すべてのおすすめ
おーい と
夢が呼んでいる
稲のなかで
緑色が発酵していく

背中の真ん中をいく夜を追って手が伸びる
それを愛撫と呼ぶかもしれなかった
世界の稜線に
日が沈む

ぎりぎりと 音 ....
ああ 蟻の体で
君の思考をあるいたら
どんなに気持が良いだろう
意味や理由から赦されて
わずかでもたしかな重みをもってあるいたら

でもこれは
ぼくの罪で
いつまでも脳を出ない
 ....
夜をむかえるのと
朝をむかえるのは
どうちがうだろう

うえになるのと
したになるのでは
愛するのと
愛されるのでは
生きてくというのと
死んでくというのは

どうちがうだろ ....
ミサイルは
花のうえをとんで
どっかいった

あぶないから
線の内がわをあるこう
くるまが、ほらこわいよ
というと
花がはじめて
こわい
といった

ミサイルも
 ....
坂の多いところに引っこしてきて二月になる。暖かすぎる冬にもようやく雪が降った。じきにみぞれに変わって重たくぬかるむ轍をばちゃばちゃ言わせるのが楽しいらしく、膝の下あたりまで濡らして娘があるいていく .... 朝にはりついた夜はかわいて
とかげみたいにちいさく息をしていた
バターひとかけら食べさせてやる
もうおそいのだ、 外は朝で
朝がきたからにはまた夜まで待たなければならないし
夜がきてしま ....
やさしいくまは
なんにも食べずに
やせている
かつてつややかだった毛並みは
ぼうぼうにとがって
やさしいくまは
そのうちひとかたまりの茶色になって

ちょうどきのうの晩ふきあれた強 ....
ため池は空をうつすが
空はため池をうつさない

涙と呼ぶには
あまりにもふかい緑色のなかを
どこまでもどこまでも進んでいく
夜、よるが終って朝がくる
来た、朝がきて、光は

体のかたちに心を整えるが
ほんとうは心のかたちにからだを沿わせたい
紺色のクローゼットとか壁の白とかも、
でも本当にしたってそんな ....
寝息から雨だれまで
すべて世界はきみのもの
知らないということが
あなたの世界を広くする
知るための手順は
あなたの水がめをみたしてなお深くする
あなたは覗くつもりで水がめを倒してしま ....
たぶん最初はだれかのためだったけど、今はもうそうじゃない。爪をかざったり物語をつくったり、お湯をわかしたりする。駐車場をいくつもわたりあるいて暮らしている猫に餌を投げてやるのだって猫のためじゃない .... 気持はいつも
うち側へはじけたから
つまらない奴だと言われていた

たしかにわたしは
つまらぬ女で
するすると全部抜けていってしまうのだ
やって来て 去っていく

いくつもの時間 ....
ゆく道には死がしきつめられており
きた道にもまた同様にある
足元をちょっと切りぬいて四つに割り
オーブンにいれて温める
角の溶けたところをみてとりだして
塩と蜜とで齧ってみれば
なんの ....
ひかりのなかで
影が 退屈している
あきらめたように
ねそべって

抱きしめてやる
手を伸ばすと
とたんに
わたしに溶けてしまう

ひかりに溶けないわたし自身が
こんどは退屈 ....
だってもう夜は綻びはじめて
あかるい掌をみせている
足のはやい子はそこへたどり着いて笑っているが
わたしの足はなぜこんなに重たいのだ
ひらひらとあかるい意味の内側、
さるすべりの花みたい ....
覚えているいくつかのことよりも、覚えていない膨大な時間たちがわたしの多くを形作っているということはわたしを強くする。世界は途方もなく広大で無意味に美しく、その無意味さは何よりも尊い、果てのない尊さ .... どうしたって女のだから肌をしめつけて日陰を歩きたい。という思惑とはべつに梅雨を無視して日差しは降り注ぐし、あっという間に色褪せる紫陽花にはぞっとさせられる。それは美しさであって、自分ではないというのに .... この先には 庭があり
庭の先には 塀があり
塀の先には 道があり
道の先には 川があり
川の先には 海があり
海の先には 浜があり
浜の先には 道がある

