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雨が降っているのかしら、と
君がつぶやく

君のつぶやきは
答えを求めている時と
そうでない時があるので
それを聞き分けるのが
とても微妙であるけれど
肝心なのは
語尾のニュアンスで ....
過ぎ去ろうとしている
冬のしっぽが
白く きらめきながら
川面を流れていく午後
でも
私は
それをつかまえられない

パレットに出された錆びた金色を
時間の筆が
グラデーションを付 ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた

待合室から小さな裏庭 ....
裏庭に佇む気持ち
(あまり陽のささない北向きの場所)
裏窓から外を眺める気持ち
(特に心浮き立つ景色ではなく)

何かに
裏をつけてみると
どこか秘密めいた香りが漂い
私は
つい覗い ....
ナナという名前だった
もとは捨て猫だったらしいが
いつのまにか 
隣の家に居着いてしまったらしい
すごく立派な面構えで
どこかで外国猫の血が入ったのか
ブルーの眼と
むくむくの銀毛を持つ ....
かあさん
お空が ないてるよ
だれかが 
なぐさめてあげたらいいのに

かなしくなくても 
なみだはでるよ
なみだで
せかいを 
あらいながしたあとは
とつぜん 
正気にもどって ....
自分も毛糸玉のくせして
プッチは毛糸玉と
戯れるのが好きだった

ふたつの毛糸玉は
所狭しと転がり回り
私は面白がってその糸を引いたものだった

小学生だった私と弟
そしてやっと歩き ....
あなたの闘い続けた十三年に深い敬意を覚えます

妻と愛児を殺されるという
私には計り知れないほどの
かなしみと
ぜつぼうと
うらみと
にくしみの中で
司法という巨大な組織とも闘い続け
 ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう

スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど

いちまばたきが 
      およそ一秒
 ....
人さし指を 探しています

誰かを指さして
不幸を笑う人さし指ではなくて
指と指の先を
そっと合わせれば
心のバッテリーが静かに充電されていくような
そんな
人さし指を探しています
 ....
生まれおちたその日から
ラストページには
死という文字が書かれています

毎日頁をめくるたび
結末は知っているのだけれど
あえて忘れたふりをします

忘れたふりをしているうちに
ほん ....
薄氷の花が川を流れていくところ

空中の水蒸気が凍って きらめいていくところ

丘に積もったパウダースノウに 風が お絵描きしていくところ

雪の下では 動物たちが丸くなって眠っているとこ ....
ジミ・ヘンドリックスは「死んだら一生安泰だな」と言ったそうだが
私が彼を知ったのは
とうに伝説の人になってからだった。

ホイットニーヒューストンの歌をよく聴いていたのは
たぶん三度目の恋に ....
たくさんの呼び名を持つ人がいる
あなた
あいつ
あのやろう
あの人
旦那
主人
名前で呼びたくなる時のあなたは
やさしい顔をしている
名前で呼ばれる時の私も
たぶんやさしい顔をして ....
生まれたばかりのころは
世界と自分との間に
境界線がまだなくて
自分が誰かなんて
どうでもいいことだったのでしょう

そのうち
自分の そとがわが
出来始めると
この なかみは
自 ....
世界が
平面だった頃
心にあったのは
数字でした

数字たちは
穏やかないでたちで
私が答えをみつける数式の道々に
ほほえみ
見守るように
友達の顔をして
たたずんでいました
 ....
{引用=こわいよ、おかあさん、おにがおいかけてくるよ
 
またこわいゆめをみたのね
だいじょうぶよ、おかあさんがそばにいるわ}
   ◇
小さな灯によって
浮かび上がったその影に
ふたつ ....
猫には猫の言葉があり
犬には犬の言葉があり
鳥には鳥の
虫には虫の
花には花の
水には水の
苔には苔の
風には風の言葉があって
会話しているのだろう

地球と月も会話しているのだろ ....
イマドキの女子にとって
バレンタインデーは
好きな男子にチョコレートを渡して
愛を告白する日では
もはやないようである

友チョコといって
親しい女子同士で
チョコレートを贈り合う日で ....
夜に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
闇夜になるのが
淋しくて
誰かを想わずにはいられない

星に心があったなら
きっと淋しい心でしょう
たったひとりで
何億光年旅をして
誰 ....
森の奥深く
たった一滴の水を源流として
川が生まれた

水のゆく
みちすじが川となり
やがて河となる
高いところから
低いところへ
流れていく

河が長い旅を続けるのに
パスポ ....
 私は苺を潰して食べるのを無上の喜びとする女です。完全に潰すのではありません。
 いうなれば半殺しです。苺を半殺しにするのです。
 半殺し、などと、物騒な言葉を知ったのは、お彼岸の時だと記憶してお ....
指きりをしましょう

大切なことを忘れないように

私の手のひらにあるものの
かけがえのなさを
忘れないように

あなたを一生かけて幸せにするという
決意を忘れないように

子供 ....
君のカタチを
いつまでも覚えている
私の躯は
過去と現実
半分づつで出来上がった金属

明日の蹄で
ノックすれば
カーンカーンと
音 響かせる

錆びてしまえば
捨てられるのに ....
杉の林は等間隔に植えられている
不要な(人間にとって)
細い横枝は
ばっさり切り落とされて
そのまま
そこらに置いておかれる

君らは要らない枝なんだ
役にたたないものを
育てるなん ....
眠っているなんて嘘さ
眠っている時は
みな死んでいる

でも
それじゃ怖いから
眠っていることにしておくのさ

子守唄は
眠りの友達ではなくて
死の隣人だったのさ

死を知って ....
詩のすぐ傍に
時折死があるのは
詩を読む人が
死のことを知りたいと思うからです

詩のすぐ傍に
時折希望があるのは
詩を読む人が
絶望のなかでも生きていかねばならないと知っているからで ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと

あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
 ....
二月の天空は
コートも着ないで
冷えるのにまかせているせいか
時々
くしゅん、くしゅしゅんと
くしゃみして
そのたびに小さな雲をまきちらしている

いや、雲ではない
あれは羽じゃない ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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お空の_なみだ- そらの珊 ...自由詩912-2-24
雨とプッチと毛糸玉- そらの珊 ...自由詩14*12-2-23
祈りをこめて- そらの珊 ...自由詩4*12-2-21
みみ- そらの珊 ...自由詩26*12-2-21
時計のない国で- そらの珊 ...自由詩10*12-2-20
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リハーサル- そらの珊 ...自由詩5*12-2-17
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