
泣くとき大声あげるん
だろうな

ひざをかかえて
血をなめている
わたしのもとへ来る蛾は
どいつも羽が
不揃いで

うまく飛べるように
たか ....
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
夏休みでした。水族館へ連れて行ってもらい、夕食付きのホテルへ泊まった。
水族館では、いるかの跳ねるところと、くらげの展示と、あしかのショーの最中に、濡れたあしかの肌が、おどろくほどすべらかなさま ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
きょう一日をやりおおせた
とおもうのは
はげしい気もちをした日とか
ふかく考えをした日とかでなく
よっぽどの働きをした日でもなく

さるすべりの花の咲いてあるのを数えたり
五つからな ....

たとえば
装填されていない銃ほど
うつくしいものがあるか

街、
羽を抜かれた鳩が飛ぶ

仰向けで泳ぐ魚
黒鍵のないピアノ


引き金を引くときは
かわくほど目 ....
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら

わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった

朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
よるに
向かいあって
ぎざぎざした

あさが来てもまだ
ぎざぎざした

こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも

寄りそってみても
ぎざぎざした

月が
 ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
愛と詩はべつものよ
花瓶の花と荒野の花とに
どれほどの貴賎があるだろう



ただ咲くように咲け
それをときどきやさしく飾るのが
詩の役割だろう
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって

いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
 ....
わたしたちは誓いました。そこで
わたしははじめて誓いを立てました

(わたしはいつもそうです、「まさにそのとき」が来るまで、それが、いったい何なのか想像することもできない、そしてそれに立ち会 ....
そこまで行きたいのなら
ボートを編んでおいで
おもいきり細く
しなるような枝で

祈りはきっと
どこへも届かないだろう
願いはきっと
どこへも結ばれないだろう
それでもそこまで行 ....
まーつんさんのはるなさんおすすめリスト(426)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- はるな自由詩6*12-9-18
ことば- はるな自由詩812-9-17
誰も- はるな自由詩812-9-16
午後の床- はるな川柳312-9-14
ゆれない- はるな自由詩212-9-13
たべて- はるな自由詩512-9-13
届くとか届かないとかのこと- はるな散文(批評 ...812-9-11
笑いかける- はるな自由詩412-9-10
チェリー- はるな自由詩612-9-7
真夏の雪、地蔵骨峠の夢- はるな散文(批評 ...312-9-4
目かくし- はるな自由詩712-8-30
八月が終る- はるな自由詩112-8-30
抱きあう動物- はるな自由詩512-8-28
鉄塔- はるな自由詩312-8-28
産卵- はるな自由詩712-8-25
美しいひと- はるな自由詩412-8-24
- はるな自由詩212-8-24
するどい時計- はるな自由詩912-8-18
8/14- はるな散文(批評 ...412-8-15
からから- はるな自由詩712-8-15
やりおおせる- はるな自由詩312-8-5
撃鉄- はるな自由詩512-8-2
- はるな自由詩412-7-27
ぎざぎざ- はるな自由詩512-7-25
さかな- はるな自由詩612-7-22
愛と詩は- はるな自由詩412-7-22
ナッツ・ケーキ- はるな自由詩812-7-16
きれいなお城- はるな自由詩6+12-7-13
6/16- はるな散文(批評 ...312-7-2
ボート- はるな自由詩312-7-2

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