この先には なにもかも
 ....
半月だか一月だかあるいはそれよりも長いのか泣いて暮していると花は季節をわたっている。咲くばかりであった紫陽花も色あせるどころか朽ちかけているじゃないか。雨の日は靴をはかずに濡れている地面を高層から .... だれもきょう
ここにいなくても良いのだ
錆びたてんびん座
図形
意味なしのことば
切り分けられる空間

ここにいなくても良いのだ
うつむかなくてもいいし
生きていなくてもいい
 ....
めくらねこ、おいで
なにかの冗談みたいだね
今日が昨日のつぎの日だなんて
じゅうたんのしみを舐めている
めくらねこ、かわいいね
おまえたちが死ぬところを
きっと見ていてやるからな
そ ....
波がたち
風がたおれる
うつくしい季節
わたしは
いない

ざあざあもえる緑
ここちよく冷えた夜
青じろい街灯の影
わたしはいない

不安
安寧
焦燥
安堵

わたしは ....
わたしたちは
結ばれた みじかい紐のように
そこに置かれていた

女たちが 色々な名前をよびながら
入ってきて
そして 出ていった

わたしたちはほんとうに望んでいた
だれかが、 ....
詩人がみんな
ことばが消え去るのをまっている
画家が黒と白の絵の具を混ぜつづけるように
教師たちは生徒を置いて家へ帰る
神父さまは折れた十字架でシャーベットをすくう
詩人はみんな
こと ....
街かどの女たちに
欲しがるだけ黒を与える
得るごとに欲深くなるさまは
日没のようにうつくしかった

さてわたしは
いよいよ壊し始めたこの柵の残骸を
きょうは焼場へ持っていき
そうし ....
夜になったら娘はわたしの手をひいて、底へつれていきます。わたしたちはくたくたの毛布をひいて横になり、しばらく転がって遊びます。
彼女のちいさくて厚ぼったい手のひらがじょじょにあつくなっていき、そ ....
星はながいことひかって
ねむるように消えた
わたしたちは棺桶工場のすみにすわって
それをながめていた
とてもとおくながいところを
物語がながれていくのや
歌うたいたちがはじく音符がこぼ ....
ぬかるみは
青空をすいこんで
ますます深くなっていく
なにもかも捨てたと思っていたのに
肌じゅうに あこがれやさびしさが結ばれて
じゃらじゃらがしがし鳴っている

いつかもこんなふう ....
ついさっき猫は
まんぼうと腕を組んでそこを曲がっていったよ

わたしはそれまで
とても孤独だったのだ
ひとりで はだしで ふるえて
ひたひたと沈みゆく一日を感じながら
なすすべもなく ....
なぜうつむくの
笑いながら
一日ぶんのいとしさは胸へ仕舞われて
綴じるばかりで待っている

幸福のさなかで
なぜうつむくの
言葉にしなければわからないのに
言葉にしたら終わってしま ....
まーつんさんのはるなさんおすすめリスト(376)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愛撫、稲のなか- はるな自由詩416-8-11
蟻の体- はるな自由詩616-5-25
ちがう- はるな自由詩516-2-25
ミサイル- はるな自由詩716-2-8
轍のこと- はるな散文(批評 ...416-1-18
バター- はるな自由詩916-1-17
やさしいくま- はるな自由詩515-10-2
緑色- はるな自由詩615-10-2
きてひかりは- はるな自由詩615-9-30
---- はるな自由詩315-9-9
湖の恋- はるな散文(批評 ...5*15-7-31
ちりぬるを- はるな自由詩715-7-25
正夢- はるな自由詩415-7-14
退屈- はるな自由詩315-7-12
憧れ- はるな自由詩415-7-12
367- はるな散文(批評 ...115-7-5
- はるな散文(批評 ...215-6-29
庭2- はるな自由詩315-6-29
なめらかな小石- はるな散文(批評 ...215-6-22
かんてん- はるな自由詩515-6-22
めくらねこ- はるな自由詩415-5-24
いないわたし- はるな自由詩615-5-23
屑篭- はるな自由詩615-5-23
天体学者- はるな自由詩515-5-21
日没- はるな自由詩415-5-19
寝るまえのこと- はるな散文(批評 ...315-5-13
棺桶工場- はるな自由詩615-5-8
青空- はるな自由詩215-5-2
ついさっき猫- はるな自由詩515-4-7
抱擁のてまえ- はるな自由詩515-3-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する