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君のカタチを
いつまでも覚えている
私の躯は
過去と現実
半分づつで出来上がった金属

明日の蹄で
ノックすれば
カーンカーンと
音 響かせる

錆びてしまえば
捨てられるのに ....
杉の林は等間隔に植えられている
不要な(人間にとって)
細い横枝は
ばっさり切り落とされて
そのまま
そこらに置いておかれる

君らは要らない枝なんだ
役にたたないものを
育てるなん ....
眠っているなんて嘘さ
眠っている時は
みな死んでいる

でも
それじゃ怖いから
眠っていることにしておくのさ

子守唄は
眠りの友達ではなくて
死の隣人だったのさ

死を知って ....
詩のすぐ傍に
時折死があるのは
詩を読む人が
死のことを知りたいと思うからです

詩のすぐ傍に
時折希望があるのは
詩を読む人が
絶望のなかでも生きていかねばならないと知っているからで ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと

あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
 ....
二月の天空は
コートも着ないで
冷えるのにまかせているせいか
時々
くしゅん、くしゅしゅんと
くしゃみして
そのたびに小さな雲をまきちらしている

いや、雲ではない
あれは羽じゃない ....
王国に
オカリナの音が響き
それを合図に
門が開かれました

死者にはもう悲しみはないのです
先に逝ってしまったことも
とりたてて
悲しいことではないのです
それはこの世に生きるもの ....
たねは
ねむっている
どんなゆめをみているのだろう

たねが
かぜにとばされた
すこしふあんになってふりかえる

たねのきおくは
らせんのようにつながっている

たねは
たびを ....
私の頭に
時々帽子がぷらりと帰ってくるよ

遠い昔
だれかが
私の髪の毛をくしゃくしゃっと
した時の
あの切ないような感触を
私の頭は覚えているよ

みんな
自分のことだけで精一 ....
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱた ....
ぽっかりあいた
空洞は
ただ ひたすらに
まっている

「おかえりなさい」と
言う時を

夜の孤独は
しんしんと冷え
柱時計が時を刻む

ぽっかりあいた
スリッパの
空洞の ....
なんのために
歩くのか
それが死への行進であっても
もはや
退くこともできず
ただ祖國の土を踏むことだけを
夢見て
凍土を踏みしめて行く
泣く力はとうになく
乳さえ吸う力もない
赤 ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった

舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
あの子は
人間樹木になって
森へ還っていきました
さあ
嘆き悲しむのは
もう止めにしましょう

春には
芳しき白い花を咲かせ
やわやかな緑の新芽を指先に這わせ
虫や蝶を友とし
秋 ....
今朝も
様々な具材を乗せて
すし詰め電車が
発車していきます

季節は冬ゆえ
暗い彩りになることは
ご容赦いただきます

味は
休日明けゆえ保証します
たらふくご馳走を腹に溜め込 ....
雫の形はなんのカタチ?

淡水パールにも似ています

王妃の耳を飾ります

それとも人魚の涙でしょうか

雫のおつむは
一点で
最後に誰かとつながっていて
離れ難くて
揺れてい ....
悲しみの蓋は
いつのまにか
ぱたり、と
しまる

しめようと 
やっきになっている時には
その蝶番を
がたがた いわして
頑として 拒否するくせに
ふと気づいたら
ことり、と
 ....
 見えなくてもそこのあるものは、実際のところ世の中にあふれている。見えなくても聴こえる。見えなくても、そこに存在する。決してオカルトではなく、純然たる事実なのだ。
 実家の家の前には、かつて小さな川 ....
手のひらの水路は
かつては
とうとうと水を運び
小舟の上では
とれたての魚が 飛び跳ねていた

みどりの髪の豊かにして
甘やかな香りに
包まれて
たわわに果実の実る季節
口を寄せれ ....
梅雨の晴れ間に射す陽光は、いかにも目に眩しい。この図書館の処々にはステンドグラスのはめ込み式の窓がある。陽が射さない日には、くすみ、精細を欠くその窓も、今日は冴々と色を発色させて美しい。ステンドグラ .... その海は
私の海とつながっている
嵐がくれば
たちまちぷつりと切れてしまいかねない
一本の麻のロープの
あやうさで
私の心とつながっている

その海は
もはや この地のどこにもない
 ....
愛玩物ではない
友だちでもない
生贄なのだ その金糸雀は

愛くるしい黒い瞳に
健気にも
青い空を映し
そのさえずりは
未来の鈴の音のような かろやかさ
あばら屋に
不似合いな
 ....
重たい荷物の あれこれは
そこへ
置いて行きましょう
何も持たなくていいのです
宿屋の手配もご無用です

頁<過去>をめくる
しなやかな指を もちましょう

とうに肉体を無くした
 ....
バレリーナの背には
透明な羽がある

それは
一見すると
柔らかそうに見えるが
実は
アンドゥトロワと繰り返される
日々の鍛錬によって
美しい鋼になったその肉体と
同じくして
透 ....
空よ あなたは何者ですか? 満ち足りた時は美しく 哀しい時には より美しい

なぜだろう 雨も涙も透明なのに青く塗ってみたくなるのは

何もかも捨てたくなって空に投げ 落ちてくるまで こ ....
昭和二十年八月六日午前八時十五分

ヒロシマは地獄と化した

おなかのなかで泳いでいた名もない 胎児
三輪車に乗って遊んでいた あやちゃん
竹の物干し竿に洗濯ものを広げていた 母さん
ア ....
少女が恋した相手は{ルビ舟人=ふなびと}だった
{ルビ陸=おか}で生きてはいけない
それが舟人

祖先をたどれば
互いに 海で生まれた小さな泡同志だが
海を捨てたものたちは{ルビ陸人=おか ....
人という字は支え合っている
同時に
人という字は依存しあっている
人ゆえに

どちらが
依存する度合いが多いのだろう
右側? 左側?
一見すると だんぜん左側のようであるが
実は
 ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ

スピードくじとも
いうそうな

アナログなスピー ....
「柿の実を全部採ったら だめなんよ」
そう言って
祖母は
せっかく実った柿の実を
いくつか
まばらに残しておくのが常でした

ひとつは
お腹をすかせた小鳥のために
ひとつは
木登り ....
ただのみきやさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(837)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
形状記憶合金- そらの珊 ...自由詩5*12-2-8
杉林- そらの珊 ...自由詩5*12-2-8
- そらの珊 ...自由詩7*12-2-7
子犬のワルツ- そらの珊 ...自由詩4*12-2-7
風の棺- そらの珊 ...自由詩20*12-2-6
みちくさ- そらの珊 ...自由詩6*12-2-6
オカリナ- そらの珊 ...自由詩7*12-2-5
たね- そらの珊 ...自由詩812-2-4
帽子- そらの珊 ...自由詩9*12-2-4
三面鏡- そらの珊 ...自由詩10+*12-2-3
空洞- そらの珊 ...自由詩8*12-2-2
チチハルからの渡り鳥- そらの珊 ...自由詩10*12-2-2
HELP- そらの珊 ...自由詩10*12-2-1
人間樹木- そらの珊 ...自由詩9*12-2-1
人間巻き- そらの珊 ...自由詩13*12-1-31
雫のカタチ- そらの珊 ...自由詩4*12-1-30
あまのじゃく- そらの珊 ...自由詩9*12-1-28
アオミドロ(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7+*12-1-28
ロストワールド- そらの珊 ...自由詩4*12-1-26
金魚(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7*12-1-26
海と海- そらの珊 ...自由詩9*12-1-25
金糸雀- そらの珊 ...自由詩5*12-1-25
旅をしましょう- そらの珊 ...自由詩11*12-1-24
バレリーナ- そらの珊 ...自由詩7*12-1-24
洗濯日和- そらの珊 ...短歌11*12-1-21
折り鶴- そらの珊 ...自由詩9*12-1-21
ひなぎく- そらの珊 ...自由詩11*12-1-18
共依存- そらの珊 ...自由詩6*12-1-18
謎くじ- そらの珊 ...自由詩13*12-1-17
命のための命- そらの珊 ...自由詩4*12-1-16

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